カタツムリには性別がないの?交尾はどうやって行うの?

一匹しか飼育していなかったカタツムリがいつの間にか卵を産んでいたということがないでしょうか?

卵を産むためにはオスとメスの二匹がいないと出来そうにないですよね。

しかし、カタツムリの生体にその秘密が隠されています。

そこで今回はカタツムリに性別はないのか、交尾の方法などについて解説していきます。

目次

カタツムリには性別はないの?


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卵を産んだカタツムリはメスと思いますよね。

しかし、カタツムリの場合は雌雄同体という種類でオスとメスの役割を担っています。

オスとメスの体を持っているのでもちろんすべての個体が卵を産むことができます。

したがってカタツムリにオスとメスの区別はないですし、見た目でも分かる事はありません。

カタツムリが雌雄同体になった理由は?


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なぜカタツムリのように雌雄同体になる必要があるのでしょうか。

雌雄同体というものは動きの遅い貝類やクマノミなどに見られます。

そういった動きの遅い生物は卵を産むために繁殖行動を行っても、その後に天敵に食べられる事が多くオスとメスに分かれていると卵を産む母数が少なくなります。

そこでオスとメスの機能を持つことでどの個体でも産卵をすることができるようになり、卵を産むことのできる母数が増えます。

雌雄同体になる事で動きが遅いカタツムリでもたくさん子孫を残すことができ、種類の繁栄につながります。

カタツムリは単体でも卵を産むことができる?


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カタツムリのすごい所は単体でも卵を産むことができるということです。

自家受精を行うことで他の個体に頼らず卵を産むことができ、最悪一匹だけの世界になっても繁殖することが可能ということです。

しかしこの自家受精は本来2匹で行った繁殖行動のときよりも安全に孵化する可能性が低くなってしまいます。

この理由としてはまだ詳しいことが分かっていませんが、通所の繁殖の時には精子の入った袋をお互いの体内に移しあうことで成立します。

その際、精子を消化しないように守る液体も一緒に体内に送られます。

この液体が自家受精のときにはなかなか送られず、その結果守られない精子は無くなってしまうのです。

基本的には2匹での繁殖行動を行いますが、いかんせんカタツムリは行動範囲が狭いため、他の個体と出会うことができなかったときは自家受精の方法も取ります。

生物としての本能である「繁殖行動」ですが、他の個体と出会うことを前提に考えて、どうしても無理と分かった場合のみ自家受精を行うようです。

交尾で生まれた卵と単体で生まれた子供に違いはある?


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交尾で生まれた卵と自家受精の場合で生まれた子供では形などには変化が出ませんが、ある程度違いもあります。

その違いとしては以下のようになります。

  • 自家受精の場合は数が少ない
  • 自家受精の場合体が弱く、早死にすることも多い

 

自家受精の場合は上記で説明した通り、精子を守る液体を入れることができないのでどうしても生まれてくる数が少なくなります。

また、カタツムリが他の個体と繁殖行動をする理由として、他の個体と繁殖行動をすることでお互いの良い所を取り、頑丈な子供に育つことが多くなるからです。

対して自家受精の場合はどうしても体が弱くなったり、早死にしてしまう傾向にあります。

カタツムリはどうやって交尾するの?

カタツムリの交尾の動画になります。

雌雄同体のカタツムリはお互いにし精子をやり取りして、交尾には3時間ほどかかります。

3時間という時間が目安になりますが、その時間は個体によっても柔軟に変わるため、長い場合だと10時間も繁殖行動を行うこともあります。

交尾の間はお互いの生殖器を行き来して、口を動かして精子をとりいれるようにしていますね。

普段の動作も遅いですが、交尾の時間も相当かかります。

交尾終了後は4週間ほどで卵をお互いに産み、その後は卵が孵化するまで親として卵を守り親としての使命を全うします。

たくさん卵を産む個体には産んだらもう知らないという生物もいますが、カタツムリはそんなことがありません。

カタツムリを飼育している場合は、結構この交尾のシーンを見ることも多いかもしれませんね。

カタツムリは違う種類とも交尾できる?


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カタツムリは自分の精子を入れあって繁殖するという事もあり、同じ雌雄同体の形であれば交尾ができそうですよね。

しかし、基本的には種類が違ってしまうと上手く交尾がいかないどころか、違う種類ということもあり交尾する事はありません。

その理由としては、雌雄同体という種類は交尾のためにお互いの精子を交換して繁殖しますのでかなり精密な構造をしています。

そのため種類が異なってしまうと上手く交尾することができませんし、子供が生まれることもなくなってしまいます。

しかし生物学上きわめて近縁な関係であれば交尾が可能な可能性がありますが、どのカタツムリがどのカタツムリと交尾することができるかということはまだわかっていません。

基本的には異種との交尾がないということを理解しておいて下さいね。

雌雄同体のメリット・デメリットは?


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カタツムリのような雌雄同体は珍しいものですが、生き残るための手段としてとても重要になります。

しかし、雌雄同体にはメリットとデメリットが存在します。

メリット

雌雄同体のメリットは先程も少し説明しましたが、繁殖の機会がとても多くなる事にあります。

カタツムリは進む速度も遅く活動範囲もとても狭いものです。

そのため他の個体と会う機会が少なく、たまたま会った個体が別の性別だと繁殖行動したくてもすることができません。

しかし雌雄同体だとそんな心配は必要なく、会った個体と気にせずに繁殖行動を行うことができます。

わざわざ異性を見つける必要がないのでとても繁殖の機会は多くなりますし、最もメリットの面と言えることができますね。

デメリット

このように説明するとメリットが多いように思えますが、実際はデメリットもあります。

雌雄同体ということは、元々繁殖行動をすることがなかなかできないということです。

したがって一生のうちに他の個体と会うことができず、自家受精を行わざるを得ないということ出てきます。

自家受精は言い換えると「クローン」ということになります。

そういったクローンが増えてしまうと、自分のコピーなので進化することもなく、時代の変化についていくことができません。

また、個体の体力も弱く早死にしやすい所もあります。

しっかりと他の個体と繁殖行動をして種の進化を図ることがとても大事ですし、欠かすことができません。

雌雄同体という個性を持っているからゆえにデメリットも存在しているのです。

まとめ

今回はカタツムリには性別がないのかどうかということについて解説してきました。

カタツムリは性別がなく、雌雄同体という珍しい生き物です。

自分の個性に合わせてしっかりと子孫を残すために雌雄同体に進化したということはすごいことです。

これからはカタツムリを見る時に性別がないということを理解して見てみて下さいね、見方が変わるかもしれません。

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それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。

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