みなさんは、ぬいぐるみを持っていますか。
定番のアニメキャラから、ゆるキャラなど、世の中にはたくさんのぬいぐるみが存在します。
大きなものから手のひらサイズまでサイズも様々で、可愛らしい姿や手触りから、日々の疲れを癒してくれたりしますよね。
そんな愛される存在「ぬいぐるみ」ですが、時に愛されすぎてしまう事があります。
というのも、ぬいぐるみが好きな気持ちが強すぎて、ぬいぐるみに依存してしまっているケースがあるのです。
本記事では、ぬいぐるみ依存する人の心理や原因、治療方法などについて、ご紹介したいと思います。
目次
ぬいぐるみ依存とはどのような状態?
一般的に、ぬいぐるみを好きになることは、おかしい事ではありません。
特に女性や子どもは、ぬいぐるみが好きな事が多いですし、もちろん男性でもぬいぐるみが好きな人は大勢います。
では、「ぬいぐるみ依存」というのは、どのような状態なのでしょうか。
それに、「依存」という言葉の意味を正確に知れば、わかってきます。
「依存」の意味を辞書で調べると、「それがないと、身体的・精神的に平常を保てなくなるほど、何かに寄りかかること」とされています。
つまり、「ぬいぐるみ依存」とは、ぬいぐるみがないと肉体的あるいは精神的に、普通ではいられなくなっている状態と言えます。
これは、通常のぬいぐるみ好きとは、明らかに違う状態ですよね。
具体的には、以下のような行動で現れる事があるようです。
●ぬいぐるみに、日常的に話しかけている
●ぬいぐるみが側にないと生活ができなく、寝るときも一緒にいる
●外出時にも、常にぬいぐるみを連れて行く
●ぬいぐるみを家族として扱う
上記はあくまで例であり、依存状態かどうかの基準は人により異なります。
これらに当てはまるからといって、依存と決まる訳ではありません。
上記のような行動の他、本人の意識なども踏まえて判断する必要がありますね。
ぬいぐるみに依存する人の心理
なぜ、ぬいぐるみに依存するのでしょうか。
ここでは、一般的なぬいぐるみを好きになる人の心理状態をご紹介していきます。
好きの程度が通常のレベルであればよいのですが、これらの気持ちのどれかが強くなりすぎて「依存状態」になっていることも考えられます。
安心感を持てるため
小さな子どもが、ぬいぐるみやタオルなど、特定の何かをずっと手放さない事がありますよね。
幼児は、母親から離れていくにあたり、不安感を軽くするために、特定のものを持つ事で、安心感を得ようとします。
この特定のものを「移行対象」と言います。
この移行対象を持つということは、子どもだけではなく、大人に対しても効果があります。
ぬいぐるみという移行対象を持つ事により、不安感をやわらげて、安心できるのですね。
よって、ぬいぐるみ好きの心理として、「安心感が得られるから」というものがあります。
寂しさをやわらげるため
人には、他の誰かと一緒にいたい、という欲求があります(親和欲求)。
この本能的な欲求が満たされないと、孤独感や寂しさを感じてしまいます。
でも、人付き合いに別れやけんかはつきもの、いつも誰かが一緒にいて孤独感を埋めてくれるわけではありません。
そんな時、常にそばにいてくれるぬいぐるみは、寂しさをやわらげてくれる存在になります。
さみしさ、孤独感がつらい人にとって、ぬいぐるみを好きになる理由の一つですね。
愛情をそそぐ対象
自分の愛情をそそぐ相手として、ぬいぐるみを選んでいる場合があります。
これは、ペットを飼うことなどに似た感情ですね。
上で紹介した「寂しさをやわらげてくれる」存在であるがゆえに、愛情が生まれてくるという事もありそうですね。
集める事自体が趣味
ぬいぐるみが好きというより、集める事自体が好きになっていることもあります。
収集癖とも言えますね。
膨大なぬいぐるみを集めている人は、集めるという行為の方に重きを置いているのかもしれません。
ストレスを発散できる
これは、ここまでの全ての理由と関連する事もあるものです。
なぜ、不安感があるのか。なぜ、孤独感があるのか。
その原因が、実生活を送る中での心理的なストレスにあり、そのはけ口として、ぬいぐるみを好きになっている状態ですね。
ぬいぐるみによってストレスを軽減できているとも考えられますし、ぬいぐるみがないと心がつぶれてしまう状態の場合もありえます。
依存のメリットとデメリット
ぬいぐるみに依存してしているとしても、その全てが悪いとは言い切れません。
そのメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
上でご紹介した通り、ぬいぐるみは人に安心感を与えてくれます。
また孤独感や寂しさをやわらげ、愛情を注ぐ対象にもなれます。
心理的なストレスでつらいとき、精神的にまいってしまいそうなとき、ぬいぐるみが心の支えになってくれ、生きる力を与えてくれているのなら、それはメリットと言えます。
デメリット
「依存」の程度は、人により異なります。
もしも、「ぬいぐるみがないと職場にもいけない」という状態にまで依存しているのであれば、実生活にも影響が出てしまうデメリットとなるでしょう。
また、依存してしまっている根本の理由が他にある場合、ぬいぐるみへの依存でバランスを保っているうちは、根本の理由が解決されない点も、デメリットと言えます。
例えば、親しい友人や恋人がいない寂しさが理由で依存している場合、ぬいぐるみで寂しさをやわらげることはできますが、だからといって友人や恋人ができる訳ではないので、寂しさの根本を解決できません。
ぬいぐるみ依存は治療するべき?
一口に「依存」といっても、その程度や捉え方は様々です。
例えば、「自分は依存しているなぁ」と感じていても、社会生活に影響がない範囲であれば、それを無理に治す必要があるのか、判断の分かれるところですよね。
ましてや、「ぬいぐるみへの依存」です。
自分の健康への被害がなく、またプライベートな空間での話に収まっていれば、人への迷惑もかけていません。
世の中には、「アルコール依存」や「ニコチン依存」など、健康への直接的な被害がある依存がありますが、それであっても自分で折り合いをつけて付き合っているケースもあります。
ぬいぐるみへの依存が、どんな影響を自分に与えているのか、根本の原因を解決すべきなのか、それらを含めて治療するべきかどうか考える必要があります。
子どもの場合は慎重に判断しよう
自分の子どもが、常にぬいぐるみを手放さなかったら、親としては心配になりますよね。
「もう小学生なのに…」なんて不安になるかもしれません。
でも、子どもの場合は、より慎重に考えてあげたいところです。
既にご紹介したように、子どもが幼少期に移行対象を持つ事は普通であり、それが何歳まで続くかというのも、確実な答えはありません。
ぬいぐるみが安心感を与えるのは、大人にだって効果がありますし、ぬいぐるみの効果を利用した「ぬいぐるみセラピー」というものもあるほどです。
時間が経ったり、他に興味のあるものができたら、自然と離れていく可能性もあります。
間違っても、焦って無理やりぬいぐるみから引き離したりするのは、絶対にやめましょう。
ただ、ぬいぐるみに依存している根本の原因があるのなら、そちらの解決を図る必要があります。
例えば、常に孤独感があったり、一人きりであったり。
それらが理由となっているのなら、子どもは自力でその状況を変えられません。
その解決にこそ、大人の助けがいる場合があります。
子どもがぬいぐるみに依存している場合は、慎重に対処を考えてあげてください。
どうしても不安であれば、専門家に相談するのがよいでしょう。
治療方法は?
それでも、やっぱりぬいぐるみ依存を治したい!
そう考えた時、治療方法はどうすればよいのでしょうか。
自分の意思でなんとかする、という方法もあるかもしれませんが、やはりまずは一度、依存症治療を専門とするクリニックに行くことをおススメします。
ぬいぐるみ依存に関わらず、依存症を自力で解決するのは、とても大変です。
それに、ぬいぐるみ依存だと周りに相談ができなかったり、似た状況の前例なども調べられない可能性が高いです。
だからこそ、クリニックや病院の専門家に、アドバイスをもらいに行くとよいでしょう。
まとめ
今回は、ぬいぐるみに依存する人の心理や原因について、ご紹介しました。
ぬいぐるみでなくても、人は色々なものに大なり小なり依存していますよね。
まずは、自分の状態を客観的に判断し、また自分はどうしたいのか、を考えるのが大事だと感じました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。