お盆に法事やお通夜・お葬式は大丈夫?命日とお盆が重なった場合は?

皆さんは、お盆に迎え火をしたり、お供え物を用意したりしていますか。

迎え火まではしていなくても、お盆にお墓まいりに行く方は多いのではないでしょうか。

お墓まいりのように、お盆は故人にまつわる供養をする時期です。

しかし、そのお盆の時期に親族が亡くなるケースも、ないわけではありません。

というわけで今回は

  • お通夜やお葬式といったものは、お盆の時期に行ってもよいのか
  • お盆にはお盆の供養があるので、そちらを優先するべきなのか
  • 命日がお盆の期間になってしまった場合、年回忌供養も毎年お盆と重なってしまうがどうすればいいのか

そうしたお盆の時期の法事やお葬式の疑問について、解説いたします。

目次

初盆・お盆にする法要は?

お盆の法事やお葬式について調べると、「初盆・新盆」という言葉が、よく出てきます。

お盆の中でも、「初盆」は普通のお盆とは違うものとるようですね。

「初盆・新盆」は、通常のお盆とは、どう違うのでしょうか。

そして、何をしなければならないのでしょうか。

まずは、「初盆・新盆」についてまとめてみます。

お盆

まずは、「お盆」とは何かを簡単にまとめてみましょう。

お盆は、正式には「盂蘭盆(うらぼんえ)」と言って、仏教に由来する行事となります。

一般的には8月13日から8月16日の期間がお盆にあたり、この時期には「亡くなった方の霊が、あの世から帰ってくる」とされています。

帰ってきた故人の霊をもてなすために、お墓まいりをしたり、お供え物をしたりと供養をするわけですね。

これが通常の「お盆」となります。

初盆

「初盆」は、「はつぼん」と読みます。

他の言い方として「新盆」とも言います。こちらの読み方は「にいぼん」「あらぼん」「しんぼん」と読みます。

通常のお盆に対して「初盆・新盆」は、「故人がなくなってから、最初のお盆」という意味になります。

正確には、「四十九日(忌明け)以降に、初めて迎えるお盆」ということになります。

「お盆」は毎年やってきますが、「初盆」は一人の故人に対して最初の一回きり、ということになりますね。

こちらは、故人が亡くなってから、霊となって初めて帰ってくるお盆ということになりますので、通常のお盆よりも丁寧に供養するというのが習わしとなっています。

お盆に法事が重なった場合は時期をずらした方がいい?

お盆に、お通夜やお葬式、初七日、四十九日、年回忌法要が重なってしまった場合、時期をずらして行ったほうがよいのでしょうか。

個別のケースについては、下にまとめさせていただきますが、基本的な考えとしては時期をずらす必要はありません。

お盆の供養とは別に、命日の法要も同時期に行ってよい、という事ですね。

その理由としては「お盆の供養」と、年回忌法要などの「命日の法要」は、意味するものが異なっているからとの事です。

「お盆の供養」は、代々の祖先の霊の方々の魂を供養するもの。

一方、「命日の法要」は、その対象となる故人一人の供養をするもの。

それぞれ異なる供養なので、時期が同じだとしても、それぞれ別に行えばよいという訳ですね。

しかし、これはあくまで「基本的な考え」においての話。

現実はというと、別の問題があります。

それは、「お盆の時期はお寺が忙しい!」という問題です。

お盆には、各家庭が供養を行いますから、それに呼ばれるお寺は大忙しとなるのです。

そういった時期に「お盆の供養と、それから命日の供養もお願いします」と依頼しても、「忙しいから、ちょっとそれは…」となる可能性があるようです。

よって、「お盆の供養と命日の法要が重なった場合、考えとしてはずらす必要はないが、現実的なお寺の忙しさという点で、ずらす必要が出るかもしれない」というのが、実情です。

確かに、お盆はお寺の繁忙期ですよね。

世間は休みとなる事が多いお盆ですが、お坊さんやお寺の職員の方は休めないんですね。

そんな時期に、一つの家庭にたくさんの時間をとれない、と言われても仕方がない気がします。

お盆の法要と命日の法要は同時に行っても大丈夫?

お盆の法要と命日の法要はずらす必要はないが、お盆中に個々に行ってもらえるかはお寺の忙しさによる、という事が分かりました。

それであれば、いっそ「お盆の法要と命日の法要を、同時に行ってもらえないか」と思ってしまいますよね。

そもそも、お盆の法要は親戚が集まって行うケースも多いです。

お盆の法要で一度集まり、またすぐ命日の法要でも集まってもらう、というのは、とても気が引けます。

参加者の方にも、お布施などの金銭面や、スケジュールの都合などで、大きな負担をかけてしまう気もします。

それならばいっそ、一つの法要に「お盆としての法要」と「命日の法要」、二つの意味を持たせて行ってもらうわけにはいかないのでしょうか。

調べてみると、これは「推奨されることではないが、場合によってはやむを得ず行えることもある」ようです。

上で説明した通り、基本的に「お盆の法要」と「命日の法要」は、対象者も意味も異なります。

だからこそ、別々に行うのが良いわけで、これを一つにまとめるという発想に無理がありますよね。

とはいっても、お盆の短い期間にそれぞれを行うのは、現実的に難しいというのも上で述べた通り。

よって、最近では細かい部分を気にせず、一緒に行ってもよいとする向きもあります。

ただし、これは各宗派や個々のお寺の判断によるところが大きいので、必ず自分のお寺との相談が必要となります。

自分の都合だけでお寺に無理を言わないよう、しっかりと相談をしたいところですね。

お盆にお通夜・お葬式が重なった場合

ここからは、個々の法要の種類ごとに考えてみましょう。

まずは、「お盆にお通夜・お葬式が重なった場合」です。

お盆にこれらが重なった場合、原則としては通常通り行うことができます。

お盆だからと言って、お通夜・お葬式をしない、という決まりはないんですね。

しかし、これも原則であって、現実的には一つ問題があります。

その問題とは「火葬場とお寺の忙しさ」です。

お葬式の際は火葬を行うケースがほとんどですので、火葬場がお休みですとお葬式自体が行えません。

お盆の期間、火葬場はあまりお休みにはなりませんが、友引の日はお休みになります。

お葬式をする際は、火葬場のスケジュールも含めて考えないとけません。

また、お盆の時期はお寺が忙しい時期です。

場合によっては、個別の葬儀の時間が取れないケースもあります。

こういった事情で葬儀をお盆後まで延期する場合は、ご遺体を保冷して保存しておくそうですね。

結論としては、「お盆にお通夜・お葬式を行う事は可能だが、実際にできるかは、火葬場やお寺の判断による」といったものになりますね。

お盆に初七日・四十九日が重なった場合

お盆に初七日・四十九日が重なった場合はどうでしょうか。

葬儀も終わったいるので、お盆の法要を行うのか、それとも初七日・四十九日の法要を行うのか、どちらでしょうか。

答えは、「初盆(新盆)」の意味にあります。

「初盆(新盆)」とは、「四十九日(忌明け)以降に、初めて迎えるお盆」のこと。

つまり、四十九日を終えていなければ、まだお盆はやって来ない、ということになります。

よって、お盆に初七日・四十九日が重なったとしたら、初七日や四十九日の法要を行います。

お盆の供養はその次の年から、特に翌年に関しては「初盆」になる、ということですね。

お盆に年回忌法要が重なった場合

お盆に年回忌法要が重なった場合、あわせて行ってしまう、というケースもあります。

また、他の方法として、年回忌法要をお盆の少し前に、前倒しで行っておく、という方法もありますね。

「日程をずらすのなら、後ろ倒しでもいいのでは?」と考えてしまった私ですが、あまり良くないようです。

昔から「仏様のことを先に延ばさない」という言葉もあるようで、前倒しする分にはよいが、後ろ倒しは好ましくない、とのことです。

まとめ

というわけで、今回は「お盆の時期とお通夜などが重なった場合」について、調べてみました。

原則としては問題ないが現実的には難しそう、というケースが多いように見えますね。

また現実問題としては「お寺の忙しさによる」という部分が大きいですね^^;

早めにお寺の方と相談するのが一番良いですね。

お盆に関する気になる記事はこちら

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

関連記事