カラスというと、どうしても汚いという印象や怖いという印象が持たれてしまいます。
しかしカラスには可愛い一面もたくさんあります。
犬や猫と同じようにペットとして飼うことも可能なのです。
今回はカラスを実際に飼うにあたってお話ししていきます。
目次
野生のカラスは人になつく?
ペットというと多くの人が思い浮かべるのは犬や猫が多いと思います。
しかし身近な動物というとカラスの名前が上がることもあるのではないでしょうか。
カラスはとても警戒心が強い動物です。
そのうえとても頭がいいので、不用意に人間に近づくことはあまりありません。
そのため野生の猫に比べて触れたり手から餌を食べたりすることはほとんど稀なようです。
餌を求めることはあっても決して自分からパーソナルスペースに近づいてくることはなく、慣れてもある程度一定の距離を保ちます。
では、そんなカラスがなつくことはあるのでしょうか?
どんなに獰猛な動物でも育った環境や飼育方法によってはなつくものです。
トラやクマでさえなつくことがあります。
むしろ一般的に賢い動物の方がなつくことが多いといわれています。
実際にカラスをなつかせた例もあるようで、ヒナから人間とともに生活すると全然飼い主から離れなくなるうえに、人間の言葉を発したり、理解したりするようにもなるようです。
カラスをなつかせる方法は?
ヒナから育てる
カラスをなつかせるのに最も効果的なのはヒナのときから飼育することです。
これはカラスに限ったことではありませんが、どの動物も子供の頃から育てられることでとても人になつきます。
獰猛なトラやクマでさえ子供の頃からお世話をしてくれた飼い主を襲ったりはしません。
カラスにとっても例外なく、そのようです。
話しかける
カラスにとって「音」はとても重要なコミニュケーションツールです。
カラスの鳴き声には40種類のバリエーションがあり、鳴く回数によって意味が明確に分かれています。
そんなカラスにとって音によりコミニュケーションを図ることは親密になるためにはとても重要なことです。
おやつをあげる
カラスはとても賢い動物ですので、いつも決まった時間に餌をもらっていると、そうじゃない特別なことに敏感に反応します。
人間も同じように、そういった特別感を感じることで親しくなることができるのではないでしょうか。
触れ合う時間を取る
鳥類のペットとして代表的な例をあげると、文鳥や十姉妹が挙げられると思いますが、それらを撫でたり、触れ合ったりするというのはあまり聞きなれないと思います。
しかし、インコやオウムにおいてはそういった光景をイメージすることができるのではないでしょうか。
カラスも同じで、撫でてあげたり触れ合ったりする時間がとても大切です。
なぜなら、カラスはとても警戒心が強い反面、群れとしての仲間意識も強いのです。
なかなか近づくことが難しいからこそ、それができるようになったら、思いっきり愛情表現をしてあげると喜びます。
カラスがなついたか確認する方法は?
動物は話せるわけではないのでなついているかがいまいち判断しづらいものです。
犬や猫であれば街中の書店に行けば「犬の感情表現」について書いてある本を探すことはできますが、カラスとなるとなかなか難しいものがあります。
しかしカラスにもある一定の感情表現があります。
カラスのこれらの行動に注目してみましょう。
言葉を話す
カラスはインコやオウムのように非常に優れた発声器官を持っており、そのうえ鳥類の中でも非常に賢い動物なので、人間の言葉を真似することがあります。
また犬と同じくらいは人間の言葉が理解できるようなので、それを真似するような行動はなついているといえるのではないでしょうか。
手から与えた餌を食べる
カラスはとても警戒心が強いうえに賢い動物なので、人間の「手」に関しても理解しています。
餌を与えてくれるのも「手」ですが、カラスに危害を加えるのも同じように「手」だということを理解しています。
なので、なかなかその攻撃対象になるものには近づいてきません。
つまりは、その「手」に近づいてくるということはそのカラスにとって攻撃対象から外れたということになり、親しくなった証拠といえます。
近づくことができる
警戒心が強いカラスにとって人間の「足」もまた攻撃対象になり得ます。
特に野生のカラスにとっては足で追い払われた経験があると、近づくことに対してとても警戒心が強くなります。
しかし、好奇心が強い一面も持っているので、その好奇心がまさって近づいてくることがあれば、それは人間に対して興味が強いのだといえるでしょう。
飼い主についてくる
野生では群れで行動するカラスは、基本的に一人で行動することを好まない生き物です。
なついてくるとだんだんと生活も群れるようになってきます。
行動を共にするようになってきたらだんだんとなついてきている証です。
肩や頭に乗ってくる
これはかなりなついているといえます。
カラスは群れをなす習性があるため、一度なつくとその忠誠心たるや犬と同じほどだといわれています。
肩や頭に乗るようになると、なかなか離れなくなるので、自分でもなついているのがわかります。
カラスをしつけすることは可能?
引用元:https://pixabay
まず、カラスのしつけとはどの程度を言うのでしょうか。
一口に「しつけ」といっても様々な形があります。
その中にはもちろんできるようになるものもあれば、できないものもあります。
食事
食事のしつけというと犬に対しての「待て」を想像すると思いますが、それはカラスには難しいようです。
しかし、食事の時間を把握することはできるようで、時間が近づくと鳴いたりソワソワしたりする様子が見られるようです。
これも「しつけ」のひとつといえるのではないでしょうか。
会話
もちろん動物なので会話を交わすことはできません。
しかし、名前を呼んで反応する程度であればカラスにも理解することができ、飼い主が発する喜怒哀楽などを感じることもできるようです。
個体差や飼育環境にもよりますが、きちんとコミニュケーションを図って飼育することで、自分の名前を理解したり、一定の言葉のニュアンスを理解することは可能です。
鳴き声
犬や猫も吠えたり泣いたりするものですが、きちんとしつけることで無駄に吠えなくさせることはできます。
しかし、これはカラスに適用することはできません。
カラスが鳴くことには意味があって、その回数や鳴き方によって意味があります。
一つの意思表現の形としての意義が強く、それを制御することはなかなか難しいようです。
トイレ
これが一番問題視されてしまいますが、カラスはトイレのしつけができません。
つまりケージで飼うなら問題ではありませんが、部屋で放飼いするとなると部屋中にフンを撒き散らすことになります。
そうすると部屋が汚くなるだけではなく、匂いや衛生問題も生じてきます。
せっかくなついてきて肩や頭に乗るようになっても、制御機能がないために例外なく排泄をします。
こういった部分で見ると他の鳥類と同じようにケージで飼うことが賢明かもしれませんね。
カラスは法律的にペットとして飼うことはできるの?
野生のカラス
日本には鳥獣保護法があります。
この法律により基本的に野生の鳥類を飼育することはできません。
野生の動物を保護する目的があって、勝手に捕獲したり狩猟したいできないようになっています。
しかし、これは常に禁止なわけではなく、時期や場所によっては捕獲することが可能です。
捕獲可能な時期や場所は自治体によって違いますので、実際に飼育を考えた際は必ず各都道府県の鳥獣保護法を確認してください。
ペットショップで売っている
これは稀なことのようですが、ペットショップにも売っていることがあるようです。
ペットショップに売っているカラスについては特に許可が必要なわけではありませんのでご安心ください。
あくまでも許可が必要なのは捕獲や狩猟の際です。
一時保護
保護であれば一時的に飼育することはできます。
役所に申請をして許可をもらうことで一時的な保護が可能です。
しかしこれはあくまでも保護なので、長期的に飼育するにはこの方法ではできません。
カラスがなついている事例をご紹介
カラスのヒナを助けて・・・
A woman who raised an orphaned baby crow says it won’t leave her side
カラスのヒナを助けたイギリス人女性のケンワードさんとファギン(カラス)の生活が紹介されています。
これをご覧になればカラスとの共同生活の実態が見えてきます。
まるで犬や猫などのペットと同じようにカラスの愛らしい部分を覗かせてくれます。
カラスの飼育5ヶ月
https://www.youtube.com/watch?v=7hV-vBwYgz8
カラスの飼育を初めて5ヶ月経ったときの様子です。
やはり鳥類としての行動が目立ちますが、決して飼育できないということがわかります。
飼育放棄されたカラスの復活劇
飼育放棄されたカラスとエリオットさんの飼育日記です。
だんだんとエリオットさんになついてくる様子が伺えます。
こんなに綺麗で愛くるしくなるなら飼う気になってきます。
まとめ
ペットと人生を共に歩む人は少なくありません。
ペットの成長に対する喜びや、死に対する悲しみを人間と同じように感じる人は多くいるはずです。
そのペットとしてカラスと選択する人を見る機会はあまり多くないはずです。
でもあまり飼っている人がいないということは、そこにある愛情や感情もあまり知られていないということです。
もしかしたらそこにはかけがえのないものが隠れているかもしれません。