クリスマスは日本においても一大イベントとして扱われていますが、祝日とみなしても問題は無いのでしょうか。
クリスマスは誰もが知る大切なイベントではありますが、公にどのような扱い方がされているかについてまで考えたことのある人は少ないでしょう。
この記事では、日本や海外においてクリスマスが祝日として扱われているのかどうかについてご説明します。
来たるクリスマスに向けて、クリスマスに関する基本的な知識を学んでみましょう。
目次
クリスマスは日本では祝日?
日本においてはクリスマスは祝日として扱われていません。
クリスマスに学校や仕事が休みになることはありませんよね。
もしクリスマスが祝日であれば、基本的には学校や仕事が休みになっているはずです。
クリスマスの時期になると盛り上がりますが、あくまで公的には普段の日と変わらない日として扱われています。
クリスマスであってもお店は休まず営業しているため、バイトなどを始めて最初のクリスマスを迎える方は、誤って無断で休んでしまわぬよう注意しましょう。
クリスマスにプライベートな用事を入れたい方は、事前に休みを申請しておく必要があります。
クリスマスは特に多くの人が仕事の休みを取りたがるため、休みの申請が被った場合は誰の休みを優先させるかをしっかりと話し合う必要があるでしょう。
クリスマスが祝日ではない理由は?
日本で広く浸透しているクリスマスですが、なぜ祝日ではないのでしょうか。
本来であれば祝日になってもおかしくない程メジャーなイベントであるにも関わらず、クリスマスが祝日にならないことには理由があります。
クリスマスが祝日にはならない理由はクリスマスが宗教的なイベントであるからです。
憲法の第20条で信教の自由に関する規定が記載されていますが、そこに国や宗教はいかなる宗教にも特権を与えないという旨の記載があります。
クリスマスは、元々はイエス・キリストの生誕を祝うお祭りですので、クリスマスは宗教に関連するイベントであると言えるでしょう。
クリスマスを祝日にしてしまうと、国がキリスト教に特権を与えてしまうことになるため、クリスマスを祝日にすることができないという事情があります。
上記のように、クリスマスが祝日とならないことには、明確な理由があることが分かります。
参考までに憲法20条の条文を掲載しておきます。
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
上記の通り、クリスマスを祝日にすると違憲になるということが分かります。
日本でクリスマスが祝日として扱われない理由に関して憶測による意見が飛び交っていますが、鵜呑みにしないようご注意ください。
日本にキリスト教が浸透していないからなどという話は全く関係なく、単純にそれが違憲になるからという理由に尽きます。
以前はクリスマスは祝日だった?
実は、戦前は12月25日が祝日となっていた過去があります。
丁度クリスマスの日ですが、クリスマスと関係があるわけではありません。
12月25日に大正天皇が亡くなったため、大正天皇祭として祝日に指定されていました。
敗戦後はGHQによって天皇を神格化することを禁止されたことにより、大正天皇祭は祝日から外されました。
過去にクリスマスが祝日であったと勘違いされることがありますが、実際にそのような事実は無く、
大正天皇日が亡くなったのがたまたま12月25日であったということを覚えておきましょう。
今後クリスマスが祝日になる可能性はある?
今後クリスマスが祝日になる可能性は低いですが、祝日になる可能性が無いわけではありません。
戦時中の日本は宗教国であり、日本の強さを高めていた大きな理由が天皇となっていました。
GHQは日本を負かした後で、日本の勢いをそぐ目的で政教分離を徹底させたという背景があります。
天皇に対する日本人の忠誠心が敵国にとっては非常に脅威であったため、日本人の意識から宗教的な観念をできる限り忘れさせたいというのが当時のGHQの狙いです。
政教分離が根付いた現代においては、宗教的なものに関する規制を多少緩めても問題無いという見方がされるようになる可能性があります。
今後はクリスマスなどのイベント程度であれば、祝日に設定しても良いのではないかという声が上がることもあり得ます。
とはいえ、現在はクリスマスを祝日に設定しまうと違憲となってしまうため、すぐに実現することはないでしょう。
憲法改正には国会における議論などを重ねる必要があるため、クリスマスを祝日にするためには長い時間と大きな費用がかかります。
わざわざ時間と費用をかけてまでクリスマスを祝日にする必要があるのかという疑問の声が上がることも予想されますので、現段階ではクリスマスが祝日となる可能性は低いと考えて良いでしょう。
祝日の候補は他にも様々なものがあるため、憲法改正が必要なクリスマスよりも祝日にしやすい他の日が優先的に選ばれる可能性が高いです。
よほど多くの国民から要求されない限りは、クリスマスを祝日とすることは現実的ではありません。
海外各国のクリスマス状況は?
宗教的な性質によって日本においては祝日扱いできないクリスマスですが、海外ではどのように扱われているのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
実際にクリスマスが祝日として扱われている国は存在します。
クリスマスを祝日にしている国とそうでない国をそれぞれご紹介しますので、ご参考にしてみてください。
クリスマスが祝日の国
クリスマスを祝日としている国は非常に多いです。
欧州連合加盟国は全てクリスマスを祝日としており、オーストラリアやアメリカのような欧米に属する国のほとんどが該当します。
欧米はキリスト教圏ですので当然とも言えますが、中にはキリスト教が盛んではない国でもクリスマスを祝日としている国があります。
香港やシンガポールといったアジア圏でもクリスマスを祝日としていますし、イスラム教の勢力が強いバングラデシュやマレーシアもクリスマスを祝日としています。
セルビアやロシアもキリスト教圏であるためクリスマスを祝日としていますが、こちらは暦の違いにより1月7日を祝日としています。
国の宗教に関わらず、様々な地域でクリスマスが祝日とされていることが分かります。
クリスマスが祝日じゃない国
続いてクリスマスが祝日ではない国も見ていきましょう。
日本の他にはサウジアラビア・中国・タイ・ベトナムなどが挙げられます。
キリスト教の影響が少ない国ではクリスマスも重視されていないため、クリスマスが祝日とならない場合が多いです。
また、日本のように宗教上の理由でクリスマスを祝日にできない国も存在します。
例えばサウジアラビアではイスラム教以外の宗教行事が禁止されているため、クリスマスを祝日にすることができません。
まとめ
日本や海外でクリスマスが祝日として扱われているかどうかについてご紹介しました。
日本でクリスマスが祝日とされておらず、祝日にできない明確な理由があることも分かりました。
クリスマスが祝日になれば予定が立てやすくなって便利ですが、残念ながらクリスマスが今後祝日になる可能性も低いでしょう。
クリスマスを上手に過ごすためにも、予定を入れる際は早めに計画を立てるようにしましょう。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。