卒業式を欠席したい理由は?欠席したらどうなるか小中高大別に解説

春は卒業の季節。

小中高大それぞれで「卒業式」が行われ、新たな門出への区切りとされます。

しかし、多くの生徒が当然のように参加する卒業式にも、参加したくない人達がいます。

そんな人達にとって、たった1日の数時間のイベントであっても、卒業式に参加することは苦痛ですね。

その場合、卒業式を欠席しても良いのでしょうか。

本記事では、卒業式を欠席しても良いのか、欠席した場合のその後の対応などについて、ご紹介したいと思います。

目次

卒業式を欠席したい理由

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卒業式を欠席したい理由は、人それぞれですが、以下のようなケースが考えられます。

●もともとが不登校であり、普段から学校に行っていないので、卒業式も行きたくない。

●卒業式のような全生徒が参加する行事が苦手

●体調による理由

 

この中でも、欠席理由としてよく上がるのが「不登校の場合」となると思います。

確かに普段から学校に行っていないのに、卒業式だからと言って、この日だけ突然学校に行けるかと言われても、なかなか難しいでしょう。

しかし、学校や親を含め「大人」は、むしろ逆の声かけをしてしまいがちです。

つまり、「せっかくの卒業式だから、卒業式だけは行きなさい」という内容です。

よく考えると、とても乱暴な言い方ですよね。

原因があって学校に行かないのに、それの解決もないまま、「卒業式だから」という理由で学校に行かせようとしてしまっています。

もちろん、「卒業式だけは参加したい」という人も中にはいるでしょう。

しかし、卒業式に行きたくない理由は人それぞれであり、「卒業式だから」という理由で許せる人ばかりではありません。

卒業式に行きたくない子に対しては、まず、その理由をしっかりと聞いてあげる必要があります。

 

卒業式は欠席可能か?

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卒業式に行きたくない理由がわかっても、そもそも「卒業式に行かない」という事は可能なのでしょうか。

卒業式は、卒業を控えた生徒へ卒業証書を渡すイベントです。

卒業の証明書を受け取る訳ですから、これに参加しないと卒業と認められないのでは?と不安に思ってしまいがちです。

しかし、実際のところ、卒業式は欠席することが可能です。

「卒業式」は、あくまで卒業をする生徒へのセレモニーイベントでしかありません。

卒業式というイベントへの参加自体に、卒業を認めるかどうかの判断基準はないのです。

よって、卒業式を欠席する事は事実上可能なんですね。

卒業式は学校行事の一つとされていることがほとんどなので、欠席すれば、単純に学校の欠席日数が1日増えるだけとなります。

 

デメリットはない?

既にご紹介した通り、卒業式を休んでも「卒業できなくなる」という事はありません。

学校を「卒業できるか」というのは、「卒業式に参加したかどうか」では決まりません。

他で定められている別の条件で決まります。

例えば、小学校や中学校であれば、卒業の判断の基準は校長先生が判断します。

つまり、校長先生が「卒業してもいい」と判断する事が卒業の条件であり、これを満たせば卒業可能です。

卒業条件に欠席日数が含まれていませんので、ずっと学校を休み続けていたとしても、校長先生が認めれば卒業することができるんですね。

ですから当然、卒業式を休んだとしても、卒業の条件は満たせるのです。

高校や大学の場合、卒業の条件は基本的に「在籍期間」や「単位の取得」というものになってきます。

これらも、卒業式を欠席するかどうかとは無関係ですよね。

よって、卒業式を欠席しても、卒業する事は可能なのです。

また、その他に心配な部分として、成績や進路への影響がありますが、こちらも基本的には何もありません。

そもそも、小中高の卒業式であれば、卒業式をする頃には成績は確定していることが多いです。

大学であれば、卒業式の時期には就職活動の最盛期はとっくに過ぎ去り、多くの方の就職活動も終わっているはず。

そういった意味でも、卒業式を欠席した場合の成績や進路への影響はないと考えて良いでしょう。

卒業式を欠席した場合どうなるか

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では、実際に卒業式を欠席した場合、その後の展開はどのようになっていくのでしょうか。

もしも、卒業式を欠席することを考えていたり、参加をまだ悩んでいる人は、欠席した場合のその後についても気になりますよね。

ここからは、卒業式を欠席した場合に、具体的にどうなるのかをご紹介いたします。

欠席扱いになり、式の中でも欠席者として扱われる

こちらも先に述べた通りですが、卒業式を休むと、単純に「欠席扱い」となります。

普段の学校を休んだ時と同じく、ただの欠席という事になるんですね。

しかし、普段の学校と違うのは「卒業式は、卒業証書を受け取るためのイベント」という点です。

卒業証書の渡し方は、代表生徒に渡す場合と、一人一人に渡す場合があります。

代表に渡す場合、欠席者の影響は何もありませんが、一人一人に渡す場合だと欠席者の名前を飛ばしてはくれません。

式の中では、卒業生の名前が一定のペースで読み上げられて行きます。

一定のペースというのは、呼ばれた生徒が立ち上がって壇上に歩いて行き、証書を受け取る一連の流れの時間を考慮しているからなんですね。

しかし、欠席者がいた場合、その名前を呼んだ後、すぐに次の生徒の名前が読み上げられます。

欠席者は壇上に上がらないので、その分の時間を取らなくても良いという訳ですね。

当たり前ですが、そこで「本日は欠席」だとか、「欠席理由は〜」と発表されることもないので、式自体は淡々とそのまま流れていく感じです。

言ってしまえば、式の中でその程度の変化しかない、ということ。

またこの扱いは欠席者全員が同じとなるので、当日に突然の病気で休んだ生徒も不登校の生徒も同じとなります。

 

卒業証書を別の方法で受け取る

卒業式に参加しなかった場合、「卒業証書」を受け取れません。

しかし卒業する以上は、この証明書を受け取る必要があります。

よって、卒業式後に、改めて別の方法で、卒業証書の受け取りを行う必要があります。

その方法は、学校により対応が異なりますが、以下のようなものがあります。

●自分で卒業証書を受け取る

①別の機会に学校に行き、校長室などで卒業証書を受け取る

②学校の先生に家庭訪問をしてもらい、自分の家で卒業証書を受け取る

 

こちらは、自分で卒業証書を受け取る場合です。

卒業式を欠席した理由が、学校の先生にない場合であれば、この機会に先生と会うことができて話しもできます。

先生方から声をかけてもらったり、先生に感謝の言葉などを伝えることもできますね。

ちなみに①の場合、他の欠席者も合同となる可能性もあります。

先生方も、校長先生をはじめ他の先生も参加し、ミニ卒業式のような雰囲気になることもあるそうですね。

他の生徒と一緒になりたくない場合は、その辺りの状況を事前に確認しておいた方が良いでしょう。

学校によっては、他の欠席者とは別日を設定するなどの対応をしてくれるかもしれません。

また、別の機会がいつなのかも、学校によって異なります。

早い場合だと、卒業式当日の午後に行うケースもありますので、こちらも事前にちゃんと確認をしておきましょう。

●自分以外の人が受け取る

①保護者などが学校に出向き、本人の代理として受け取る

②学校の先生に家庭訪問をしてもらい、保護者など本人の代理が受けとる

③郵送してもらう

 

こちらは、卒業生の本人が、学校の人と一切コンタクトを取らずに受け取る方法です。

卒業式の欠席理由が、学校側に原因があるものであったり、学校との信頼関係がない場合、これらの方法になってくるでしょう。

場合によっては、本人には何も知られないまま、保護者などが代理で話をつけて、こっそり受け取ってしまうこともできますね。

欠席すると気持ち面で後悔する?

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さて、ここまで「卒業式を欠席するとどうなるか」ということをご紹介してきました。

ざっくりとまとめてしまえば、「卒業式を欠席しても、大した影響はない」という事になるかと思います。

卒業証書の受け取りなど、少しの手間が増えるくらいですね。

しかし、だからと言って、「じゃあ、卒業式は休んでしまおう」と簡単に結論が出せる訳ではありませんよね。

卒業式を休むかどうか。

それを悩む理由は「休んでも許されるのか」とか「手続き面の面倒さ」などではなく、本人の心の中にある大きな葛藤に他なりません。

例えば、卒業式に行きたくない気持ちがる一方で、「卒業式を欠席すると、後々、後悔するんじゃないか。行っておけばよかった、と思う日がくるんじゃないか」と悩んだりします。

しかし、この疑問に答えが出ることはありません。

「後悔するかどうか」というのは、将来になってみなければ分かりません。

さらに言うなら、これから先どのような経験をして、どのような人生を歩んだかによって、「あの時、卒業式に行かなかったことを後悔するかどうか」は、変わってくるでしょう。

また、全く逆の気持ち「あの時、卒業式に行かなくてよかった」と思う可能性だって、十分にある訳です。

実際に、不登校の生徒で「卒業式に行った」人と、「卒業式に行かなかった」人のアンケートを見ると、どちらの中にも「よかった」という人と「後悔した」というがいます。

自分がどちらになるのかは、現時点では全くわからないので、今の気持ちに従い、自分で判断をするしかありません。

 

決めるのは本人の気持ち次第

多くの人が当たり前のように参加する卒業式。

しかし、その卒業式に行くのか行かないのか、それを決めるに大きなエネルギーをかけて決断する人がいます。

最終的に参加するか欠席するかを決めるのは、本人であり、本人の気持ちが最も尊重されるべきです。

周囲の人が「卒業式には絶対に参加しなさい」という強制をするのはよくありません。

特に大人からすると「せっかくの卒業式なのだから……」「卒業式くらいは出てほしい」「わずか数時間のことだから」という気持ちになりがちです。

しかし、当事者の本人たちにとって、その気持ちが全くないのであれば、一方的な押し付けになってしまいます。

無理やり卒業式に行かせたことが、この先の人生に悪影響を与えてしまっては元も子もありません。

卒業式に欠席するかどうか、決めるのは本人の気持ちに任せる姿勢を、周りの人は持つ必要があります。

小中高大の卒業式の違い

さて、一口に卒業式といっても、学校により事情が異なります。

例えば、小学校、中学校、高校の卒業式は、ほとんどの生徒が参加し、その保護者もたくさん参加します。

しかし、大学の卒業式はというと、欠席者が多くなり、保護者の参加もぐっと減ります。

これは、大学の卒業式が、就職直前の時期なので、会社の研修などの日程が重なるからなんですね。

また、地元から遠く離れた大学への進学をすることも珍しくないので、その場合、卒業式への保護者の参加が大変に。

また、特に小学校、中学校では、卒業式に向けて事前に何度も予行練習をすることがあります。

卒業式に参加すると決めた場合、当日に行けばいいだけではなく、こうした事前練習にも参加を求められたりします。

場合によっては、こういった部分も含めて、参加不参加の判断をする必要がありますね。

まとめ

今回は、卒業式を欠席したい理由や、欠席したらどうなるかをご紹介しました。

卒業式が思い出深い人もいれば、全く覚えていない人もいますので、どこまで重要視するかは結局本人次第という部分がありますよね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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