カラスの目はいいの?カラスの視力や目の色・カラスにしか見えない色など徹底解説

都会だろうと田舎だろうと必ず見掛ける黒いカラス。

身近な鳥だけどあまり好かれてはいないですよね・・・

一番の嫌われ原因はやはりゴミ漁りでしょうか?

なぜカラスはゴミを漁ると思いますか?

「頭がいいから」もちろんそれもあるでしょう。

でも最大の理由はカラスの視覚に理由がありました。

そこで今回はカラスの「目」にフォーカスして解説していきたいと思います。

目次

カラスの視力はいいの?

カラスの視力は人間より非常に優れています。

その理由を解説していきます。

カラスと人間の色認識の違い

人間の色識別は光の三原色の上に成り立っています。

美術の時間に習ったことがあると思います、「光の三原色」。

赤・青・緑の三色ですね。

この光の三原色の組み合わせで、人間が見えているこの世に存在するすべての色を表現することができます。

人間の視覚はこの三色を認識していますが、カラスはそれにもう一色加えた四色を認識しています。

人間とは見ている景色がちがうのですね。

動物の視覚は白黒認識が多い中で、これだけの色識別ができるというのは突出した特徴です。

紫外線の識別

カラスが認識できて人間には見えない四色目は「紫外線領域」と言われています。

この「紫外線領域」によって、紫外線の反射量の違いを識別することができます。

物質によって紫外線の反射量は違います。

具体的にどんな見え方をしているのか、人間は想像もできませんが、

近付いて触らなくてもどのような物質なのかが分かる、ということなのでしょう。

「紫外線領域」のおかげで見える色の情報も多いです。

例えば、人間が見る虹は七色ですが、カラスにはそれが十四色以上の色に見えていると言われています。

人間の倍以上の色を識別できるのですね!

夜も目が見える

「鳥目」といえば夜に目が見えないことを指すように、鳥類は基本的に夜は目が見えません。

しかしカラスは夜でも目が効くのです!

夜間の視力はフクロウ並みだと言われています。

確かに紫外線量が見えるなら、暗い場所でも困らないですよね。

ですが実際はカラスが夜に活動することはあまりありません。

人間と同じでカラスも夜は家に帰って寝ます。

巣の近くの止まり木で休んでいるようです。

「休んでいるし鳥だから夜は無害」とは思わないでください。

暗いなかでもカラスにはしっかり見えています。

カラスがごみ袋の餌をあさる理由

カラスはなぜか生ごみが入ったゴミ袋ばかりあさります。

なぜピンポイントで生ごみが入っていると分かるのでしょう?

その理由もカラスの視覚にありました。

袋の中身を認識できる

カラスが紫外線の反射量を認識しているということは先述した通りです。

紫外線は袋を通過して物質に反射します。

つまりカラスはゴミ袋の中に何が入っているのが、開けなくても分かるのです。

生ゴミなのか、そうじゃないのか、紫外線の反射量から識別しているんですね。

だから生ごみが入ったゴミ袋ばかりが狙われるのです。

仲間を呼ぶ

カラスが単体でいるところって、あまりみかけないですよね。

一羽いれば必ず近くに数羽がいます。

なぜならカラスには仲間を呼ぶ習性があるからです。

一羽が餌を見付けたら仲間にも情報を共有するのです。

だから一度カラスに見つかったゴミ袋はひどい有様にされてしまうのですね・・・。

ゴミを食べても大丈夫

カラスがゴミを食べても健康を害さないのは、体内にいる微生物のお陰です。

ある程度の腐敗であれば微生物が分解してくれるから大丈夫なのです。

ただ、さすがのカラスも完全に腐敗しているゴミは食べられません。

そのあたりもちゃんと識別してカラスは食べています。

カラスは嗅覚が非常に鈍いため、腐っているのか、食べられるのかの判断も視力に頼っていると考えられます。

カラスにごみ袋をあさられなくするには黄色のゴミ袋を使えばよい

カラス対策には黄色のゴミ袋がいい、と聞いたことがありませんか?

でも実は、ただの黄色いゴミ袋では効果はないのです。

「カラス博士」開発のゴミ袋

宇都宮大学農学部の杉田教授は「カラス博士」と呼ばれるほどカラスの生態に詳しい方です。

その杉田教授により発明された黄色いゴミ袋が、カラスに荒らされないゴミ袋として有名です。

実際に検証が行われ、黄色いゴミ袋はカラスに荒らされなかったばかりか、黄色いゴミ袋を使うその地域からカラスが減ったのです。

餌場を探して他の地域に移動したと考えられています。

ただの黄色いゴミ袋だと効果はありません。

この特殊な黄色いゴミ袋の作り方は企業秘密らしく、現在公開されていません。

秘訣は紫外線対策

その黄色いゴミ袋の秘訣は紫外線を通さない特殊な仕様です。

紫外線の反射がないため、カラスは中に何が入っているのか、外から判別できません。

黄色い半透明のその袋は人間からしたら中身が丸見えですが、カラスには中身が見えないようになっています。

カラスの視覚を遮る効果

紫外線対策だけでなく、カラスの色識別をわかりにくくする効果も施されています。

先述しましたがカラスは色を四色で認識しています。

しかしこの黄色いゴミ袋には、四色のうちの一色を遮る効果が施されていのです。

具体的にどういう工夫がされているのかは、残念ながらわかりません・・・

色識別のうちの一色を封じられたカラスはその袋だけ変な色に見えてしまうのでしょう。

人間も赤・青・緑のうちの一つが欠けると正しい色が認識できません。

色覚異常者の方たちがそうですね。

色覚を異常にされてしまうゴミ袋、確かに気持ちがいいものではないからできれば避けたいですよね。

この黄色いゴミ袋を避けるカラスの気持ちがわかります。

カラスが好きな色・嫌いな色はある?

人間より認識できる色が多いカラス。

そんなカラスに好きな色・嫌いな色はあるのでしょうか。

好きな色

科学的に好きな色は検証されていませんが、一般的にカラスは光るものが好きだと言われています。

アクセサリーのような光る小物をカラスが加えているのをみたことがないですか?

私の友人はラメストーンがたくさんついた髪飾りをカラスに取られたことがあります。

人よりいいカラスの視覚は、遠くからでも光るものを捉えることができます。

これはカラスに限らず、鳥類に共通することです。

高い空から地上の獲物を狙う鳥類ですから、こういう特性があるのも納得ですね。

ですが、すぐに見つけられるからと言って光るものが好きである理由にはなりません。

カラスが光物を集めるのは単純に興味からだと考えられています。

嫌いな色

これという特定の嫌いな色はカラスに存在しません。

色とは少し違いますが、カラスを含む鳥類は眩しいのが苦手です。

さきほどの「光るものが好き」と矛盾するようで繋がっています。

遠くからでも小さく光るものを見付けられるカラスは、逆に至近距離でライトなどに照らされると眩しくてたまりません。

紫外線反射量が見えるというメリットの反面、カラスの目は光を多く取り入れてしまう仕様なんですね。

害鳥対策としてシルバーのバルーンやCDの裏面が使用されるのは、太陽光を反射して眩しいから嫌がる、という理由があります。

カラス対策として鏡の反射を使うと効果的だった、という検証報告もあります。

黄色が嫌い?

「カラスは黄色が嫌い」「カラスは黄色はうまく認識できない」という説がありますがこれは間違いです。

先述の杉田教授が開発した「黄色いゴミ袋」が話題になり、「カラスは黄色が嫌い」という勘違いが生まれたようです。

カラスが黄色だけ避けるということはありませんし、黄色もちゃんと識別しています。

指定のゴミ袋があるのもカラス対策の一環?

東京都杉並区推奨のゴミ袋は杉田教授が開発した黄色いゴミ袋です。

この対策はもちろんカラスを意識してのことでしょう。

東京都杉並区の検証結果を受けて、大分県にある都市など、一部の自治会が「特殊な黄色いゴミ袋」を指定ゴミ袋にしています。

しかし多くの地域ではカラス対策を意識した指定ゴミ袋が使用されているわけではないようです。

ゴミ袋が指定される理由の多くはカラスではなく、ゴミ袋を有料化することで排出されるゴミ量の減少を狙うためです。

確かに指定ゴミ袋を使っても、荒らされるときは荒らされていますよね・・・

指定ゴミ袋より、ゴミ出しの時間やネット利用の推奨を遵守した方がカラス対策には有効です。

ゴミ出しの時間が制限されているのは、ゴミが外に晒されている時間を短くするためです。

晒されている時間が長くなるとそれだけカラスに荒らされる可能性が高くなります。

カラスは夜目が効きますから、夜でも生ごみを漁りに来ることがあります。

網目の小さなネットは物理的にカラスのくちばしを遮りますから、カラス対策におすすめです。

「黄色いネットがいい」という説もありますが、もちろんこれも間違いです。

ネットは何色でも構いません。網目の大きさが重要です。

カラスの目の色は?

カラスの目の色をご存知ですか?

黒のイメージじゃないでしょうか。

成人したカラスの目はイメージ通り、黒色です。

ビー玉みたいなつぶらな目が印象的ですよね。時に怖かったりします。

成長するまでのカラスは、実は青い目をしています。

成人カラスのような一色ではなく、白目の中に青い眼球がある感じです。

人間の目に近いですね。

成人カラスを見慣れていると少し変な感じもします。

あまり機会がないかもしれませんが、子カラスをみることがあれば確認してみてください。

カラスの嗅覚はにぶい?

カラスの嗅覚はにぶいです。嗅覚をつかさどる神経が発達していないと言われています。

ですから、カラスを寄せ付けないために生ごみの臭いを封じる、というのは意味がないことなのです・・・

そもそもカラスは生ごみの臭いを感知していません。

カラス対策に臭い関係の対策は無用ということですね。

あくまで視覚的・物理的な対策を講じましょう。

まとめ

以上、カラスの目に関するトピックを解説してきました。

カラスはやはり人間よりずっと目がいいようですね。

その理由は光の四色認識と、紫外線反射量の認識です。

カラスが生ごみが入ったゴミ袋だけ荒らすのは、紫外線の反射量を見ているからなんですね。

だからカラスのゴミ荒らし対策には視覚的効果が有効です。

「黄色いゴミ袋」が有名ですが、ただの黄色いゴミ袋では効果がありません。

カラスは嗅覚が悪いので、臭い対策は意味がりません。

みなさんの疑問は解決したでしょうか?

カラス対策の参考にもなっていれば幸いです。

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