ジャケットを選ぶとき、皆さんは袖の長さをチェックしていますか。
着丈や身幅はしっかりと確認すると思いますが、見落としがちなのが袖丈の長さです。
袖丈が合っていないと、他のサイズが合っていても、全体の印象としてチグハグになってしまいます。
そこで本記事では、ジャケットの袖丈の適切な長さや、ジャケットの腕まくりは有りなのか、などをご紹介したいと思います。
もうすでに買ってしまったジャケットの袖丈が長い場合の対処法もまとめていますので、ぜひご覧ください。
目次
ジャケットの袖の適切な長さやボタンの位置は?
まず、ジャケットの袖の適切な長さを知っておきましょう。
ジャケットを着て、自然な状態で腕を下ろします。
この時、親指の先端から袖までの距離が「11cm前後」になるのが、一般的な袖の適切な長さになります。
ただ、特にカジュアルなジャケットについては、デザインによって袖丈の長さは様々(五分丈、七分丈)です。
あくまで、スーツのジャケットのように手首まで袖があるものの目安として考えてください。
袖のボタンの種類と位置
ジャケットの袖には、ボタンがある場合が多いですが、このボタンにも以下のような特徴があります。
●ボタンの位置は袖口から一つ目のボタンまで約3.5cm
●ボタンの数は2~4個でジャケットにより違う
●ボタンの配置は、「等間隔」「キス(くっついている)」「重ねて配置」がある
●袖の種類は、「本切羽(ほんせっぱ)」「開き見せ」がある
ボタンの数や配置の方法は、デザインに関連する部分ですので、気に入ったもので問題ありません。
一般的には、ボタンの数が少なくなるほどカジュアルさが増します。(実際、ビジネススーツなどは4ボタンが多いですよね)
ただ、上記の中で本記事のテーマである「袖の長さ」に関係してくるのが、「本切羽(ほんせっぱ)」と「開き見せ」です。
これらは袖の種類の事で、「本切羽」は袖ボタンを開け閉めすることで袖を開いたり閉じたりできる構造のことです。
カッターシャツなどの袖と同じで、ボタンを外せば袖が広げられるイメージですね。
一方、「開き見せ」は袖ボタンが飾りでしかなく、実際にはボタンを外せないし袖も開けない構造の事です。
この二つの違いは、後に出てくる「腕まくり」や「袖を直す」時に関係してきますので、詳しくはそちらでご説明しますね。
ジャケットの袖の長さ(袖丈)の測り方は?
ジャケットの袖の長さは、試着して確認するのが一番ですが、ネットショッピングなどで実際に手に取れない時もあります。
そんな時は、「袖丈」の長さを見て判断しましょう。
「袖丈」とは、ジャケットの肩先(肩と袖の縫い目の頂点)から、袖口までの長さのことです
商品によっては、袖丈の長さが記載されているので、自分の袖丈がわかっていれば、比べることができますね。
以下に、自分の袖丈のサイズの測り方をまとめておきます。
<自分の袖丈の長さの測り方>
①まっすぐ立ち自然な状態で手を下げる(ほんの少し曲がっててもOK)
②肩の一番出っ張った骨から、肘の裏のでっぱりまで測る
③肘の裏のでっぱりから、手首の骨が出ている部分までを測る
④二つの長さの合計が袖丈となる
ちなみに、自分一人で測ろうとするとかなり大変です。
誰かにお願いするか、ショップに行った時に、今後のために測ってもらっておくと良いでしょう。
ジャケットの袖が長い時、腕まくりしてもOK?
ジャケットを着ていると、腕まくりをしたくなる時ってありますよね?
例えば、手を洗う時など水に触る時など、袖が濡れないようにしないといけません。
他にも、単純に暑い日であったり、ラフな格好にしたい場合などは、腕まくりをしてもいいのでしょうか。
答えは、「ジャケットによっては、腕まくりは全然アリ!」です。
ジャケットを腕まくりした姿は、男らしさがアップして好印象にもなります。
ただし、どんなジャケットでも腕まくりをしていい訳ではありません。
基本的には、カジュアルな春夏用のジャケットが腕まくり対象と考えておきましょう。
テーラードジャケットも、基本的には腕まくりOKです。
スーツの上着やフォーマルなジャケットは、腕まくりNGです。
下記の写真のようなフォーマルなジャケットで腕まくりは少し変ですよね。
また秋冬物は、季節柄腕まくりが合わない事に加え、生地が厚いので腕まくりをすると服を傷める事があります。
ジャケットの袖のおしゃれな折り方
「腕まくり」と言っても、実際にはいくつか方法があります。
もちろん、ぎゅっと上に引っ張って、ただ腕まくりをしてもよいのですが、ここではオシャレに見える「袖の折り方(ロールアップ)」をご紹介しましょう。
ご紹介する折り方は「マスターアップ」と言われるもので、ジャケット以外のシャツなどでも使えます。
詳しい折り方は、こちらの動画をどうぞ。
・マスターアップの折り方
<マスターアップの折り方>
①袖のボタンが外せるのであれば、外しておく
②袖を丁寧に、大きく一回まくって折りたたむ
③まくった袖の下を、さらに1度~2度、丁寧に折りたたむ
④最初にまくった袖の端部分が、少し上に出ているとベスト!
袖のボタンが外せる場合、外しておくのですが、もしも「開き見せ」という袖の構造の場合、ボタンは飾りなので外せません。
無理に外そうとして袖を破いたりしないよう、ご注意下さい。
開き見せの袖で折り返すのが窮屈すぎる場合、マスターアップは諦めましょう。
また、マスターアップに限らず、腕まくりはジャケットにダメージを与えます。
洗濯しても取れないシワなどが付く場合がありますので、各自の判断で行ってくださいね。
ジャケットの袖が長い時の応急処置は?
買ってしまったジャケットの袖が長い場合、袖の長さを直す必要があります。
袖の長さを直すには、お店に出すか、自分で直すかのどちらかです。
自分で直す場合、服を直すわけですから、縫製の知識と技術が不可欠となってくるので、ハードルは高めと言えるでしょう。
縫製の技術はないけど、お店に出すお金や時間をかけたくない…。
そんな場合、応急処置として「手芸用ボンド」や「裾上げテープ」を使う方法があります。
・手芸用ポンド
・裾上げテープ
これらはどちらも、アイロンを使う事で服を強力に接着できます。
裾上げテープは、100均などにも売っていますよ。
応急処置とはいえ、洗濯やクリーニングでも取れにくいので、日常生活には十分でしょう。
裾上げテープの実際の使い方は、こちらの動画をご覧ください。
・裾上げテープの使い方
手芸用ボンドや裾上げテープを使えば、折り返した衣類をしっかり接着できます。
これらを使って、袖丈を直す手順をご紹介します。
<手芸用ボンド、裾上げテープを使った袖の長さの直し方>
①袖を裏返して折り返し、短くする長さを決める。
②折り返した位置にアイロンをかけ、折り目をつける。
③手芸用ボンドや裾上げテープをつけ、アイロンで接着する。
あくまで応急処置ですが、これで袖の長さを変える事ができます。
ただし、袖のボタンがある場合、この方法で直すとボタンの位置がおかしくなりますので、その部分は仕方ないと覚悟しておきましょう。
ジャケットの袖の長さを自分で直す方法
応急処置ではなく、自分で袖の長さを直すこともできます。
ただし、現状の袖をほどいたり生地を切ったりと、縫製の技術が必須となります。
自分でやる場合は、最悪失敗しても仕方がないと納得した上で行う事をおすすめします。
袖丈の直し方は、こちらの動画で詳しく確認する事ができます。
・ジャケットの袖の直し方
<ジャケットの袖の直し方>
①袖のボタンを取り、袖をほどく
②つめる長さを決め、生地をカットする
③裏地もカットし、新しい切羽、額縁を作る
④裏地を縫い付け、袖のボタンをとりつける
ジャケットの袖の長さを自分で変える場合、重要なポイントが「ボタン」です。
ジャケットの袖のボタンは、デザインの要素の一部なので、袖の長さを調整する時、ボタンの位置もずらさないとバランスがおかしくなってしまいます。
上記の動画内でも、ちゃんとボタンの位置を動かしています。
袖の長さを直した時は、新しい袖口から3.5cmの位置にボタンをずらすようにしてくださいね。
袖の長さを直せない場合
袖の長さを自分で直す方法をご紹介していますが、どんなジャケットでも袖の長さを直せるわけではありません。
直せない構造の袖もあるんです。
それが、「本切羽(ほんせっぱ)」の袖です。
本切羽の袖は、ボタンを外すと袖を開くことができるようになっています。
この袖は構造上、短く直すことができません。
専門店にもっていっても、やってもらえるかどうか分からない、というレベルなので、自分で行う事はまず無理です。
本切羽の袖はデザインとしておしゃれですが、「袖の長さの直しができない」というデメリットがある事を覚えておくとよいでしょう。
不安な場合はプロに任せよう
袖の長さのが長い場合の、「応急処置」「自分で直す方法」をご紹介してきました。
しかし、自分でやって取返しのつかない失敗をしてしまっては、元も子もありません。
特にお気に入りのジャケットの場合、万に一つも失敗はしたくないものです。
その場合、最も安心なのは「洋服直しのプロ」にまかせることです。
お金と時間はかかりますが、仕上がりには満足がいくはずですから、不安がある場合にはお店に出す方がよいでしょう。
ここでは、おすすめの洋服直し専門店をご紹介します。
ママのリフォーム
全国に300店舗をかまえる洋服のリメイク、リフォーム、直しの専門店です。
店舗により料金が異なる場合がありますが、袖直しは4000円~行ってもらえます。
マジックミシン
イオンモールなどのショッピングモールに多く展開する洋服リフォーム店です。
HP上の値段は袖直し2800円~ですが、ジャケットや袖の種類により大きく変わる可能性もあるので、実際に店舗で確認した方がよいでしょう。
まとめ
今回は、ジャケットの袖の長さについてまとめてみました。
ジャケットの着こなしを一歩上にあげるたにも、袖の長さにまで気を配りたいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。