新年の一番初めの行事であるお正月。
家族や友人と新しい年の始まりを祝ったり、初もうでにいってその年の安全祈願を願ったりなどやることはたくさんあります。
そんな誰もが当たり前のように過ごすお正月ですが、実際いつからいつまでお正月かご存知でしょうか?
また新年の挨拶や松の内の期間、正月飾りや年賀状はいつからいつまでなのかも意外と知られていないことが多いです。
そこで今回はそんなお正月の決まりをご紹介していきたいと思います。
しっかりと再確認して、聞かれてもすぐに答えられるようにしてみてくださいね。
目次
正月とは?いつから始まったの?
まずは大前提として、お正月はいつから始まったのかについてご紹介します。
これを知っているだけでもお正月行事の意味がある程度理解できることでしょう。
元々は豊作祈願とご先祖様の供養をするためのもの
お正月は遥か昔からその習慣があったとされるものであり、その起源は現在でもはっきりとは判明していません。
日本で伝えられているのは仏教が伝来した6世紀頃から見られるようになったと言われています。
その目的は本来歳神様にその年の五穀豊穣を祈願するため、もう1つはご先祖様の供養のためとされているのです。
ですがご先祖様の供養の面に関しては、時が経つにつれお盆で行われるようになるため、実際は歳神様を迎える行事といえるでしょう。
門松や鏡餅、年始の挨拶も歳神様のため
後で詳しくご紹介しますが、玄関に門松を置く・鏡餅を飾るといったものも歳神様を迎えるためなのです。
また、『明けましておめでとうございます。』と年始の挨拶をすると思いますが、これも歳神様への挨拶が元の理由となっています。
めでたいという言葉も『芽出度い』といって春に芽が出ることを指しており、その全てに意味が込められているのです。
正月はいつからいつまで?
それでは次にお正月がいつからいつまでなのかをご紹介します。
人によって期間が違うということもあるので、しっかりと確認しておきましょう。
月・期間を表す場合
お正月は単純に月を表す意味があります。
正月は旧暦の呼び方で現在の1月を指しているため、1月1日~1月31日までをさして[「お正月」という言葉を使うこともあります。
行事を表す場合
お正月の期間は、行事をあらわす場合もあります。
- 三が日:1月1日~1月3日まで
- 大正月:1月1日~1月7日まで
- 小正月:1月1日~1月15日まで
- 旧暦を指す場合:1月1日~1月31日まで
まずは三が日、つまり1月1日~1月3日までをお正月と定め、それから仕事始めなどに繋がっていきます。
次に大正月、1月1日~1月7日までを指しこちらは歳神様とおせち料理などでその年の五穀豊穣を願うことを意味しています。
そして小正月、1月1日~1月15日までを指し、門松を置く『松の内』もこの期間とされる旧暦からのお正月を意味します。
この他にも鏡開きを行う1月11日までとする場合もあり、お正月の期間も様々。
こうしてみると様々な基準があるようですが、何が正しいかは決まっておらずその地域の自主性に任せているようですね。
自分が住んでいる地域はどのようにお正月の期間を決めているのかを調べておくことをおすすめします。
正月と混合しやすい言葉
それでは次にお正月と混同しやすい言葉をご紹介します。
すでに出てきたものもありますが、改めて確認する意味でも参考にしてみてください。
正月時始め
まずは正月時始めという言葉です。
正月事始めとも言われる言葉ですが、これは12月13日からお正月の準備を始めることを指しています。
たまにお正月が始まるという意味で取られることもありますが、別の意味なので覚えておくとよいでしょう。
元旦
次にこれも意味が混合しやすい言葉で有名な元旦です。
元日とよく間違われるのですが、元旦は1月1日の日の出から午前中を指すものです。
元旦の『旦』は日の出を表すとも言われているので、これを覚えておけば間違わなくて済むでしょう。
元日、元朝(がんちょう)
元旦と一緒に覚えておいた方がよい言葉として、元日・元朝という言葉があります。
元旦は日の出から午前中を指していますが、元日・元朝は1月1日全てを指しています。
実際カレンダーでも元日が採用されているため、意味は通っているでしょう。
元旦との区別がしっかりつくように覚えておくことをおすすめします。
大正月
これは先程も出てきましたが、1月1日~1月7日までのことを指しています。
歳神様を迎えておせち料理をともに食べたりする期間としての意味合いがあります。
小正月
1月1日~1月15日までのことを指しており、旧歴時代から使われています。
大正月と間違われることも多いので、差別化をしっかりとしておきましょう。
松の内
玄関のそばに置いている門松をよく見かけますよね?
これは歳神様を迎えるためのものなのですが、松の内は門松を置いておく期間を表しています。
地域によって期間は違いはありますが、主に、
- 1月7日
- 1月10日
- 1月15日
が松の内とされています。
20日正月
20日正月という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これも間違えられることがあるのですが、1月20日にお正月が終了するという意味があります。
お正月に家へ招いた歳神様が帰る日を指しており、この日に残ったおせちなどを全て食べなければならないという地域もあります。
あまりないですが、20日がお正月という意味ではないので知っておいてください。
旧正月
よくニュースなどで旧正月という言葉を聞くことはないでしょうか?
何気なく聞いているかもしれませんが、この旧正月は日本では現在ほとんど使われていません。
現在主流で使われている暦は太陽を基準とした『太陽暦』です。
ですが旧正月は月を基準とした『太陰暦』で決まっているのです。
太陽暦の1年は365日と4年に一度のうるう年で成り立っていますが、太陰暦の1年は354日であり太陽暦より11日少なくなる計算ですね。
これにより太陽暦のお正月と太陰暦の旧正月は時期がズレており、旧正月を祝う国などとはお正月の時期も違います。
ちなみに太陰暦にも3年に一度うるう月という年があり、1年が13か月になることもあるのです。
日本では旧正月を祝うところはほとんどないため、お正月と混同しないようにしましょう。
お正月と正月
お正月という言葉、なぜ『お』がつくか知っていますか?
別に正月と呼んでもいいのですが、日本ではよく『お』をつけて呼ばれています。
これは美化言葉とも呼ばれるものなのですが、お正月・お年玉・お雑煮等々、最初に『お』をつけることが日本では多いです。
これは敬語の一種ともいわれており、相手に対して敬意を払うような場面で使われてきたものがそのまま定着したと考えられています。
どちらで表現しても問題はないのですが、『お』をつけた方が丁寧に聞こえることはよくありますよね?
なんでもかんでもつけるのはよくないですが、丁寧な対応を心がけたいときに使うのはおすすめです。
お正月もそんな心遣いから生まれた言葉なので、正月と意味は同じですが生活の場面ごとに使い分けるとよいですよ。
正月飾りはいつからいつまで?
お正月といえばしめ縄、門松、鏡餅等々、いろいろなものを飾りますよね?
ですが飾ったのは良いけど、いつまで飾ればよいのか迷うこともあると思います。
そこでお正月で飾るものがいつまで必要なのかを個別にご紹介していきたいと思います。
参考にしてみてください。
門松の場合
まずは門松からご紹介していきます。
門松は先程少し触れているのでもう分かっているかもしれませんが、『松の内』と呼ばれる期間に飾られます。
松の内は1月1日~1月7日までというのが一般的ですが、地域によって違う場合があります。
10日というところもあれば15日というところもあるので、事前に地域の基準を聞いておくとよいでしょう。
大きい門松が嫌な人はこちらがおすすめです。
小さい台などがあれば簡単に置けて、普通の門松よりも違った雰囲気を出せますよ。
しめ縄・しめ飾りの場合
次にしめ縄・しめ飾りの場合をご紹介します。
しめ縄・しめ飾りはよくつけっぱなしにしていることが多いものなので、これを機に期間を覚えておきましょう。
まずは飾り始める日付ですが、12月13日~12月31日までには飾るようにしてください。
13日は正月時始めであり、お正月の準備が始まる日なのでこの日でもよいですが、掃除だけは終わらせておきましょう。
しめ縄・しめ飾りは悪いものを防ぐという意味もあるため、家の中が汚れていると逆効果となってしまうからなのです。
また28日が『8』のつく日で末広がりとなり正月飾りには縁起が良い日とされています。
ですが29日は『二重苦がある』といわれるため避けたほうがよく、31日も『一夜飾り』といわれ歳神様に失礼に当たるため避けましょう。
外す日は先程ご紹介した松の内が終わる日に合わせて外せば問題ないですよ。
少し変わったしめ飾りも今では販売されています。
少し趣向を変えたいと思う人にはおすすめの1品になっていますよ。
鏡餅の場合
鏡餅に関してもしめ縄・しめ飾りと同じように考えてもらえばよいかと思います。
飾り始めは特に決まっていませんが、縁起の良いとされる28日がおすすめでしょう。
先程もご紹介したように29日や31日は縁起が悪いといわれているので避ける方が無難です。
外す日も松の内に合わせて外せば問題ないので、これも先程と一緒と考えれば問題ないでしょう。
鏡餅は本来歳神様へのお供え物としての意味があるものです。
今ではなんとなく飾られていることもありますが、五穀豊穣をもたらす神様に敬意を表すためにも飾ることをおすすめしますよ。
鏡餅ならぬガラス餅です。
今ではこのような少し趣向を凝らしたものも販売されているため、試してみてはいかがでしょうか?
破魔矢(はまや)の場合
破魔矢もお正月によく飾られるものとして有名です。
ですが買ったとしてどこに飾ればよいのかわからない人もいるのではないでしょうか?
一般的には床の間や神棚に飾るのですが、これといって決まりはなく飾る方角も自由です。
飾る期間は、正月事始めの12月13日~松の内が終わる日までとなっています。
先程紹介したように縁起の良い日と悪い日があるので、気を付けて飾ってみてください。
昔から厄除けとしての意味があるため、他の正月飾り同様しっかりと飾っておきましょう。
破魔矢は神棚などに置く人もいると思いますが、神棚をこれからつけようという家もあるのではないでしょうか?
今では神棚の棚板も通販で販売されているので、上記商品も参考にされてみてください。
破魔弓(はまゆみ)・羽子板(はごいた)
新しく子供が生まれた家庭では男の子なら破魔弓、女の子なら羽子板を飾ります。
健康祈願の意味合いもあり、ほとんどの家庭で飾られてきたのではないでしょうか?
飾る期間は他の正月飾りと同じなので、当てはまる人は一緒に飾ってみましょう。
破魔弓・羽子板をお探しならこちらも参考にされてください。
正月の挨拶はいつからいつまで?
お正月が来て人に会うと真っ先に行うのは新年の挨拶でしょう。
『明けましておめでとうございます』としっかり挨拶するのが常識とされていますが、いつまでしてよいか迷ったことはありませんか?
いつまでも挨拶をしているのも変ですし、また挨拶しなければならないときにしないのも失礼にあたります。
いつからいつまで挨拶をしなければならないのか、しっかり確認しておきましょう。
松の内の間にするのが一般的
基本的に新年の挨拶は松の内の間にするのが一般的です。
地域によって松の内の期間は異なるのでしっかり確認しておかなければなりませんが、概ね、
『1月7日・1月10日・1月15日』
この3日のうちのどれかになるでしょう。
最近では7日の方が多いのですが、確認しておかなければ失礼と取られてしまうので忘れずに聞いておきましょう。
松の内を過ぎても相手から挨拶されたら返す
もし松の内を過ぎても相手から挨拶されるときがあれば、同じように挨拶をするようにしましょう。
挨拶の本質は相手との良好な関係を築くことにあります。
なので、もし間違っているなと感じてもそれを言わずに対応するのが大人というものでしょう。
今年も仲良くしてくださいという気持ちを込めて挨拶をすればその人とも良好な関係を築けるはずです。
正月休みはいつからいつまで?
お正月になると大型連休に突入する人も少なからずいるのではないでしょうか?
その年の曜日にもよりますが、本来正月休みとはいつからいつまでを指すものなのでしょうか?
人それぞれとはいえ、今一度、一般的な正月休みの期間を確認しておきましょう。
公務員の休日に合わせている
正月休みは主に公務員の休日に合わせて決まっていることが多いです。
公務員は28日が1年の仕事納め・翌年4日が仕事始めになるため、翌日の12月29日~翌年1月3日が正月休みということになっています。
これに合わせて他の企業などでも正月休みを決めているのが一般的と言えるでしょう。
休みが決まっていても働く場合はある
仮に休みになっているとしても、休日出勤をしている人はいます。
誰かの代わりに仕事に出なければならないこともあるため、正月休みを全てもらえるとは限らないのです。
代休として別の日に休むこともありますが、それがないときはなかなか辛いものがありますね。
休めるうちにしっかりと休むことをおすすめします。
年賀状はいつからいつまで?
以前と比べて最近ではなかなか出されることが少なくなった年賀状ですが、いつまでに届けばよいか知っていますか?
大体の人は1月1日に届くようあらかじめ用意していますが、忙しくて忘れていたということもよく聞く話です。
年賀状も期間が決まっているので、確認しておかなければ失礼にあたるので、しっかりと確認しておきましょう。
松の内までに届くようにする
年賀状は新年の挨拶という意味合いが込められているのは知っているかと思います。
なのでお正月の期間内に届くよう意識していれば問題はありません。
一般的には松の内が終わる1月7日までに届くのが良いですが、地域によって松の内は違うので確認する必要があります。
心配な人は元日に届くようにするか、1月7日までに確実に届くようにすれば不測の事態に備えることができるでしょう。
1番良いのは年が明ける前に準備することなので、送る枚数が多い人は計画的に年賀状を作成していくよう心がけておくと良いですよ。
他の国の正月はいつからいつまで?
お正月は日本だけでなく世界中で行われている行事です。
ですが国ごとにその意味合いは違うもので、中には正月休みという概念がない国もあるのです。
各国のお正月事情を知ることは今後海外に行く予定がある人にとっては重要なことであり、日本にいる人にも必要になってきます。
日本と海外の違いをしっかりと理解しておきましょう。
中国の場合
まずは何かと接点の多い中国のお正月事情を紹介します。
日本では太陽暦を採用しているので、お正月は1月1日ですが中国を始めとするアジア諸国はそうではないことが多いです。
ほとんどの場合は太陰暦、つまり旧暦を使っているのでお正月は大体2月になります。
春節(チュンジエ)と呼ばれ、この時期になると故郷でお正月を過ごそうと何十億という中国人の大移動が開始します。
その期間はなんと約40日間にも及び大名行列も真っ青な光景となっているのです。
年の暮れの過ごし方は日本とそこまで変わりませんが、年明けには花火や爆竹などで盛大に祝うのが通例になっています。
また地域によって食べるものも違うので、それぞれ独自に作った豪勢な食べ物を食べているのです。
アメリカ合衆国
アメリカのお正月というより年明けのセレモニーは毎年テレビで放送されるように盛大に行われています。
一見してお正月も盛り上がっているのかと思いますが、これは12月31日と1月1日だけのものということを知っていますか?
なぜかというと、アメリカでは秋の収穫を祝うサンクスギビングデイとクリスマスが正月休みのかわりになっているからです。
サンクスギビングデイは11月の第4木曜日、クリスマスはもちろん12月25日。
この期間に休みを取る人が多く、長い人は約1ヵ月程度も休みがあるそうですよ。
そしてクリスマスが終わりカウントダウンが終わると、1月2日からはすでに仕事モードに入っているというわけなのです。
カウントダウンは確かに盛り上がりますが、もうすでに仕事モードに入っているので日本とは随分違いますね。
スペイン
次にスペインのお正月です。
スペインでは年越しギリギリまで仕事をしていることがほとんど。
そして12月31日には少し早めに仕事が終わり、友人の家などでカウントダウンを行うというのが過ごし方ですね。
このときテレビ中継で年明け早々に鐘が12回なるのに合わせてブドウを12個食べるのが決まりとなっているようです。
そして年が明けた1日の朝まで飲み明かし、2日からまた仕事という感じが一般的でしょう。
お正月だからといって特に何かをするわけではないようで、料理も大みそかで作ったものの残りを食べて過ごしています。
アメリカと似ている面がありますね。
ロシア
まもなく早割終了! 12月28日発 ロシアでお正月を迎えるツアー https://t.co/GqOvZm46PH pic.twitter.com/lhCaTeNmMT
— ロシア旅行社 (@JRTS_LTD) September 19, 2018
ロシアではお正月にクリスマスツリーを飾るのが一般的です。
正確にはクリスマスツリーではないのですが、ロシアはサンタのかわりにジェトマロスとスニェグラチカという人が来るのです。
この2人は1月1日に来るので、ツリーの下にはプレゼントが置かれ、これがお年玉代わりになっているといってよいでしょう。
ロシアのお正月は12月31日の夜から1月1日までが重要となっており、ここで楽しく過ごせれば来年も楽しく過ごせると考えられています。
カウントダウン5分前には大統領がお祝いの言葉を述べ、1分前には鐘が12回鳴り、その間に願い事をしてシャンパンを飲む。
年が明けると外へ行って花火を見たりして過ごし、その後は約1週間正月休みがあります。
ロシアの人にとってお正月は1年で1番待ち遠しいものだそうですよ。
ブラジル
https://twitter.com/yukifoi_d/status/958685250720227328
南米ブラジルのお正月は静かに過ごすことが多いそうです。
年明け直後では花火が打ち上げられたりしてみんなで盛大に新年を祝いますが、1月1日は家族で集まり静かに過ごす人が多いみたいですね。
またブラジルのお正月は別名『サルバドル・ダ・バイア』といって、白衣装で海の女神様に今年1年の幸運を祝います。
そのため白衣装を着て年明けを過ごす人が大勢いるのです。
他にもゲン担ぎで、
- 新年に波を7回飛び越える
- ザクロの実を食べ、種を財布に入れておけば金運がアップする
- レンズ豆の料理を食べて豊作や幸運を祈る
- 前に進むという意味合いがある豚肉を食べ、逆に後ろへ下がる意味がある七面鳥は食べない
などの習慣があります。
正月休みなどの概念はなく、2日には普通に仕事をしているみたいですね^^;
まとめ
いかがでしたか?
お正月と一言にいっても様々な形があり、それに合わせた準備をしなければなりません。
自分が生活していく地域の特色を把握し、その地域のやり方に則ってお正月を過ごすことが重要になってきます。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。