ふたを開けた時の「ぷしゅっ」が爽快なペットボトルの炭酸ドリンク。
でも、一度ふたを開けてしまうと、時間がたつほど炭酸が抜けていってしまいますよね。
せっかくの炭酸ドリンク、できるだけ炭酸の抜けを防いで爽快な飲み心地を楽しみたいものです。
今回は、ペットボトルの炭酸が抜けてしまう原因と、その対策について解説いたします。
目次
ペットボトルの炭酸が抜けてしまう理由は?
炭酸ってそもそも何?
炭酸(H2CO3)とは、二酸化炭素が水に溶けて生じた、弱い酸のことです。
「炭酸」は「炭酸水」の略で、水溶液としてのみ存在する、「炭酸ガスを含む水」のことです。
ソーダ・ソーダ水とも呼ばれ、この炭酸ガスを使用して気泡を生じさせた飲み物を、「炭酸飲料」と呼びます。
炭酸水は自然界でも、湧き水や温泉として生まれ、飲めるものはミネラルウォーターとして売られていますが、現代では水と炭酸ガスから人工的に大量生産されています。
炭酸が抜けてしまう理由は?
炭酸(炭酸水)とは、炭酸ガスが水に溶けたものですが、炭酸ガスと水から一度炭酸が生じても、実際は、すぐに炭酸ガスと水に分解してしまいます。
そして圧力を加えて密閉していない限り、分解した炭酸ガスがすぐに大気中に抜けてしまうのです。
炭酸飲料メーカーは、炭酸飲料を作る時、水を2~4度に冷やし、圧力を加えて炭酸ガスを溶け込ませています。
サイダーでは、内容量の4倍ほどの炭酸ガスを溶かしているとのこと。
ペットボトルとして出荷される炭酸飲料は密閉されており、炭酸水から抜け出た炭酸ガスがペットボトル内の圧力を高めているため、一定以上の炭酸ガスは抜け出しません。
ところが、いったんペットボトルのふたを開けると、圧力が外に出てしまい、炭酸水から溶け出た炭酸ガスも、泡となってどんどん大気中に抜け出てしまうのです。
飲み始めて飲料が少なくなると、ペットボトル内の空間はその分大きくなるため、飲料の中からますます炭酸ガスが抜け出てしまうんですね。
また、ペットボトルに衝撃を加えたり、温度が上がったりすると、炭酸ガスがいっそう勢いよく外に出るため、その泡が飲料水を巻き込んで、ペットボトルから飲料が噴出することになります。
炭酸ガスが水に溶けて炭酸(炭酸水)ができても、すぐに分離して炭酸ガスが空気中に抜けてしまう。
ペットボトルのふたを一度開けると、どんどんしゅわしゅわがなくなってしまうのは、このような理由からだったんですね。
未開封でも抜けるの?
開封前のペットボトルの炭酸飲料は、内部に炭酸ガスによる圧がかかっているため、一定以上の炭酸ガスは抜けない、ということでしたね。
では、未開封であれば、炭酸はずっと抜けないままなのでしょうか?
アサヒ飲料の広報担当の方が以下のように答えています。
「基本的に、商品として販売されている炭酸飲料は、賞味期限までしっかりと炭酸が保たれるよう設計されています。ただし、炭酸の保持については容器特性によって若干の違いがあります。ペットボトルは容器の特性としてガスの透過性があり、製造から期間経過につれガスは弱まっていく傾向にあります。缶の容器の場合は、通常炭酸が弱まることは考えにくいのですが、外的要因で弱まることもあります」(アサヒ飲料広報担当)
製造時に容器が密閉されるからといって、永遠に炭酸が抜けないわけではないのですね。
ここでいう外的要因とは、
- 強い衝撃
- 振動
のことで、こうしたことをさけつつ、低温で保管(冷凍はNG)することが未開封のペットボトルの炭酸を長持ちさせる秘訣だそう。
ペットボトルの炭酸を抜けにくくする方法については、この後、よりくわしく解説していきたいと思います。
瓶・缶・ペットボトルの違いは?
例えば同じコカ・コーラでも、瓶、缶、ペットボトルだと、飲んだ時の口当たりがちょっと違うような気がしますよね。
でも中身は、まったく同じものなのだそうです。
口当たりが違うように感じる理由は、容器にありました。
- 缶:飲み口に段があり、そこで炭酸がはじけるため、口に泡があたり、しゅわしゅわ感が強く感じる
- 瓶:飲み口に厚みがあるため、味がまろやかに甘く感じる
- ペットボトル:飲み口が瓶に比べて薄いので、味がさっぱり、ややとがって感じる
というわけなのです。
ただ、瓶と缶は、一度開けてしまうとふたをすることができません。
炭酸を逃がさないことを考えたら、ペットボトルが一番ということになりますね。
ペットボトルの炭酸を抜けなくする方法は?
密閉されていたペットボトルのふたが開くことで空気が中に入り、そこに炭酸が抜け出てしまう、ということでした。
飲めば飲むほどペットボトル内の空気の部分が大きくなるため、ますます炭酸が抜けやすくなるのでしたね。
ということは、炭酸を抜けないようにするためには、できるだけペットボトル内に空気が入らないようにするのが効果的、ということです。
それには、どのような方法があるのでしょうか。
これから、くわしくご紹介していきたいと思います。
ふたを強く締める
一度ふたを開けてペットボトルの中に外の空気が入ると、そこに飲料から炭酸がどんどん抜け出てしまいます。
けれどもまたふたを閉めておけば、飲料から抜け出た炭酸ガスでペットボトル内の圧が高まり、再び密閉状態に近くなっていきます。
飲んだらできるだけ早くふたをしめ、外の空気が入る隙間がないよう、きゅっとしっかり閉めておく。
これも、炭酸の抜けを少なくする効果的な方法です。
ペットボトルを縦に立てておく
炭酸は、飲料が空気に触れている部分から抜け出ていきます。
ペットボトルを横に寝かせていると、縦にしているのと比べて、中の飲料が空気に触れる面積は広くなりますよね。
つまりその分、抜ける炭酸も多くなってしまうというわけです。
炭酸が抜ける量を減らすには、ペットボトルは横向きではなく縦に立てた状態で保存しましょう。
ペットボトルを逆さにする
どんなにふたを強くしめていても、一度開けてしまったペットボトルに、まったく空気が入らないようにすることは不可能です。
ふたの部分のミクロの隙間から、どうしても空気が入ってきてしまうんですね。
そこで対策方法となるのが、ペットボトルを逆さにしておく、というものです。
こうすることでふたの部分が液体で満たされることになるため、外の空気が入りにくくなり、ペットボトル内の空気は底部分の空間にたまるため、抜け出た炭酸による加圧の効果も高まるのです。
ただ、ペットボトルを逆さにしておくと、安定はあまりよくないので、ささえを使用するなど工夫しましょう。
冷蔵保存する
炭酸は、温度が高いほど抜けやすい傾向があります。
炭酸飲料の保管は、できるだけ冷蔵庫を使いましょう。
家で飲むのであれば、飲む分だけコップに注ぎ、残りは冷蔵庫で保存すると、炭酸を長持ちさせることができますよ。
冷凍は??
炭酸は、二酸化炭素(炭酸ガス)が水に溶けたものでしたね。
実は二酸化炭素は、水に比べてなかなか凍らないという性質があります。
凍らない二酸化炭素は水から分離して出てきてしまう。
つまり、冷凍庫の中では、炭酸はすべて抜けてしまいます。
また、溶け出た炭酸がどんどんペットボトルの中にたまっていき、爆発してしまう危険があります。
炭酸飲料のペットボトルを冷凍するのはやめましょう!
小さいペットボトルに小分けする
炭酸飲料が入っていた小さめのペットボトルに中身を小分けして移して保存する、という方法も効果的です。
特に1.5Lなど大きいペットボトルの場合、この方法がおすすめですよ。
手順は以下の通りです。
- 300mlなどの、炭酸飲料が入っていたペットボトルをいくつか用意する。
- ペットボトルは、空の状態で冷蔵庫で冷やしておく。
- 新しいペットボトルから飲料を、ぎりぎりいっぱいまで注いですぐにしっかりふたをする。
- 冷蔵庫で保存し、飲むときは一本ずつ飲み切るようにする。
この時、必ず、炭酸飲料が入っていたペットボトルを使うよう気を付けましょう。
炭酸飲料用のペットボトルは、「耐圧ペットボトル」という特殊なペットボトルです。
お茶など他の飲料が入っているペットボトルは、ボトルが炭酸の圧に耐えられません。
必ず、炭酸飲料用のペットボトルを使うようにしましょう。
また、再利用のペットボトルは衛生上の問題もありますので、移し替えた後はできるだけ早めに飲み切るようにしましょうね。
炭酸キーパーを使う
ペットボトルの炭酸が抜けてしまうのを防ぐために、専用の道具を使うという手もあります。
炭酸キーパーといって、ペットボトルの中に空気を押し込んで圧を高め、炭酸ガスを逃げにくくするという仕組みの商品が色々とあるそうです。
世の中、いろんな便利グッズがあるんですね!
ペットボトルのふたの代わりにして使う、キャップ式の炭酸キーパーの、おすすめ商品を次に紹介していきますね。
キャップ式の炭酸キーパーのおすすめは?
AOZORAソーダフレッシュ
こちらは、かわいいボール型のポンプがついた炭酸キーパーです。
- ペットボトルに取り付ける
- ポンプが固くなるまで押して空気を入れる
という簡単な使い方です。
便利なワンタッチ開閉式で、開け閉めも簡単です。
カラーはさわやかなブルー・ピンクの2色があります。
セイラスソーダキャップ
ペットボトルにつけて、キャップを押して加圧するキーパーです。
カラー展開は、イエロー・ブルー・ライム・パープル・ピンク。
Pepsiソーダポンプ
こちらはペプシデザインのキーパー。
レトロなペプシの柄のボールを押して圧を加えます。
ペプシ柄で、炭酸ドリンクの爽快感も倍増しそうですね。
パッケージもおしゃれなので、プレゼントにもおすすめです。
炭酸が抜けてしまった飲み物の活用法
ペットボトルから炭酸を抜けにくくする方法をご紹介しましたが、どうしても、炭酸が抜けてしまった、ということもありますよね。
しゅわしゅわ感がなくなって、甘ったるいだけになってしまったドリンク。
飲んでもおいしくないけれど捨ててしまうのはもったいないし申し訳ない。
そんな、炭酸が抜けてしまった飲み物の活用法も、最後にご紹介したいと思います。
・花にあげる
鉢植えの観葉植物や切り花にあげる水に、炭酸の抜けてしまった飲料を使うという利用法があります。
植物にあげる水は、水道水だけでは栄養が足りません。
糖分を補給してあげると、切り花も長持ちしますよ。
砂糖水を使うこともできますが、どうせ炭酸のぬけてしまった甘い飲料があるならば、捨てずにぜひ植物に使いましょう。
炭酸飲料に含まれる果糖やブドウ糖は、佐藤よりも粒子が小さく、吸収も良いようですよ。
・煮物に使う
お肉は炭酸飲料で煮るとおいしくなります。
甘未が味付けにちょうど良いんですね。
捨ててしまわず、煮物にぜひ使ってみてください。
まとめ
いかがでしたか?
しゅわしゅわ感が命の炭酸飲料、できるだけ長くおいしく楽しむために、今回ご紹介した方法、グッズをぜひお試しいただけたらと思います。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。