服を買おうとしている時などに、「これって、どういう服だっけ?」と分からなくなった経験はありませんか?
ジャケット・コート・ブルゾン・ジャンパー・ブレザーなど、似た形に見える服は多いですよね。
これらの違いは、よほどファッションに詳しくないと、すぐに言えないと思います。
実際の店舗に入った場合、手に取って違いを見れるかもしれませんが、最近ではネットショッピングをする機会も多いです。
服を検索するときのワードや、カテゴリーを選ぶときに、これらの違いが分かっていると楽に探せることがありますよ。
本記事では、ジャケット・コート・ブルゾン・ジャンパー・ブレザーの違いを解説したいと思います。
目次
違いを知る前に、覚えておきたいこと
それぞれの意味を知る前に、知っておきたい前提があります。
これを知っておくことで、後でモヤモヤすることを防げると思います。
それは、それぞれの違いはあるが、現実には境目があいまいになっている部分もある!という事です。
服はどんどんと新しいものが生み出されています。
それはデザインだけでなく、生地や装飾品の素材にいたるまで、常に新しいものが現れており、分類ができない場合もあります。
また、服や店によっては今回取り上げる言葉を区別していなかったり、独自の判断で区別している場合もあったりします。
だから、現実には違いがあいまいになっている場合もあると、覚えておいてください。
ジャケット
まずは、ジャケットからまいりましょう。
というのも、今回取り上げる言葉の中で、「ジャケット」が最も広い範囲を表す言葉だからです。
「ジャケット」とは、袖のついた上着の総称です。
袖がついていて、別の衣服の上に着る上着であれば、全て「ジャケット」と言えるのです。
「総称」という言葉の通り、大まかなくくりでしかないので、「ジャケット」の中には、色々な種類の服が含まれます。
また、「袖のある上着」に加えて、もう少し細かい条件をつけるなら。
腰(ヒップ)よりも上までの丈であることが多い、と言えます。
この条件も含めて考えると、どんなものが「ジャケット」と呼べるのか、よりイメージがしやすくなると思いますね。
コート
続いて、コートに参りましょう。
「コート」は、ジャケットと並んで意味の広い言葉です。
どのような意味かと言いますと、
一番外側に着る衣類の総称、となります。
となると、意味の定義で言えば、「ジャケット」を一番外側に着た場合、それは「コート」でもある、とも言えますね。
実際、「コート」を辞書で調べると、単に「衣類の上に着る上着」という意味も併記されている場合が多いです。
ただ、これらは言葉の意味上の理屈をこねているだけですね。
現実的に日本で「コート」が指すものは、秋や冬や春などに衣類の一番外側に着る専用の上着を指している事がほとんどでしょう。
さらに言えば、腰(ヒップ)よりも丈が長いものが多い、と言えます。
(もちろん、ショートコートなど当てはまらないケースがあります)
ジャケットとコートの違い
ジャケットは、袖のある上着の総称。
コートは、一番外側に着る衣類の総称。
コートの解説でも述べた通り、この二つは意味の上で重なる部分がありますから、意味から考えてしまうと違いがあいまいに思えてきます。
ただ、実際にはしっかり使い分けられており、皆さんも普段の生活で無意識に判断できていたりします。
その違いは、言葉でくどくど説明するより、場面を想像した方が分かりやすいでしょう。
例えば、「ジャケット」の上に「コート」は普通に着ますよね。
しかし、「コート」の上に「ジャケット」を着ることはありません。
また、レストランや喫茶店などのお店に入った時、「コート」は脱ぎますが、「ジャケット」までは脱ぎませんよね。
このように場面をイメージすると、二つの違いが分かってきます。
手元にあるものが、ジャケットなのかコートなのか悩んだ場合、上の場面をイメージすると判断できるでしょう。
ブルゾン
では続いて、「ブルゾン」にまいりましょう。
「ブルゾン」については、まず「ジャケットの一種」である、という点に気をつけましょう。
ジャケットは、「袖のついた上着の総称」でしたね。
ブルゾンは袖のある上着なので、ジャケットと呼ばれる服の一種だということになります。
では、どのようなものが「ブルゾン」と呼ばれるのでしょうか。
ブルゾンは、ファッション性が高く、裾にたるみがありベルトで絞れる事が多いジャケットになります。
ブルゾンは、フランス語で「裾を絞ったブラウス」という意味があり、それがデザインの由来となっているんですね。
しかし、今ではデザインのバリエーションも増えてきています。
よって、ジャケットの中でもファッション性に重きを置いた少し高級な上着、という位置づけになってきています。
ジャンパー
では、ジャンパーはどのような意味になるのでしょうか。
ジャンパーも「袖のついた上着」なので、当然ながら「ジャケットの一種」です。
では、どのようなものを「ジャンパー」と呼ぶのかというと、
ゆったりとしていて機能性に重きを置いたジャケットの事、となります。
主に防寒や防水、または作業用や遊び用として用いられる事が多いですね。
ブルゾンとジャンパーの違い
ブルゾンもジャンパーも、「ジャケット」の一種ですが、違いがわかりにくいです。
それもそのはず、この二つには明確な形や素材の違いといったものがなく、区別があいまいな部分があるのです。
そもそも、「ブルゾン(フランス語)」「ジャンパー(英語)」と、由来の言語が違うように、この名前で二つを区別しているのは日本独特の区分です。
外国では、それぞれの国で捉え方が異なっているんですね。
例えば、フランス語では「ブルゾン」はジャンパーの意味になったり。
アメリカでは、「ジャンパー」はジャンパースカートという、袖のない婦人用ワンピースの意味だったり。
国によって、言葉の意味と分類が異なります。
日本では、ブルゾンは高級な上着、ジャンパーは普段着用の上着、といった程度のイメージの違いでしかなく、それも日本独自の分け方だと考えると、あまりこだわる必要はないのかもしれませんね。
ブレザー
最後に、ブレザーについてご紹介しましょう。
「ブレザー」と言えば、一番に思い出すのは学校の制服ではないでしょうか。
他には、スポーツの審判の上着だったり、オリンピック選手が公式インタビューをする時の上着なども、ブレザーである事が多いですよね。
ブレザーも当然、袖のある上着なので「ジャケット」の一種です。
ジャケットは、とても広い意味を持つ総称なので、ジャケットの中にもいくつも種類があります。
その一つに、「テーラードジャケット」というグループがあります。
「テーラードジャケット」とは、「紳士服仕立て」という意味で、フォーマルできっちりした印象のジャケットです。
具体的に言えば、全面はV字型でボタンが下の方に2つほどある形。
わかりやすく言えば、スーツの上着の形、あれがテーラードジャケットの形です。
ブレザーは、このテーラードジャケットの一種です。
つまり、形はスーツの上着と同じような形状になります。
しかし、あえて「ブレザー」と呼ぶには、形以外に特徴がなければなりません。
それは、以下のような特徴です。
主にフランネル素材を用いて作られている
ボタンに金属製のメタルボタンが使われている
エンブレムがついている
通常のテーラードジャケットよりもスポーティーな雰囲気である
生地の色は紺色が多い(学生服の場合、ほかの色も多い)
上記の特徴のうち、いくつかを備えたテーラードジャケットが、「ブレザー」と呼ばれるものです。
ボタンが金属製になっているのが特徴だなんて、全然気がついていませんでした。
確かに、よく見る学生のブレザーには、学校のエンブレムがついていますよね。
あのエンブレムも、その服を「ブレザー」と呼ぶための重要な要素の一つだったんですね。
全体の違いをまとめると…
最後に、全体の特徴をまとめて置きましょう。
ジャケット=袖のある上着の総称。
コート=秋、冬、春に、一番外側に着る衣類の総称。
以下は全て「ジャケット」の中の一種です。
ブルゾン=ファッション性に重きを置いた高級な上着
ジャンパー=機能性に重きを置いた気軽に使う上着
ブレザー=スーツの形状をしたジャケットの中で、いくつかの決まった特徴を備えた上着
まとめ
今回は、ジャケット・コート・ブルゾン・ジャンパー・ブレザーの違いを、ご紹介しました。
実際にお店に行くと、ブルゾンとジャンパーを区別していなかったりしますので、わからなければ店員さんに聞くのが一番ですね。
コートとジャケットの襟の種類の違いはこちら
それぞれ一枚は持っておきたいコートの種類の紹介はこちら
コートを着る期間の記事はこちら
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。