今年も夏本番が近づいてきました。
夏と言えばお盆休み。
「お盆」と言えば、里帰りにお墓参り。
そして、ちょっぴり怖い「幽霊」のイメージを持つ人も少なくないのではないでしょうか。
「お盆」と「幽霊」。
実はこの二つ、とっても深い関係があるんです。
日本には古来から、
「お盆には、亡くなったご先祖様の霊が、
あの世から帰ってくる」
という言い伝えがあります。
だから、お盆と聞くと幽霊のイメージを持つ日本人はたくさんいるんですね。
そんな事を知ってしまうと、なんだかますます怖い雰囲気が漂ってきてしまうお盆…。
でも、怖がり過ぎることもないのです。
- ご先祖様の霊が返ってくるといわれるお盆に行うべき供養の仕方
- お盆に行ってはいけないこと
そんな、お盆にまつわるあれこれをご紹介したいと思います。
今年のお盆は、いつもの日常より、少しだけ「霊」を意識して過ごしてみませんか。
目次
お盆に先祖の霊が帰ってくるのは本当?
元々は仏教の行事の一つであったお盆は、江戸時代以降、庶民の間にも浸透し、一般的な文化となりました。
地域により風習や細かな作法は異なりますが、
「死んでしまった御先祖様の霊が、あの世から帰ってくる」
と考えられてきました。
死んだ人の霊がやってくる!なんて言うと、やっぱり怖く感じてしまいますが、
「亡くなってしまった大切な家族が少しの間だけ帰ってくる」
と考えると、少し暖かな気持ちになる気もします。
「お盆という短い期間だけ、永遠の別れを告げた愛する家族ともう一度、大切な時間を過ごすことができる」
って素晴らしいことですよね。
もしも本当にあなたの家にご先祖様の霊が帰ってきているとしたら、昔から信じられてきた日本の夏の魔法と言っていいのかもしれません。
お盆の水辺には幽霊が集まるって本当?
お盆は、亡くなった大切な家族ともう一度過ごせる素晴らしい時間。
それはそうだとしても、やっぱりそれだけでは終わらない、というのもあるようです。
なにせ、「亡くなった人があの世から、この世にやってくる」のですから。
それはつまり、お盆には「あの世」と「この世」がつながる、という事。
迷わず自分が生きていた時の家へ、愛する家族の元へ帰りつくことができた霊は、幸せでしょう。
でも、中にはいるんじゃないでしょうか。
自分が帰るべき家を、見失ってしまった霊が……。
やがて、帰りたいという気持ちすら忘れてしまった霊達は、「あの世」と「この世」がつながるお盆の間、この世の中をさまよい出すのです。
そんな霊がたくさん集まる場所。
それが「水辺」だと言われています。
昔から「お盆の時期は、水辺に近づいてはならない」と言い伝えられてきました。
海水浴や川遊びなど、「水辺」に足を踏み入れたとき、あの世からやってきて、さまよい歩いている霊達に足を引かれ、そのままあの世へと連れさられてしまうのです。
夏は、特に水辺に近づくことが多い季節。
お盆の時期は、水辺には普段とは違う何かがいるのかもしれませんので、気をつけてくださいね。
お盆に霊を見た体験談1
あの世から霊が帰ってくるお盆。
そんなお盆に実際に起きたお話を紹介します。
私の実家では、お盆は毎年、父方の祖父の実家に親戚一同が集まっていました。
父が3人兄弟、祖父母とも健在だったこともあって、親戚一同が集まると大人数になります。
私が赤ん坊の頃には、ひいおじいちゃんも存命で、よくあやしてもらっていたと、聞いたことがありました。
私も、年の近い従弟達5人に会えることもあって、毎年、お盆の帰省を楽しみにしていました。
ある年のお盆の事。
まだ小学生だった私は、仲の良かった従弟達と座敷で遊んでいました。
夢中で遊んでいたため、「夕ご飯ができたぞ」と、大人が呼びに来た時、ようやく気が付いたのです。
いつもの間にか、従弟の一人がいなくなっていることに…。
その男の子は親戚の中で一番小さく、その年、小学一年生になったばかりでした。
途中までは確かに部屋にいたので、トイレかどこかだろう、と思ったのですが、家の中のどこにもいません。
大人たちは大騒ぎになりました。
慌てて庭や倉庫など隅々まで、総出で探しましたが見つかりません。
きっと家の外に出て行ってしまい、迷子になって帰れなくなったに違いありません。
皆がそう考えだしました。
外はもう真っ暗。
父方の実家は田舎の農村。小さな子供が夜に出歩けば、何が起きてもおかしくありません。
大人たちが血相を変えて門から外へ駆け出した時。
いなくなっていた従弟の子が、道の先から一人で走ってくるのが見えたのです。
彼は明かりも持っておらず、そして泣いてもいませんでした。
親戚たちは、従弟の子を家に入れ、
何があったのか、どうして外に行ったのか、
問いただしました。すると、彼は次の事を話し出したのです。
夕方、トイレに行こうと座敷から出た従弟は、夕暮れの空の中、ふわふわと飛んでいる光を縁側で見たそうです。
その光はしばらく庭を漂っていましたが、やがて塀を越えて見えなくなってしまいました。
従弟は光が気になり、靴をはいて門を出たのです。
道に出ると、ずっと先に光が飛んでいるのが見えました。
それを追って、従弟は歩き出します。
光はふわふわと飛び、やがて近所の川までやってきました。
川原に降りて行った光を、従弟は追いかけます。
しかし、河原に到着すると、光はどこにも見当たりません。
その代わり、河原には一人の老人がいました。
夕日が沈み、どんどん薄暗くなる川原で、老人は従弟に話しかけてきたそうです。
普段は物静かで、人見知りな従弟ですが、なぜかこの時、老人を怖いとは思わなかったそうです。
従弟は老人と学校の事や好きな食べ物の話をしたそうです。
話をしていると、いつの間にか日はすっかり暮れ、あたりは真っ暗になっていました。
従弟が「帰りたい」と言うと、老人はステッキを握り、もう一方の手で従弟と手をつなぎます。
そのまま手を引いて河原から上がり、家の近くまで連れてきてくれたそうです。
家が見えてきて、従弟は帰ってきた事にホッとし、老人の手を放し、走り出しました。
そして驚く親戚の大人たちに迎えられ、振り返ってみると、あの老人の姿は、どこにもいなかったのです…。
この話を聞いた時、私を含め、子供たちは
なんだか怖いような不思議なような話だな
としか思いませんでした。
でも、大人たちは、全員がとても驚いた顔をしていました。
後に私も大きくなった頃、この時の話が話題になり、なえ大人たちが、従弟の話を聞いて驚いてたのか、その理由を知る事になります。
それは、私が赤ん坊だった頃に亡くなってしまった、ひいおじいちゃんのこと。
彼は晩年、膝を悪くし、出歩くとき、愛用のステッキを必ず持ち歩いていたと…。
そして、ひいおじいちゃんが散歩の度に必ず立ち寄っていたお気に入りの場所。
それが、従弟が迷い込んだあの河原だったのだということ…。
従弟が会った老人とは、私たちが赤ん坊の頃、よくあやしてもらっていたというひいおじいちゃんだったのかもしれません。
私たちの成長を見ることなく、亡くなってしまった彼は、お盆に霊となって帰ってきて、ひ孫と話をしたくなったのかもしれません。
でも、私はふとこんなことも思うのです。
従弟が見た光もひいおじいちゃんだったのでしょうか。
ひいおじいちゃんなら、最初から姿を見せたのでは…?
もしかしたら、あれは、帰る場所を見失った霊だったのでは…。
それに気が付いた従弟の子を水辺に誘い込み、あの世まで引きずりこもうとしたのではないでしょうか。
それに気が付いたひいおじいちゃんが、従弟を守り、家まで連れて帰ってきてくれたのかもしれません。
今でもお盆がやってくると、私はこの時のことを思い出してしまうのです。
お盆の先祖の霊の供養の仕方
帰ってくるご先祖様の霊のため、私達は、どのような事をすればいいのでしょうか。
お盆に行われる供養をご紹介します。
お盆の時期は、地域により少し異なりますが、お盆が始まる「盆の入り」。
ここでは精霊棚を飾り、「迎え火」を行います。
「迎え火」とは、ご先祖様の霊が迷わずに、生前の家に帰ってこれるよう、目印となるものです。
他にも目印として「盆提灯」を飾ります。
また、お墓の掃除を行いし、お墓参りも行います。
盆明けには、法要や供養の儀式などをお子います。
初盆(新盆)の場合は、特に本格的な法要となることが多いです。
そして、盆の終わりには「送り火」を焚き、ご先祖様をしっかりと見送ります。
地域によっては他に、「精霊流し」や「灯篭流し」など、地域の風習に基づいた独自の行事もあります。
あなたの地元には、どんなお盆の風習があるか、調べてみるとおもしろいかもしれませんね。
お盆にしてはいけないこと
お盆の供養を紹介しましたが、今度は「お盆にやってはいけないこと」も、紹介しておきましょう。
普段の日常とは少し違う、お盆の期間。
霊が帰ってくるといわれる特別な期間だからこそ、気をつけないといけない事もあるんです。
殺生
お盆には「殺生をしてはいけない」と言われています。
つまり、生き物を殺してはいけないんですね。
帰ってくる霊を大切に扱うお盆の期間は、命を大切に扱うために、殺生を禁じているようです。
また、殺生の禁止に関連して、「肉や魚を食べてはいけない」ともされています。
動物を食べる事は、その動物を殺しているということになりますから、殺生を禁じられたお盆の期間は肉や魚を我慢した方がよさそうです。
そうなると、自然と精進料理のような食事がお盆にふさわしい食べ物ということになりますね。
お盆に供える団子の詳細はこちら
水辺に近づくこと
もう一つ、お盆にやってはいけないこと。
それは「水辺に近づくこと」です。
お盆に水辺には幽霊が集まると言われているのですから、そこに近づかないのは、当然の習わしと言っていいでしょう。
また、夏は水辺と縁のある季節です。
海水浴にプール、川遊び。
特に暑い時期となるお盆には、水辺にて凉を感じたくなるものです。
しかしこの時期、水難事故が増える時期でもあるのです。
不安定な海流や、クラゲの発生。
ゲリラ豪雨による急な増水や、水害。
水難事故に気を付けなければならない時期だからこそ、
「お盆には水辺に近寄ってはいけない」という決まりを、昔の人は風習として信じるようになったのかもしれませんね。
詳細はこちらの記事をどうぞ。
まとめ
ということで、お盆に霊が帰ってくるのは本当なのか、その体験談と供養の方法、やってはいけないことを紹介してみました。
今年のお盆は、少しだけ、日常とは違うあの世の世界と、「霊」の存在を意識してみてはいかがでしょうか。
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それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。