カタツムリとナメクジの違いは?殻をとれば同じになるのか徹底解説

子供のころに石や木で遊んでいるとよく見かけるナメクジ。

そのナメクジはカタツムリとよく似ていますよね。

この二つの生き物は似ていますが、しっかりと違いを理解していますでしょうか?

ほとんどの人がナメクジとカタツムリの違いは分かっていません。

そこで今回はナメクジとカタツムリの違いを解説していきます。

目次

カタツムリとは?


引用:https://pixabay.com

カタツムリは陸に住む貝の仲間で日本に800種類ものカタツムリいます。

カタツムリは「でんでん虫」「マイマイ」などと呼ばれることもあります。

カタツムリは湿気を好むこともあり、主な住処は木の根元や石の下などです。

雨の日は全体的に湿気があるので葉の上や家の塀などにもいます、そういった所をよく見かけることも多いですよね。

普段カタツムリは植物の葉や落ち葉などを食べて生活していますが、カルシウムを補うためにコンクリートを食べることもあります。

ナメクジとは?


引用:https://pixabay.com

ナメクジは陸に生息する貝の仲間で、貝殻を持っていません。

日本では主に小さいナメクジが有名ですが、南アフリカには体長20cmをも超えるナメクジが見つかっており、その生態は多岐にわたっています。

ナメクジは雑食で農産物や葉っぱなどを食べるため、農産物を育てている人からすると「害虫」とされることも多くあります。

そのためかなり駆除されることも多くたくさんのナメクジ対策グッズが販売されています。

また、興味本位でナメクジを食べることはとても危険で死亡例も出ています。

カタツムリとナメクジの違いは?


引用:https://pixabay.com

ではカタツムリとナメクジの違いはどのような物なのでしょうか。

カタツムリとナメクジはとても似ていて、カタツムリから殻を取るとナメクジになりそうな感じがありそうですよね。

しかし、しっかりと別の生き物なのです。

カタツムリの殻は体からしみ出た石灰分で作られており、身体から引き離そうとすると死んでしまいます。

カタツムリは殻を背負っているわけではありません。

生まれた当初から殻を持っており、成長と共に殻も成長します。

対してナメクジはいくら成長しても殻が体の中から出る事はありません。

カタツムリから殻をとってもナメクジにはなりません。

同じ貝の仲間ではありますが、貝があるかないかという所が大きな違いとなり、全く別の生き物です。

とても似ていますが、別の生き物ということを理解しましょう。

カタツムリの殻は何で構成されている?

カタツムリの殻は炭酸カルシウムという成分で構成されています。

しかし、この成分は葉っぱや野菜などからは摂取することができません。

そのためカタツムリはこの殻を成長させるためにも卵の殻や落ちている貝殻、死んでしまったカタツムリの殻から摂取するようにしています。

そしてカタツムリをよくコンクリートの塀にくっついているのを見たことがありますよね。

それは、コンクリートに含まれる炭酸カルシウムを食べているのです。

それくらいしないとカタツムリの殻は成長することができませんし、維持することが難しいのです。

カタツムリとナメクジの共通点は?


引用:https://pixabay.com

ではとても似ているカタツムリとナメクジですが、どのような点が共通点なのでしょうか。

共通点をまとめると以下のようになります。

  • 巻貝の仲間
  • 陸地で生息している
  • 触角がある
  • 寒さや乾燥に弱い

 

カタツムリとナメクジの違いは殻にあります。

そのため、それ以外の部分ではとても似ており、ほぼ共通しているといっても過言ではありません。

実はカタツムリの進化系がナメクジ!


引用:https://pixabay.com

ではなぜこのようにカタツムリとナメクジはとても似ているのでしょうか。

カタツムリとナメクジの違いは殻だけです。

その理由としてナメクジはカタツムリが進化したものということがあります。

ナメクジが進化してカタツムリになったように思えますが、実際は逆なのです。

進化ということは、その時代に合わせて無駄なものは無くなるということです。

殻は必要ないという結論になってナメクジになったのです。

殻がないことでのメリットは以下のようになります。

  • 狭い場所に入ることができる
  • 多くのエネルギーを消費しない
  • 少ない食糧で生きることができる

 

カタツムリに比べてナメクジは割とどこにでもいるような感じがしませんか?

それはカタツムリに比べてナメクジの方が殻がないことで動きやすく、食料も多くの物を必要としないことがあげられます。

カタツムリ、ナメクジは塩をかけるとなんで溶ける?どっちがより塩に強い?


引用:https://pixabay.com

ナメクジは塩をかけると死んでしまうイメージがありますが、カタツムリも同様の生き物なのでカタツムリも死んでしまいます。

ナメクジとカタツムリが塩で溶ける理由は浸透圧により体内の水分が外に出るからです。

浸透圧とは濃度を均一にしようとする働きです。

ナメクジ、カタツムリの体は全体が薄い膜で覆われており、常に体から粘液が出ています。

ここに塩をかけると、粘液の中で塩の濃度がとても濃くなってしまいます。

そこで外の濃度を均一に保つため体の中から水分が膜を通過してどんどん外に出ていきます。

ナメクジやカタツムリの体の90%が水分で構成されており、その体の中の水分が無くなってしまうと溶けてなくなってしまうということです。

どちらが塩に強いということはなく、どちらも同じ水分の割合を持っているので同じ塩の量で死んでしまいます。

ナメクジとカタツムリは塩以外でも溶けてしまうのか

ナメクジを駆除する時には塩を使うのがポピュラーですが、実際は塩以外でも溶かすことができます。

というのも、ナメクジは塩によって外の膜の濃度が上がり、それを均一にしようとして水分を体外に出してしまいます。

そのため、塩に限らず水に溶けることができ濃度をあげることができるものであれば何でも大丈夫です。

以下の物でも溶かすことができます。

  • 砂糖
  • 小麦粉
  • 片栗粉
  • 重曹など

 

このようなものでもカタツムリやナメクジは溶けてしまいます。

しかし、最も塩の吸収率が高いので効率的です。

一度溶けた後に水をかけると回復するの?

水分が抜けただけということが分かると、水をかけたら水分が戻るので回復するのではないかと思いませんか?

実際の所、塩をかけた直後であれば復活します。

ただし、ナメクジとカタツムリの体の水分は90%が水分なので塩をかけ続けると脱水症状で死ぬことになります。

復活するといっても生き返るわけではありません。

干しシイタケを水に浸すと戻るのと同じで生物として生き返る事はありません。

カタツムリ、ナメクジが雨の日に出るのはなぜ?


引用:https://pixabay.com

カタツムリやナメクジが雨の日には外で見ることが多いですよね。

それはどうしてなのでしょうか。

カタツムリ、ナメクジは体から常に粘液を出して体が干からびないようにしています。

そのため晴れの日に外に出てしまうと体の水分が蒸発してしまい死んでしまうことがあります。

しかし、雨の日には雨が降ることで湿気が多くなり乾燥に心配がなくなることでナメクジやカタツムリが外に出るようになりますね。

カタツムリ、ナメクジの寿命は?


引用:https://pixabay.com

カタツムリやナメクジはとても小さい生き物ですし、塩で簡単に死んでしまうので寿命も短そうなイメージがありますよね。

ナメクジやカタツムリの寿命は1年から5年ほどになっており、ばらつきはありますが最大で5年ほどは生きます。

あの小さな体で5年生きる個体がある事は驚きですね。

カタツムリはたべれて!ナメクジは食べれない?


引用:https://pixabay.com

カタツムリと言えば食用としてのイメージもありますよね。

しかし、ナメクジは食べると危険ということを聞くことが多いと思います。

ナメクジは一般的に生で食べるととても危険とされています

ナメクジはネズミの肺などに寄生する「広東住血線虫」という寄生虫を媒介する性質を持っているため人間がナメクジに触ったり食べたりするとかなり危険となっています。

この寄生虫に感染された人は髄膜炎に感染する恐れがあります。

また、ふざけてナメクジを食べることによる死亡例も出ていますので、ナメクジは生のまま食べることはしないようにしておきましょう。

しかし、カナダやアラスカなどではナメクジが食用としてされていることがあります。

そこではしっかりと煮沸消毒を行い寄生虫を殺してから食べるようにしているようです。

食べる際は寄生虫に気を付けて熱消毒を行うようにしましょう。

対してカタツムリはエスカルゴというものもあるように食べる習慣がありますよね。

現在主に食用として販売されているカタツムリは「リンゴマイマイ」「プティ・グリ」「グロ・グリ」「アフリカマイマイ」です。

これらのカタツムリは食用として使われていますが、野生の物を使っているわけではありません。

養殖されていることがあり、寄生虫の心配もなく食べることができます。

一方で野生の物を食べようとする場合は寄生虫を保有している可能性がとても高くなります。

そのため野生の物を食べる時はナメクジと同様にしっかりと熱消毒をするようにしましょう。

カタツムリ、ナメクジはビールに集まる?


引用:https://pixabay.com

カタツムリやナメクジはビール酵母や麦芽の匂いを好むことがあり、ビールに集まってきます。

ビール大国であるドイツでも積極的にカタツムリ、ナメクジの駆除策としても使われており、広く知れ渡っています。

日本でもその集まってくる習性を使ってカタツムリ、ナメクジの駆除に使われていますね。

カタツムリとナメクジどっちが速い?


引用:https://pixabay.com

カタツムリとナメクジはどちらも進むのが遅いことは見てわかります。

しかし、この二つの種類どちらが速いのでしょうか。

どちらが速いのかという研究は行われたことがあり、その研究ではナメクジの方が速かったようです。

しかし、ほぼ差がなくどちらとも時速48mでしか進むことができません。

もしかしたら個体によっても変わるかもしれませんね。

ただ、やはり体に殻が付いていない分速いということや、そもそもナメクジの方がカタツムリよりも進化しているので速いということがあるようです。

カタツムリとナメクジには性別がない?


引用:https://pixabay.com

カタツムリやナメクジといった生物はどちらの生殖機能も持ち合わせている雌雄同体といわれるものです。

移動の遅さから天敵に食べられてしまう可能性が高く、生き残れる個体が少ないことから雌雄同体に進化したとされていますね。

ナメクジ、カタツムリの繁殖方法

ではどのように繁殖するのでしょうか。

オスとメスの両方の生殖機能を持ち合わせているので、他の個体と交わり、精子をお互いに入れます。

雌単体での繁殖もできますが、そうすると孵化する卵の数が少なくなってしまうのでお互いに生殖活動を行います。

また、繁殖期は冬から春にかけて行われ梅雨すぎまでは行われますね。

雌雄同体の種類

雌雄同体といっても色々な形があります。

ナメクジのようにオスとメスの両方の生殖機能を持つ者もいれば、後天的に性別を変化する生き物もいます。

ナメクジのような形の雌雄同体が交わり両方とも卵を産むことができるのはとても珍しい形です。

クマノミなどは先天的にメスやオスとして生まれて群れの状態に応じて後天的に性別を変化する特性を持っています。

雌雄同体の生き物の特徴として移動能力が優れていない物に多く、貝や軟体動物に多く見られます。

カタツムリの性別に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。

まとめ

今回はカタツムリとナメクジの違いについて解説してきました。

カタツムリとナメクジはとても似ていますが、実際は殻を被っただけではありません。

進化前と進化後の姿で全然違う生き物になります。

しっかりとナメクジとカタツムリの違いを理解しておいて下さいね。

この記事を読まれた方は下記の記事もおすすめです。

 

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。

関連記事