夏の「お盆休み」は、一年の中で数少ない長期休暇の一つ、という方も多いと思います。
「山の日」や「有給休暇」と組み合せて一週間以上の休みをとれる、なんて羨ましい方もいるのではないでしょうか。
そんなとってもありがたい「お盆休み」なのですが、カレンダーを見てみると、あれ?
祝日とは書かれていないんですよね。
それに、お盆は地域によって時期が異なっている、と聞いたことはありませんか。
ありがたいお休みになるお盆ですが、詳しい内容となると、なかなか説明できません。
そこで、今回は
- 「お盆」は祝日なのか平日なのか
- 「お盆」の正式な期間や、なぜお休みとなっているのか
そんな、お盆にまつわるあれこれをご紹介したいと思います。
目次
お盆は祝日・平日どっち?
多くの会社でお休みとなる「お盆」の期間。
お休みはありがたいのですが、「祝日」となると、役所や銀行が閉まっていたり、利用料金が変わってきたり…と、予定が狂ってしまう事もあります。
それでは、お盆は祝日なのでしょうか。それとも平日なのでしょうか。
お盆は祝日ではなく平日
結論から述べますと、「お盆」は平日です。
カレンダーでも祝日の表記はされていませんよね。
なにより、日本の祝日を定めている「国民の祝日に関する法律」通称「祝日法」にも、お盆の期間の日にちは記載されていません。
よって、「お盆は祝日ではない」のです。
お盆は、平日でありながら日本人が慣例的にお休みを取っている期間、と言えそうですね。
お盆休みは正式名称ではない
そもそも、「お盆」という言葉自体が正式名称ではありません。
お盆は、正しくは「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言います。
これを省略して「お盆」と言っているんですね。
漢字の雰囲気からも伝わる通り、元々は仏教にまつわる行事です。
古代インド語の「ウランバナ」に漢字をあてたものだそうで、
なんだか言いづらくて覚えにくく感じてしまうのは、私だけでしょうか。
「盂蘭盆会」が「お盆」と略されていったのも、わかる気がします。
「お盆」なら、日本語としても自然で、なにより言いやすいですよね。
「盂蘭盆会」の行事は、日本古来の信仰とも混ざり、日本特有の文化となっていきました。
今のように広くお盆の行事が広まったのは江戸時代ごろと言われ、一般的に「お盆は祖先の霊が帰ってくる」と考えられています。
お盆が祝日にならない理由
お盆が祝日ではない、ということは分かりましたが、実際に多くの会社がお盆の期間は休みとなっています。
「それならば、いっそ、お盆に期間は正式な祝日にすればいいじゃん!」
と思ってしまいますが、どうも簡単にはいかないようなんですね。
その理由としては、まず「お盆の期間が、地域によって異なること」があると考えられます。
お盆の文化は全国にあるんですが、詳細な部分は地域によって特色があるんですね。
期間の違いも、その一つです。
なにせ7月にお盆の行事を行う地域もあるのですから。
全ての地域のお盆期間を祝日としたら、7月から8月に大量の祝日ができてしまいます。
かといって、代表的なお盆の期間だけ祝日にしたら、他の地域から、
「うちは、その期間はお盆じゃないぞー!」
という声が出てしまうのも予想できます。
「祝日」というものは、日本の国民全員に共通して設定されるので、正式な期間が決まっていない「お盆」は、祝日にしづらいのでしょう。
また、他の理由として「お盆が仏教の行事に由来している」というものも考えられるそうです。
日本国憲法には「政教分離」の原則が定められています。
政治は特定の宗教と密接な関係にならないよう、決められているんですね。
「祝日を定めること」は、立派な政治です。
となると「仏教の行事であるお盆を祝日にする」事は、政治が仏教だけを特別視した、と思われてしまうかもしれません。
だから、ますますお盆を祝日にはできないんですね。
こうして考えると、お盆を祝日にするには、なかなかハードルが高そうです。
でも個人的には、どっちにしろお盆は多くの会社でお休みとなっているのだから、あえて正式な祝日としなくてもいいのかな、と思っちゃいますね。
お盆の正式な期間は?
お盆の正式な期間というものは、なかなか定めづらいものです。
というのも、上でも触れましたが、地域によってお盆の期間が異なるからです。
なぜそうなったのか、というと歴史が関係してくるようですね。
古くからある文化だからこそ、歴史の節目を超えるときに、お盆の解釈が地域により変わってしまったようです。
大まかに分類すれば、以下の三つの期間が「お盆」となります。
①旧暦の7月15日を中心とする期間
本来のお盆の期間がこちらとなります。
「旧盆」とも言われ、沖縄、奄美地方などで行われているそうです。
しかし現代社会は「新暦」を使っているので、「旧暦」を基準とするこの期間は分かりづらい、と多くの人が感じそうです。
「旧暦」が「新暦」でいつになるのかは、年によって変わってきますからね。
②新暦の7月15日を中心とする期間
こちらは①よりも、だいぶ分かりやすいですね。
「旧暦」を「新暦」に置き換えた、ということです。
これなら、毎年7月15日が「お盆」だとなるわけです。
ただし、問題は「新暦」と「旧暦」は、約一ヵ月のずれがあるということ。
同じ7月15日ではありますが、「旧暦の7月15日」と比べると「新暦の7月15日」は、一ヵ月も早く来ちゃうんです。
日にちを合わせると、本来の時期より早くやることになってしまう。
これはこれで、気になってしまうかもしれませんね。
東京ではこの期間が主流なので「東京盆」とも呼ばれています。
③新暦の8月15日を中心とする期間
最後はこちらのパターン。
わかりやすい「新暦」を使うのは②と同じですがですが、そのまま7月15日とすると、本来の期間より一ヵ月早くなってしまう。
そこで、さらに一ヵ月後にした8月15日を「お盆」としたわけです。
いいとこ取りをして新しく設定した日にち、といった感じですね。
本来の7月15日から一ヶ月遅いことから、「月遅れの盆」と呼ばれます。
この③の期間が、現代の日本では主流となっており、8月13日~16日の4日間を「お盆の期間」とみなすことが多いようです。
お盆を休日にしている会社が多いのはなぜ?
祝日ではないお盆ですが、多くの会社ではお休みになっていますね。
お盆に休みを取る風習は、江戸時代に広まった「薮入り(やぶいり)」という風習が起源だと言われているそうです。
「藪入り」とは、1月16日と7月16日の年に2回、奉公人という人達が休日をもらって実家に帰る事ができた風習です。
江戸時代の頃から、お正月と夏の時期だけ、お休みをもらえる文化があったんですね。
この「藪入り」の文化が、お盆にお休みを取らせる文化へとつながっていったようです。
また、お盆の休みは仏教にも由来しているとされています。
お盆の日は「閻魔の賽日(さいにち)」と言われ、地獄の番人も休むそうです。
そんな日だから、主人は奉公人にお休みを与えたとのこと。
お盆にお休みをとる風習は、こういった様々な文化が合わさってできた、日本独特の物のようです。
お盆を休日にしている会社が多いのは、日本の風習に根付いた企業が多いからだ、ということになるのではないでしょうか。
でも、最近ではお盆とはいえ、みんなが必ずお休みという訳でもないですよね。
客商売などは、大勢がお休みのお盆はかきいれ時でしょうし、観光地やリゾート施設も、お盆に休んでなんていられないですよね。
大型ショッピングモールは、どこでも目にするようになりましたが、ああいった施設もお盆はずっと稼働していますもんね。頭がさがります。
そして、役所や銀行・はカレンダー通りに営業しますので、祝日ではないお盆はお休みになりません。
働いている人達は大変だと思いますが、各種の手続きがお休みでもできるのは、私達にとっては助かりますね。
お盆の時期の病院に関する記事はこちら
まとめ
今回は、お盆は平日なのか祝日なのか、お盆の期間やお休みについて紹介させていただきました。
お盆休みは祝日ではなく、昔からの日本の風習だったんですね。
そう考えると、今年のお盆休みは、いつもよりありがたみを感じそうです。
このお盆休みの文化は、ずっとなくならずに残っていってほしいですね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。