風鈴の歴史・由来は?いつ風鈴が生まれたのか徹底解説

夏と言えば、まず思いつくのが、

『風鈴』

という人もいると思います。

風鈴は、かなり昔から使われている、

『日本の風物詩』

であり、海外の人にも好評なものです。

ですが、当たり前に使われている風鈴も、

『歴史・由来』

については、あまり知られていないことが多いでしょう。

そこで、今回は、

『風鈴の歴史や由来について』

紹介します。

あまり知らなかった人は、参考にしてみてください。

目次

夏の風物詩である風鈴

夏の風物詩である風鈴は、

『日本人なら、誰でも1度は見たことのあるもの』

だと思います。

実際には、このような感じですね。

風鈴の仕組みは、とても簡単であり、

  • 金属・ガラス等を、手のひらサイズのおわん型に加工する
  • 口が開いている部分を、下向きにする
  • 内側に、舌(ぜつ)というものを垂らす
  • 風が吹けば、そこに舌が当たって音を鳴らす

 

というものになります。

また、舌の部分は、

『短冊』

を吊るすのが、一般的になっています。

音を聞くことで、

『夏の風情を感じる』

ことが出来ますよ。

暑い夏を乗り切る知恵として、使われているものであり、

『音を聞くだけで、涼しくなってくる』

という、日本人なら良く分かる特徴も持ち合わせています。

風鈴の歴史は?

引用元:https://pixabay.com

風鈴について、紹介しました。

次に、風鈴が、

『どのような経緯で、日本に渡ってきたのか』

についても紹介していきます。

風鈴の起源は中国?

風鈴の、元々の起源は、今から約2000年前の、

『中国』

とされています。

当時、中国では、

『唐』

という国が栄えていました。

そのとき、吉兆を占う方法として、

『竹林の東西南北に、風鐸を吊るしていた』

とされています。

これは、別名、

『占風鐸』

とも呼ばれており、その音を聞き、占いをしていたとされているのです。

これが、後のお寺で、

『災いが起こらないためのお守り』

として、屋根の四隅に吊るされるようになりました。

日本に伝わったのは、

『仏教建築文化が伝わった、飛鳥・奈良・平安時代』

あたりだと言われています。

最初は、違う素材が使われていた

風鈴は、今でこそ、

『ガラスや陶器』

が中心となっています。

ですが、先程紹介したように、

『最初は、鐸(青銅)が使われていた』

ため、今の文化は、後から出来たものと言えるのです。

ですが、次第に、

『ガラス製品』

が、日本に渡ってくるようになりました。

これにより、鐸を使う手法から、

『現代の風鈴に近いものが、多く作られるようになった』

ため、今の風鈴が定着していったのです。

決定的に、風鈴ブームが来たのは江戸時代末期

ガラス製品の流通が始まったのが、

『江戸時代末期』

とされており、この頃に、ガラス製の風鈴も多く作られるようになりました。

特に、ピイドロと呼ばれる、

『吹きガラスで作られた風鈴』

が、江戸で流行っていたのです。

風鈴の種類はどんなものがある?

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風鈴の歴史について、紹介しました。

今では、当たり前のように見られる風鈴ですが、

『現在の形になるまでは、かなりの年月がかかった』

ということが分かると思います。

次は、実際に、

『どのような風鈴があるか』

についても紹介していきます。

江戸風鈴

まずは、先程の話にも出てきた、江戸で流行したとされる、

『江戸風鈴』

です。

江戸風鈴の特徴としては、

『型がない宙吹きで作る』

というものがあります。

風鈴を作る際、息を吹き込んで膨らませるのですが、大抵の場合、

『大きさを均等にするための型』

というものが存在します。

その型を使えば、同じ風鈴を多く作ることが出来るというわけですね。

ですが、江戸風鈴の場合、

『宙吹きという、型を用いない作り方』

をするのが基本とされています。

それでも、大きさ的には、

『ほとんど変わらないものが作れる』

ため、職人技と言えるでしょう。

作るときは、基本的に、

『2人1組』

となり、舌と呼ばれる小さい玉と、本体を作る人が平行作業しています。

1人で作っても構わないのですが、

『生産が追い付かなくなる』

ため、この体制で作ることが多いとされています。

その後、風鈴を切り離すのですが、このとき、

『鳴り口を整える工程を省く』

のが、江戸風鈴の特徴です。

江戸風鈴を見ると、鳴り口がギザギザになっているのですが、これは、

『昔からの風習』

ということですね。

また、風鈴の特徴でもある絵柄ですが、江戸風鈴は、

『表ではなく、裏から絵を描く』

という特徴もあります。

これらが、江戸時代から作られている、

『伝統的な風鈴』

となり、現在の風鈴の雛形とも言えるでしょう。

南部風鈴

江戸風鈴とは違い、

『南部鉄器』

を用いた風鈴も存在しています。

それは、主に岩手県で作られている、

『南部風鈴』

です。

南部風鈴は、庶民が使うものというより、

『仏具の1つとして浸透していた』

ものとなります。

そもそも、南部鉄器は、

『砂鉄を用いて作られる』

ものです。

そして、1度作った南部鉄器を溶かして、型に入れた後、

『再度、冷やして作られたもの』

が、南部風鈴となるのです。

音は、かなりの高温が出るようになっており、周波数は、

『3,000ヘルツ』

にも届くとされています。

この音は、自然界で聞くことが出来る、

  • 小川のせせらぎ
  • 鳥のさえずり

 

と同じものであり、ストレス軽減や集中力向上に役立つとされているのです。

また、疲れている状態で、

「少しリラックスしたい」

と考えているときにも、南部風鈴の音は、おすすめだとされています。

風鈴にまつわる行事は?

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風鈴について、紹介してきました。

ここからは、

『各地で行われている、風鈴にまつわる行事』

についても紹介していきます。

JR水沢駅

岩手県奥州市に位置する、南部風鈴にゆかりのある駅です。

ここでは、

『6月~8月』

にかけて、駅の構内に、数多くの南部風鈴が飾られているのです。

別名、

『風鈴駅』

と呼ばれるくらい、風鈴の数が多く、暑い時期にはもってこいの場所となっています。

歴史も古く、

『1963年から現在まで』

続いている、水沢駅の風物詩です。

日本の音風景100選にもなっていますよ。

群馬県前橋市 上毛電車

猛暑になりやすいことで有名な、

『群馬県前橋市』

でも、風鈴に関する行事があります。

それは、上毛電車という電車に、

『約100個の風鈴を吊るして走る』

というものです。

期間は、

『6月~8月』

となっています。

風鈴が数多く吊るされている景色は、

『夏の訪れを知らせてくれる』

とともに、気分を涼しくしてくれることでしょう。

三重県伊賀市 伊賀列車

三重県でも、同じく風鈴列車が走っています。

その列車は、忍者で有名な、

『伊賀にある伊賀列車』

となっています。

数は、群馬の上毛列車に劣るかもしれませんが、伊賀に実家がある、

『松尾芭蕉』

の句が、風鈴に吊るされているのです。

松尾芭蕉が好きな人は、1度訪れてみることをおすすめします。

浅草寺ほおずき市

東京では、おなじみのお寺であり、

『浅草寺』

でも、風鈴にまつわる行事が行われています。

それは、

『浅草寺ほおずき市』

であり、ほおずきと風鈴がセットで販売されているのです。

なぜ、ほおずきと風鈴がセットなのかと言えば、

『死者の魂を導くほおずきと、魔除けになる風鈴の相性が良いから』

だとされています。

お盆の日に、ご先祖様が帰ってくることは知っているでしょうが、そのとき、

『ほおずきの実を、家代わりにする』

という話があります。

また、その時、悪霊が入ってこないようにするため、

『風鈴を吊るしておく』

ことが、昔からの風習となっているのです。

浅草寺ほおずき市は、

『7月』

に開催されているので、行ってみてはいかがでしょうか。

川崎大師風鈴市

平成に入ってから、行われるようになった、

『川崎大師風鈴市』

も、おすすめの風鈴行事となります。

川崎大師は、元々、

『災厄を消し去ってくれる大師様』

がいる場所となっています。

その為、魔除けの効果があるとされる風鈴とは、

『かなり相性が良い』

と言えるでしょう。

また、様々な形をした風鈴が揃っているので、

『風鈴好き』

には、たまらない行事でもあります。

西新井大師 風鈴祭り

川崎大師と同じように、西新井でも、

『風鈴祭り』

と称した行事が開催されています。

全国各地から、

『様々な風鈴が集まってくる』

ため、かなり見ごたえがある行事となるでしょう。

開催期間は、

『7月中旬から約3週間』

となっています。

川崎大師と合わせて、行ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

『風鈴の歴史・由来は?いつ風鈴が生まれたのか徹底解説』、いかがでしたか。

今回のまとめとしては、

『風鈴には、かなり古い歴史がある』

ということが言えます。

元々、占いの類から始まった風習が、

『巡り巡って、夏の風物詩になる』

とは、当時の人は想像していなかったでしょう。

風鈴は、聞いているだけで、

『心が穏やかになる』

ものなので、日々の生活に活かしてみてはいかがでしょうか。

それでは最後まで読んで下さりありがとうございました。

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