節分に鰯(いわし)を食べると良いことを知っていますか?
昨今では節分に食べるものといえば恵方巻きですが、実は節分と鰯は深い関係があるんです。
節分と鰯のことを知っていると、もっと節分を楽しめますよ!
今回の記事では、節つつ分と鰯の関係、鰯を飾ったり、食べたりする理由、鰯のおいしいレシピをご紹介していきます。
目次
節分に柊と鰯を飾る理由は?
節分には「季節を分ける」という意味があります。
昔、春分の日は一年のはじまりでした。
その春分の日の前日の節分は暦上では「大晦日」にあたります。
昔から季節の変わり目は邪気が入りやすいと考えられていました。
実は柊と鰯は邪気除けのために飾っているんですね。
柊鰯とは?
「門守(かどもり)」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
「門守(かどもり)」とは玄関に飾る、魔物や疫病が家の中に入るのを防ぐためのおまじないで、他には神社からもらってきたお守りやお札があります。
柊鰯は「門守(かどもり)」の1つです。
鰯の頭をよく焼いたものに柊の枝を刺し、節分のときに玄関先に飾る風習があるんですね。
柊鰯は「いわしひいらぎ」「節分いわし」「やいかがし」「やっかがし」とも呼ばれることもあります。
柊鰯を飾る由来・理由は?
昔の人は、病気や災害を「鬼」として追い払おうとしました。
鬼は鰯の焼いた匂いと煙を嫌うとされています。
また、柊の葉はトゲトゲしていますね。
この柊のトゲが鬼の目をつくと考えられていました。
柊鰯は鬼が嫌いな柊と鰯の組み合わせです。
鬼を追い払い、新年の無病息災を祈りました。
柊鰯を飾る時期は?
柊鰯を飾る時期については様々な説がありますが、主な説は以下の4つです。
- 飾って次の日の春分の日に外す
- 小正月の明け(1月16日)から節分まで飾る
- 節分から次の節分まで
- 猫が食べるまで飾っておく
様々ありますが、ご自身のお住まいの風習に習うのが一番良いでしょう。
または玄関にいつまでも飾っておくのに抵抗がある場合は、ご自身の感覚にあわせて時期を選んでくださいね。
柊鰯を処分する時期は?
柊鰯を処分する時期は大きくわけて2つあります。
- 翌年の1月に神社のお炊き上げに持って行く
- 外したらすぐ自宅で処分する
翌年の節分近くまで飾る場合は、翌年の1月の神社のお炊き上げに持って行く方法があります。
しかし神社によってはお守りや破魔矢以外は受け付けていない場合がありますので注意が必要ですね。
一番簡単で確実なのは、自宅で、粗塩を振って半紙に包んで捨てる という方法です。
このとき「いままでありがとうございました。ご苦労様でした」という思いを込めれば、清々しく処分できますね。
柊鰯についてのより詳しい情報や飾り方・作り方・飾った実例などはこちらの記事で解説しています。
⇒節分の柊鰯とは?飾る理由や時期、作り方や処分の仕方など徹底解説
節分に鰯を食べる理由は?
節分に鰯を食べる主な理由は
鰯が手に入りやすく健康に良い、身近な食材であったためです。
以下、その他にもいくつかの理由がありますので、詳しく解説していきましょう。
健康に良い
鰯にはカルシウム、鉄分なども豊富で、ビタミンDも含まれ、健康に良いですよね。
丈夫な骨や身体を造ってくれる食材です。
昔の人も鰯が身体に良いことを知っていて、
季節の変わり目の風邪をひきやすい時期には栄養をつけようとしたと考えられています。
手に入りやすい
鰯は今もスーパーで安価に手に入る身近な魚です。
昔も、伊勢神宮の近くの三重県に代表される、沿岸部では非常に手に入りやすい食材でした。
しかし関東でも関西でも、内陸部で柊鰯を飾っていたそうです。
伊勢参りに行った内陸の人達が、その風習を真似ることで広がり伝わっていきました。
高級業ではなく手に入りやすい鰯を使うことは、
庶民が邪気除けをするのにちょうど良い食材だったと考えられますね。
鰯の臭いを鬼が嫌うから
鰯は早く鮮度が落ちやすく、身が崩れやすい魚です。
鰯の名前の魚へんに弱いはここからきているのですが
そのため、早く臭いの出るいわしは体内の陰の気を消すと考えられていました。
臭いがあるものは鬼が嫌うと思われていたんですね。
節分に鰯を飾って食べる地域はどこ?
節分に鰯を食べるのは、主に関西圏を中心とした西日本です。
しかし柊鰯は、本州の各地で飾る風習があります。
柊鰯のために鰯の頭だけを手に入れるよりは
柊鰯を飾る=鰯を食べる
と考えるのが自然じゃないのかなと思います。
つまり本州の各地で食べられていたと考えられます。
北海道や九州では柊鰯を飾る風習がみられません。
鰯以外の魚でもOK?
鰯以外にはボラを食べる方法があります。
平安時代には、ボラと柊の枝を正月の角口に飾ったと土佐日記に記されています。
これが柊鰯の原型であったと考えられます。
鰯の旬は6~11月なので、節分の時期とは違います。
一方でボラの旬は10月~1月ですから、その点でも納得ができますね。
ボラは鰡魚へんに留めると書きます。
「神様を家の中にとどめる」という意味合いでボラを食べると縁起がいいとされていたんですね。
いつから鰯になったのかは不明ですが、長い時間をかけて誤り伝わってボラが鰯になったと考えられます。
そういう意味では本来のボラを食べて飾るのもツウですね!
節分で鰯を食べる時期は?
鬼は夜に来ると言い伝えられていますので、
節分で鰯を食べるのは節分の日の夜がおすすめです。
鰯の身の方は食べて、そのあとで頭を柊鰯に使えますね。
節分の鰯の食べ方・レシピを紹介
ここからは実際に節分の日のメニューにオススメの、鰯の食べ方とレシピをご紹介します!
ぜひ、身体に良い鰯を食べて邪気除けをしてみてください。
一般的な節分の鰯の食べ方は?
一番簡単なのは、鰯をそのまま焼いて食べる、焼きいわしですね。
いわしは小骨が多い魚なので、小さいお子様や、お年寄りがいるご家庭では、いわしの生姜焼き、いわしの蒲焼もオススメです。
焼きいわし
鰯を食べるのにもっとも簡単な方法はこちらです!
【材料】
- 鰯……2匹
- 塩……適量
【作り方】
- 腹に包丁を入れ、エラと内臓を取り外す
- みずで洗って、水気をふきとる
- 両面に塩を振って、しばらく置く
- 200度にあたためたオーブンで25分間焼く
はらわたはそのままでも良いですが、苦味がきになる方は外しましょう。
シンプルに塩焼きでいただくのは良いですよね!
いわしの生姜焼き
骨まで柔らかく食べたい場合はこちらのレシピをご覧ください。
ごはんのお供によく似合いそうな、いわしの生姜焼きです!
【材料】
- 鰯……7匹
- 水……300cc+100cc
- 酢……大さじ1
- お酒……50cc
- 砂糖……大さじ2
- しょうが……適量
【作り方】
- 鍋にならべて水300ccと酢大さじ1を入れ、中火から強火で沸かす
- 沸いたらアクをすくって落とし蓋をする
- 大き目は30分、小さ目は10分で炊いていく
- 一度火から下ろし、鰯だけを鍋に戻す
- 水100cc、酒50cc、砂糖大さじ2、千切りにしたしょうがを入れる
- 中火から弱火で沸かし、沸いたら弱火にして落とし蓋をして5分炊く
- 落とし蓋をはずして濃口醤油大さじ2、みりん大さじ1を加える
- たまに上下に揺らしながら全体になじませる
- お皿に盛り、薄切りしょうがを乗せる
とろっとするまで煮詰めると甘露煮のようになるそうです。
とっても美味しそうですよね!
いわしの蒲焼
【材料】
・鰯、中羽サイズ……6匹
【調味料A】
- しょう油……小さじ2
- しょうが汁……小さじ1
【調味料B】
- 砂糖……大さじ1
- 酒……大さじ2
- みりん……大さじ2
- 醤油……大さじ1
- 味噌……大さじ1/3
【作り方】
- 調味料Aをあわせてバッドに入れ、鰯の身を下にしてつけていく
- たまにひっくり返しながら10分つける
- 片栗粉をつける(焼く直前に)
- 余分な片栗粉を払ってフライパンで皮目から焼く
- 両面しっかり焼く
- 調味料Bをフライパンに入れる
- 煮汁が煮詰まったら絡めていく
鰯以外で節分に食べるものは?
鰯以外にも節分の食卓を彩る料理があります。
主に 恵方巻き、節分そば、福茶などがあります。ここからは代表的な5つを紹介していきます。
恵方巻き
最近ではコンビニでもスーパーの惣菜売り場でも恵方巻きが売られていて、全国的に「節分=恵方巻きを食べる」という文化が広まっていますね。
恵方巻きは太巻き寿司です。もともとは関西方面で主に食べられていました。
その年の良い方角を恵方といいます。
恵方を向きながら一言も話さずに太巻き寿司を一本まるごと食べるというものです。
七福神にあやかり、恵方巻きの具は7つです。
福を巻き込むということで海苔巻きは縁起が良いとされています。
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単身住まいでも恵方巻きは準備しやすいですよね。
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切っても美味しくいただけますね!
節分そば
前述しましたが、昔の暦では春分の日が一年のはじまりでした。
その前日の節分は大晦日にあたりますね!
つまり節分そばは今でいう年越しそばです。
江戸時代では、節分の時のそばが「年越し蕎麦」で、大晦日のそばは「晦日(みそか)そば」と呼ばれていたそうです。現代では節分そばという方が馴染みやすいですよね。
お蕎麦を食べる理由は諸説ありますが、主なものは3つです。
- 細く長いそばにあやかって、人生を細く長く生きる長寿の意味合い
- そばは細くてすぐに噛み切れるので、旧年の苦労や災害を切り落とそうという厄落とし
- 少々の悪天候でも、日が差せばすぐ起き直るそばにあやかって、逞しく生きるため
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コンビニでも売っている地域があるようです。
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お蕎麦はヘルシーですしあったまるので良いですよね。
福茶(ふくちゃ)
豆まきの炒った大豆は歳の数だけ食べますが、
数がたくさんになって食べるのが大変な場合は福茶(ふくちゃ)と呼ばれるお茶を飲みます。
福茶は簡単に淹れることができます。
【材料】(一杯分)
- 大豆……3粒(3は吉数)
- 昆布……適量(塩昆布でも可)
- 梅干し……2粒
【淹れ方】
- 材料をすべて湯のみに入れてお湯を注ぐ
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炒ったお豆をたくさん食べるのは大変ですが、お茶なら何粒分でもいけそうですね!
けんちん汁
主に関東では節分にけんちん汁を食べる習慣があります。
けんちん汁は大根、人参、ごぼう、里芋、こんにゃく、お豆腐をごま油で炒めて出汁を入れ、煮込む料理です。
一度に野菜がたくさん摂れるのも嬉しいですね。
身体をあたためる料理なので寒い冬にはよく似合います。
ちなみに けんちん汁と豚汁 は、似ていますが違う料理だということをご存知でしょうか。
一番の違いは豚肉が入っているかどうかというところです。
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こんにゃく料理
昔の人はこんにゃくを「胃のほうき」と呼んだそうです。食物繊維が豊富なこんにゃくで、体内の毒消しの効果を期待したようです。
大晦日や節分などには、こんにゃく料理を食べて胃の中を掃除して身体をきれいにしようという意味合いがあります。
もちろんシンプルにこんにゃくを煮付けても良いですが、
昨今では節分汁(せつぶんじる)としてけんちん汁にこんにゃくを入れていただく方も多いようです。
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身体が温まるメニューですよね!
まとめ
さて、ここまで節分とイワシの関係、鰯を飾ったり、食べたりする理由、鰯のおいしいレシピ
をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
恵方巻きとあわせて、ぜひ鰯や、その他のメニューも食べてみてください!
この記事を読んだ皆様の、今年一年の健康をお祈りしております。
最後までお読みいただきありがとうございました。