毎年、夏になるとお盆がやって来ます。
この頃は夏真っ盛りなので、一年の中でも一番暑い時期。
となれば、涼しい場所にいったり、水辺で遊んだりしたくなりますよね。
海水浴やプール、川遊びに沢登り。
お家の庭にビニールプールを出したり、釣りにだって行きたくなります。
でも、「お盆に水辺には行ってはいけない」と聞いたことはありませんか。
日本には昔からの言い伝えとして、お盆に水辺には近づくことはダメだ、と言われているのです。
その理由は「霊に足を引っ張られるから…」とか、「地獄の釜の蓋が開くから…」など、迷信とも思える話が多いんですよね。
でも、そこからさらに深く調べてみると、実は迷信だけではなく、ちゃんと納得できる理由があるようなのです。
一体、なぜお盆に水辺に行ってはダメだ、とされているのでしょうか。
そして、本当に行ってはダメなのか、行くとしたら気をつけるべきポイントは?
今回は、お盆の水辺にまつわるあれこれをご紹介します。
目次
お盆の期間は?
まずは、お盆の期間を確認しておきましょう。
お盆は正式には「盂蘭盆(うらぼん)」と言い、元々は仏教の行事に由来のあるものです。
一般的に広くお盆とされているのは、8月13日から8月16日までの間となります。
地域によって少し時期の違いがありますので、場合によっては「うちのお盆は、7月だぞ」という事もありえます。
自分の地域では、お盆がいつなのかということも、念のため確認しておいたほうが良いでしょう。
お盆に水辺にいくのはだめ?
お盆に水辺に行ってはいけない理由を調べてみると、どうやら「霊」や「地獄」のせいではないようですね。
ちゃんと他に理由があります。
「水の事故の危険が増える時期だから」
という理由ですね。
昔の人は、経験上から「お盆の時期には水の事故が増えるなぁ」と知っていたのでしょう。
それを「霊に足を引っ張られたんだ」「地獄の釜の蓋が開いているからね」という風に表現したと思われます。
本当にそう信じていたのか、それとも、そうやって言ったほうが分かりやすく注意できたのか、どちらなのかは分かりませんが。
では、なぜ「お盆の時期は水の事故が増える」のでしょうか。
主な理由に、次のようなものがあります。
クラゲが大量に現れる!刺されると危険!
お盆の海では、クラゲが大量に現れると言われています。
海水浴中に、うっかりクラゲに触れて刺されてしまうと、場合によっては命に関わることもあり得ます。
海水浴って、水から顔を出して浮いていたり、水の中に立っている事が多いですもんね。
クラゲは水中で漂っていますから、気がつくのは難しいです。
私も、海水浴に行った時、帰りの車の中で、右の太ももだけがパンパンに腫れていた事があります。
あれも、気がつかないうちにクラゲに刺されていたのかもしれません。
「土用波(どようなみ)」という特有の大波がある!さらわれると危険!
古くから漁師の間では知られていたそうですが、お盆の時期の海では、「土用波」という特有の波が発生するそうです。
近年の研究で、遠く遠洋の海にいる台風が影響を及ぼし、「土用波」が発生する事がわかってきました。
沿岸で遊んでいると、突然の大波がやってくるのです。
そのまま一気に沖合まで流されてしまうこともあるそうです。
怖いですね。
特に大潮の日には注意が必要です。
海・川は?
お盆に水の事故が増える理由は、「クラゲ」や「特有の大波」があります。
どちらも海に関するものですね。
となると、この時期の海に行く時には、自己責任で行ってください。
また、「じゃあ、お盆の前なら海は安全だよね」というと、そうとも言えません。
理由は、やっぱり「クラゲ」です。
クラゲは生まれてから「ポリプ」というイソギンチャクのような幼体の姿で過ごします。
最初から、あのフワフワした形ではないんですね。
ポリプの姿でしばらく過ごした後、私たちのよく知る姿の成体となって、ポリプから離れ海を漂い出します。
この海を漂いだす時期が、ちょうどお盆の時期と重なるんです。
つまり、正確には「お盆にクラゲが大量に現れる」というより、「お盆にクラゲが成体になり、大量に海を漂いだす」というのが正解です。
そして、クラゲがポリプから離れて漂いだすのは、水温と関係があるとも言われています。
そうなると、昨今の問題である温暖化により、クラゲの成体化は早まる可能性もありえますね。
また、住んでいる地域によっても温度の差はありますから、単純に「お盆の前なら大丈夫」と考えず、やっぱり注意が必要です。
「お盆の時期」というのは、目安でしかないと考えた方が良いですね。
では、海ではなく川ならどうでしょうか。
川なら「クラゲ」も「土用波」もありません。
「霊に足を引っ張られる」という話が気にならなければ、行っても問題はなさそうです。
しかし、近年、初夏から秋口まで「ゲリラ豪雨」が話題となっています。
お盆の時期に関わらず、川遊びの際には、急な増水に注意が必要ですね。
海・川に行く際には、天候や周りの状況をよく見て、自己責任で遊びましょう。
プールや水遊びは?
「お盆に水辺に行ってはいけない」というのは、水の事故(特に海での事故)を防ぐための言い伝えではないか、という事がわかってきました。
すると、プールや簡単な水遊びは、お盆だからといって特別な危険はありません。
こちらも「霊に足を引っ張られる」などの言い伝えが気にならなければ、プールなどで遊んでも問題はありません。
ただ、久しぶりに水に入るという人は、十分に注意して下さい。
お盆に水の事故が増えるのは、「お盆の時期に水辺で遊ぶ人が増える」という理由もあるのですから。
単純に、水で遊ぶ人が増えれば、事故の件数も増えますもんね。
前回、泳いだのはもう何年も前だという方、普段運動をあまりしない方などは、自分の力を過信せず、慎重に遊んで下さいね。
お盆に水辺で遊ぶことへの皆の意見
お盆に水辺で遊ぶことについて、皆さんの意見も分かれています。
「霊にひっぱられるから」という意見を気にしている方も、多いですね。
また。お盆に沢山水難事故で亡くなってる、昔からお盆に水辺に近付いたらダメって、じいちゃんばあちゃんに、教えてもらわなかったのかな?昔の人の言う事は聞いたほうがいいな!😰😰😰
— オッさん53号になりました (@16001965www) August 14, 2017
お盆に水辺ってのはおばあちゃんにあかん言われてた。引かれるからね。お盆の水難事故ニュース聞くたびやっぱりなって思っちゃう。
— まんだ林檎 (@mandaring) August 16, 2016
小児救急専属のベテラン看護師がよく言ってたのが、「お盆時期の川や海の溺死は毎年本当多い。みんな連れてこうとするんやろ」という言葉。
何のエビデンスもないが、何となくお盆時期には海や川等水辺に行くのを避けてる自分がいる— ふらいと13 (@doctor_nw) July 7, 2014
お盆に限らず水辺は怪しいとこは怪しいからなー…
— えみりん🍣0624 (@emily0301xx) May 20, 2018
お盆に釣りはだめなの?
「お盆には釣りをしてはいけない」とも言われています。
おじいちゃん、おばあちゃんから、そう教えられた、という人も、多いのではないでしょうか。
こちらも理由を調べてみると、「お盆に水辺で遊んではいけない」という教えの理由と、関連がありそうですね。
お盆の時期は、大潮の日と重なる事が多いです。
大潮の満潮は普段よりも潮位が高くなります。
「土用波」の影響もあって、高波により海にさらわれやすいと言えるのです。
よって、お盆の海釣りは危険と言われているんですね。
また、お盆の決まりごとの一つに「殺生をしてはいけない」というものがあります。
お盆は、亡くなった方々の霊が帰ってくる季節。
命を大切に扱うため、生き物を殺してはいけないとされています。
「お盆に釣りに行ってはいけない」というのは、この「生き物を殺してはいけない」に加えて「水辺に近寄ってはいけない」が合わさってできた教えのように感じますね。
でも「じゃあ、海釣りじゃなくて川釣りとか湖ならいいんじゃないか」とか、「殺さずにリリースすれば平気だ」と言われてしまうと、なんとも反論できない気がしますが。
お盆の釣りに関しては、「海釣りは危険もあるから要注意。川釣りなどは問題なし。ただ、殺生に関しては自分の判断で考えよう」という結論に、なりそうです。
お盆の釣りに関しての皆の意見
お盆の時期は、セミやトンボを捕らない(ご先祖様が乗り物にする為と殺生をしないように)、川で泳がない(河童が出るのと死者が寂しくて引き込むのと)、というのは言われた。魚とりやザリガニ釣りもほんとはダメだったのだけど、辛抱たまらず釣ってた気がする。
— 白当路君 (@maapaasiikaw) August 14, 2016
お盆に殺生はダメって言うけどバス釣りはキャッチアンドリリースやからへーきへーきww
— 一丸”達”麒麟 (@Icmr_COBHC) August 13, 2016
釣り好きの方は、あまり気にしていない人が多いですね。
せっかく釣りに行ける長期休みなのだから、気にしてなんていられない、というところが本音でしょうか。
まとめ
今回は、お盆の水辺に関する遊びについてまとめました。
昔からの言い伝えには、やっぱり何かしらの理由があるものなんですね。
現代の私たちだからこそ、言い伝えの本当の意味を理解できることもあるのではないでしょうか。
昔から伝わる知識を役立てながら、安全にお盆を過ごして下さいね。
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それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。