暦の上では夏至から11日目に相当する「半夏生(はんげしょう)」。
そんな半夏生と同じ名前の植物があることをご存知でしょうか?
そしてそのハンゲショウ、普通の植物にはない不思議な特徴を持っています。
植物の葉っぱは普通、緑色をしていますよね。
しかしこのハンゲショウは、何故か葉っぱが白くなると有名なのです。
なぜ、葉っぱが白くなるのでしょう?
今回は、そのハンゲショウについて、葉っぱが白くなる理由などをご紹介します。
目次
半夏生の概要
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/
半夏生は、ドクダミ科ハンゲショウ属の多年草です。
日本、中国、朝鮮半島、台湾、ベトナムなど幅広い地域に生息しています。
特に日本では、本州から沖縄にかけて分布しています。
日当たりのよい湿地などに太い地下茎を伸ばして生息しているようですが、
自然に生えているものは少なくなっているようです。
東京など、一部の地域では絶滅危惧種Ⅰ類に分類されています。
花が咲く時期は6月中旬~7月の間。
花が咲く時期になると、茎のてっぺんの葉の付け根から、花序を伸ばして小さな花を咲かせます。
私たちが想像する、花らしい花とは違い、ひも状の花序に小さな花がたくさんついています。
花とはいえ、花弁はついていないので、観賞用には向いていません。
そのお花は、ドクダミに似た特徴的な香りを出すようです。
花が咲き終わって夏の盛りの頃になると、
葉っぱの白い部分は色落ちしてしまい、普通の緑色っぽくなります。
半夏生の葉が白くなる理由は?
引用元:http://www.hana300.com/hanges.html
植物の葉っぱが、霜が降りていることや虫がついていることなどの外的要因がなく、
白くなるというのは不思議ですよね。
ここでは、白くなる(白く見える)理由とされる説を紹介していきます。
虫を誘うため
花が咲く時期に葉っぱが白くなるのは、
虫媒花(※)であるため、葉っぱを白くして虫を誘いやすくするために、
進化したのではないかと言われています。
確かに、葉っぱが真っ白になっていると目を引きますよね。
受粉が終わると葉緑体ができ、白から緑っぽい色に変化するそうです。
(※)虫媒花とは、虫に自分の花粉をめしべに運んでもらい、受粉する花のこと。
植物の苞(ほう)になりきれていない
半夏生は、花序(花が付く部分)の根元の4~5枚の葉っぱが白くなります。
この部分は、植物の苞(ほう)になりきれていないともいわれています。
苞とは、つぼみを包むように変化した葉っぱの部分です。
半夏生と同じ科のドクダミは、4枚の花びら状の白い苞があることから、
そういわれているようです。
葉緑体が発達していない
遺伝子の問題で、葉緑体が、花が咲く時期にはまだ発達していないとも言われています。
葉っぱを調べると、葉緑体に当たる組織はあるそうですが、
その部分がまだ発達しておらず、はなびらと同じ状態なのだそう。
夏が盛りになり、花が受粉を終えると葉緑体が発達しはじめるようですが、
それでも完全な緑色にはならないようです。
また、緑じゃなかったものが緑色に代わるものは意外とたくさんあるようです。
例えばアジサイの花。花が咲く時期は鮮やかな青色や赤色をしていますが、
実をつける時期になると薄い緑色になっています。
植物は意外と簡単に、緑色を作ったり抜いたりできるようです。
植物は私たちが思っているより器用なようですね。
泡が反射している
葉っぱの中には多くの空気の小さな泡があり、
光が当たると反射して白く見えるという説もあります。
水しぶきやビールの泡が白く見えるのと同じ原理です。
指で押さえて泡を追い出せば、その部分は無色透明に見えるようです。
半夏生の名前の由来は?
半夏生には、いろいろな呼び方があります。
ここではその呼び方をご紹介していきます。
上に書いているほうがメジャーな呼び方になっています。
半夏生
花が咲き、葉っぱが白くなる時期が、暦の上での「半夏生」の時期だから、という説。
半化粧
葉っぱが白くなっている姿を、半分化粧しているところから「半化粧」とする説。
片白草
葉っぱの表だけが白くなり、裏側は薄緑色をしているから、という説。
半夏生の育て方は?
引用元:https://shiny-garden.com/post-592/
不思議な葉っぱ、半夏生。
葉っぱが白くなる姿は幻想的で美しいですよね。
そんな半夏生の育て方をまとめてみました。
栽培環境
直射日光を避け、湿気が多く明るい半分日陰のような場所が適しています。
明るい場所の方が、白い斑が美しく入るそうです。
せっかく育てるなら、やっぱり美しく白色になってほしいですよね。
冬越し
耐寒性はあまりありません。
寒い場所では防寒対策を施してあげてください。
水やり
乾燥は厳禁です。
常に土が湿っているような環境を好むので、株元が少し水につかる状態でも育てることが出来ます。
池の周辺やビオトープ、水連鉢などで育てた方が乾燥の心配はいらないかもしれませんね。
土は水生植物用のものや、水はけ良く保湿性の高いものを選びましょう。
鉢植えの場合は、大きめの鉢に植えて、
受け皿に常に水が溜まっている状態を保ってください。
肥料
特には必要ありませんが、土の中の窒素成分が過剰になるとつぼみをつけないようです。
つぼみが付かないと白い斑も出ないので、
そのために自宅で栽培するという方は注意が必要です。
心配なら、緩効性化成肥料を1か月に1回ほどまいてあげると良いでしょう。
植え付け、植え替え
適期は2月~3月です。
ですが、寒さには弱いので、寒すぎる日は避けてくださいね。
増やし方(株分け)
半夏生は、株分けで簡単に増やすことが出来ます。
初春の、まだ芽が生えていない時期に行います。
掘り上げた地下茎をカットして植え付けて下さい。
病気・害虫
目立った病害虫の発生はほとんどありませんので、心配いりません。
半夏生のプロフィールから葉っぱが白くなる理由、
育て方などをご紹介してきました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
葉っぱが白くなる理由は、知っている人はあまり多くないのではないでしょうか。
これであなたも半夏生マスターです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。