送別会の締めの挨拶のポイントや例文は?誰に任せればいいの?

春は人事異動や転職の季節ですね。

職場で「送別会」が行われる機会も多くなります。

この送別会では、「締めの挨拶」に関して悩む事があります。

もしも挨拶を頼まれた場合、どんな内容を言えばいいのでしょうか?

挨拶の終わりは、どのように締めるのが正しいのでしょうか?

本記事では、そんな送別会の締めの挨拶について、詳しくご紹介したいと思います。

●締めの挨拶の内容や例文

●正しい手締めや万歳三唱の仕方

●送別会の幹事になった場合、誰に締めの挨拶を頼めばいいのか

こちらを参考にして、ぜひ「締めの挨拶」の悩みを解決してください。

目次

締めの挨拶のポイント

引用元:https://www.pakutaso.com

まずは、「締めの挨拶」の内容についてからです。

締めの挨拶の担当になった場合、「何を言えばいいのだろう…」と悩むかもいるかもしれませんが、実は必要以上に悩むことはありません。

なぜなら、締めの挨拶にはいくつかの大事なポイントがあり、それらを踏まえると、挨拶の内容自体は意外と簡単に作れるからです。

では、締めの挨拶のポイントを見ていきましょう。

 

<締めの挨拶のポイント>

長くしすぎない!(長くても3分〜5分程度)

●送られる人の立場により、言うべき定型の言葉をちゃんと入れる

感謝の気持ち・労い(ねぎらい)の言葉・幸福を祈る言葉を、しっかりと盛り込む

 

締めの挨拶のポイントを、詳しく見ていきましょう。

まずは、「長くしすぎない!」ということ。

これは、とても大事なことで、締めの挨拶というのは長くなくて良いのです。

送別会ではお酒も多く入りますから、ダラダラと長い話はむしろ厳禁。

せっかく盛り上がっている会が白けてしまいますし、そもそもお酒の入った人達が、固くて長い話を聞いてはくれません。

最悪、「長いぞ」とヤジが飛んだり、勝手に私語の会話が始まってしまうことも……

よって、締めの挨拶は、大事なポイントをしっかりと抑え、簡潔に短くまとめる事を意識しましょう。

また、相手の立場を踏まえた言うべき定型の内容や、相手への感謝・ねぎらいの言葉などがあります。

これらを組み合わせると、挨拶の内容の全体像ができあがってきますので、あまり悩まずに作れると思いますよ。

実際に使える挨拶の例文は、次の章でご紹介しますね。

 

オリジナルのエピソードを入れると良い

送別会の主役と個人的な関係があり、オリジナルのエピソードがある場合は、挨拶の中に取り入れるとオリジナリティが出ます。

相手の性格や趣味、仕事上であった出来事などで、ポジティブに話せる事、または笑い話にできることなどを選びましょう。

ただし、このエピソード部分が膨らみすぎると、挨拶が長くなりがちになります。

盛り込むエピソードは一つか二つにし、皆に伝わるように分かりやすくまとめる事を意識するといいですよ。

また、送別会の主役と個人的にあまり関係がなく、オリジナルのエピソードがない場合、無理に作る必要もありません。

内容のない作られたようなエピソードを話すより、定型の言葉をしっかりと伝え、無難で簡潔な挨拶をすっぱりと行った方が、聞いている人の印象も良いでしょう。

送別会の締めの挨拶例文

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それでは、実際に使える締めの挨拶の例文をご紹介していきましょう。

締めの挨拶は、「送別会の主役の立場」により、言うべき内容が変わってきます。

ここでは、「転勤・移動」「転職者」「定年退職」「寿退社」の4つの例に分けてご紹介します。

多くの送別会はどれかに当てはまりますし、それ以外の場合も、これらをアレンジして使えると思いますよ。

また、どの場合も、「感謝の言葉」「ねぎらいの言葉」「幸福を祈る言葉」のどれかを入れるようにします。

最後の締め方(三本締め、一本締めなど)に関しては、次の章で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

「転勤・異動」の場合

まずは、「転勤・異動」をされる方の場合です。

この場合、同じ会社にいる事は、これからも変わらない訳です。

よって、内容としては「これまでご苦労様」というものより、「今後も仕事上での付き合いが続くので、どうかよろしくお願いします」という内容がふさわしくなります。

「新天地でも活躍をお祈りします」という内容も、定型文として使いやすいですよ。

明らかな栄転であれば、「おめでとうございます」という内容を強調して入れると良いでしょう。

そうでない場合は、転勤・異動先の事にはあまり触れず、これまでの思い出エピソードに触れる程度にしておきます。

 

◯◯さん、今日まで大変お世話になりました(ご苦労様でした)

新天地に行かれましても、変わらないますますのご活躍をお祈りしております。

今後は◯◯での業務という事で、仕事によっては、またお会いする機会がある者もいそうですね。

その機会を楽しみに待っておりますので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

本日まで、本当にありがとうございました。

(最後に手締めを行う)

 

「転職者」の場合

続いては、「転職者」の場合です。

この場合、会社を退職してしまうため、新天地での話に関しては、あまり触れない方が良いでしょう。

(もちろん、転職先の話がオープンで問題ないなら触れてもOKです。)

特に、あまり円満な退職でなかった場合は、その辺りの事情を聞いている人が連想しないよう気をつけてください。

内容としては、「相手がいなくなり、とても寂しい。相手の今後の活躍を祈っている」というのが定型となります。

また、相手とのエピソードがあれば、思い出を振り返る形で盛り込むと良いでしょう。

 

◯◯さん、今日まで大変お世話になりました(ご苦労様でした)

△△の業務が円滑に回っていたのは、◯◯さんのリーダーシップや支えによるところが大きかったと思います。

◯◯さんが退職してしまうという事は、本当に寂しい事ですが、業務を託された者を始め、皆がよりステップアップするための機会として、がんばっていこうと思います。

◯◯さんの、今後のますますのご健康とご活躍をお祈りしております。

本日まで、本当にありがとうございました。

(最後に手締めを行う)

 

「定年退職」の場合

続いては、「定年退職」をされる方の場合です。

この場合、送られる方の立場は、「上司・上長」あるいは「先輩」という事がほとんどです。

これまでの感謝を述べて、今後の健康と幸福を祈る内容が定番となります。

この時、気をつける点は、目上の人に対しては「お疲れ様でした」という言葉を使ってはいけません。

この言葉は、目上の人に対して使うと失礼にあたると感じるケースがあります。

「お疲れ様でした」は反射的に言ってしまう定番フレーズでもあるので、無意識に飛び出さないように注意しましょう。

代わりの言葉として、「お世話になりました」や「ありがとうございました」という言葉を意識して使うと良いですね。

 

◯◯さん、今日まで大変お世話になりました。

私は入社したての頃から、ずっと◯◯さんの背中を見て、仕事に励んでまいりました。

仕事においても数えきれないご指導をいただき、ただただ感謝申し上げます。

これからも、ご指導いただいた事を旨に刻み、社員一丸となって頑張ってまいりますので、見守っていてくださいますよう、よろしくお願いいたします。

◯◯さんの今後のご健勝とご多幸をお祈りし、挨拶とさせていただきます。

本日まで、本当にありがとうございました。

(最後に手締めを行う)

 

「寿退社」の場合

最後は「寿退社」をされた方の場合です。

寿退社の場合、相手の結婚へのお祝いを必ず盛り込むのが定番です。

しっかりとお祝いの気持ちを伝えましょう。

ただし、結婚相手の事などプライベートな部分を、むやみに掘り下げたりはしないように気をつけてください。

そして、相手の今後の健康と幸せを祈る形がまとまりやすいです。

 

◯◯さん、今日までお疲れ様でした(ご苦労様でした)

この度は、ご結婚、誠におめでとうございます。

これまで、◯◯さんの気遣いや笑顔が、職場を明るくしてくれていました。

◯◯さんが明日からいないのは寂しい限りですが、また、いつでも顔を出してもらえればと思います。

今後も、健康に気をつけて元気に過ごしていってください。

◯◯さんの、これからのご多幸をお祈りしております。

(最後に手締めを行う)

手締めと万歳三唱は、どう使い分ける?

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さて、ここからは、締めの挨拶の中での「最後の締め方」についてです。

締めの挨拶では、最後に「手締め」か「万歳三唱」で終わるのが定番ですが、これにはいくつか種類があり、誤って覚えている人も多いのです。

そこで、挨拶の「最後の締め」にあたる「手締め」と「万歳三唱」についてご紹介しましょう。

まず、「手締め」とは挨拶人が「お手を拝借」と言った後に、全員で手を叩いて締める方法です。

一方、「万歳三唱」とは、字の通り、挨拶人が「万歳!」といった後に、全員が「万歳!」と続ける事を、三回繰り返す締め方です。

この二つは、種類や意味が異なるので、場合によって使い分ける必要があります。

 

手締めの種類

手締めは、関西では「手打ち」とも言い、「会が無事に終わった事への感謝」を示すために行われるものです。

いくつかの種類がありますが、一般的に使用される手締めは「江戸締め」となりますので、本記事では「江戸締め」の手締めをご紹介しますね。

手締めには、「三本締め」「一本締め」「一丁締め(関東一本締め)」の三つの方法があります。

これらの主な違いは、手を叩く回数です。

特に「一本締め」と「一丁締め」を混同しやすいので、間違えないようにしましょう。

以下に、それぞれの掛け声と手を叩く回数(タン)を、まとめます。

 

●三本締め

「イヨーッ」『タタタン、タタタン、タタタン、タン』

「イヨッ」 『タタタン、タタタン、タタタン、タン』

「もう一丁」『タタタン、タタタン、タタタン、タン』

 

●一本締め

「イヨーッ」『タタタン、タタタン、タタタン、タン』

 

●一丁締め(関東一本締め)

「イヨーッ」『タン』

 

 

いかがでしょうか。

三本締めと一本締めは、手を叩くリズムは同じですが、1セットを繰り返す回数が違うんですね。

そして、一丁締めは、手を叩く回数が一回だけです。

三本締めと一本締めの手を叩く回数には、意味があります。

1セットにつき、「3+3+3」と「1」、つまり「9」と「1」のリズムで手を叩きますよね。

「九」という漢字に一個の点(、)を足すと「丸」という漢字になりますので、「丸くおさまる」という意味が込められているんです。

また、掛け声の「イヨーッ」も、「祝おう」という言葉が転じたものになりますので、例えば「せーの!」などに勝手に変えてはいけません。

それぞれの締め方の関係は、「三本締め」が最も公式なもの、それを簡略化したものが「一本締め」、さらに簡略化したのが「一丁締め」という関係になります。

 

万歳三唱の意味

「万歳三唱」は、おめでたい事があった時の掛け声になります。

実際にやる場合には、挨拶人の音頭と動きに合わせて「万歳!」と言いながら、両腕を上にあげる事を3回繰り返します。

選挙などで当選した人が、テレビでやっているのを見た事がある人も多いでしょう。

元々は、天皇をお迎えする際の掛け声として始められたものですが、今では祝い事があった際に、「嬉しさやめでたさを表すために行う」という意味合いになっています。

 

手締めと万歳三唱は状況で使い分けよう

「手締め」も「万歳三唱」も、送別会の締めの挨拶の最後に行われる事があります。

どれを行うかは、状況によって使い分けましょう。

「手締め」は、「送別会が無事に終わった事を感謝する」意味になり、3つの方法のどれを行うかを選びます。

一方、「万歳三唱」は「めでたい事、嬉しい事があった事を皆で喜ぶ」意味になるので、祝い事に対して行います。

よって、どの方法で締めるかは、下のような基準で判断するといいでしょう。

 

●三本締め → 多くの部署の人が集まった公式な送別会の締め

●一本締め → 所属部署の人のみなど身内がメインの送別会の締め

●一丁締め → 居酒屋での送別会など、大声や拍手が周囲の人に迷惑をかける場合の締め

●万歳三唱 → 寿退社や栄転など特別な祝い事がある送別会で、お祝いの意味を強調したい時の締め

 

送別会の挨拶は誰に任せる?

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送別会の幹事になった場合、出席者の確認や店の手配以外に、当日の進行も考えなければなりません。

その進行の中においては、「それぞれの挨拶を誰に依頼するか」という事を決める必要があります。

そこで、送別会の1次会の主な挨拶と、依頼する人の目安を、以下にまとめてみました。

 

●送別会の始まりの告知

 → 司会者(幹事の挨拶としても良い)

●はじめの挨拶 〜 乾杯の音頭

 → 会の中で最上位の役職者

●締めの挨拶(中締め)

 → 会の中で上から2番目の役職者

 → もしくは他の人、幹事でもよい

 

 

送別会が大きなものの場合、乾杯の音頭を別担当にわける事もあります。

その場合、送られる人の直属の上司が挨拶とともに担当するのが定番ですね。

また、締めの挨拶に関しては上から2番目の役職者が行うケースが多いですが、中締め(1次会の終わりの締め)であれば、そのほかの人に依頼したり、幹事本人が行うケースもあります。

依頼した人が全員引き受けてくれるとも限らないのが、挨拶なんですよね。

早めに依頼をしつつ、締めの挨拶や中締めに関しては、自分でやる可能性も考えておかなければなりません。

 

締めの挨拶を主役や来賓にやらせてはいけない

締めの挨拶や中締めに関して、一つ注意点があります。

上で紹介した通り、締めの挨拶では「手締め」で締める事が多いです。

この手締めは、「会が無事に終わった事に感謝する」意味を持っています。

つまり、「会を開催した人の視点」から見た締め方なんですね。

よって、これを「送られる主役」や「来賓」など、招かれている立場の人が行うのは、意味がおかしくなります。

よって、送別会の締めの挨拶を、主役や来賓に依頼することはやめましょう。

 

まとめ

今回は、送別会での挨拶の例文や、締め方などについてご紹介しました。

挨拶を任されるのは、面倒に感じるかもしれませんが、それだけの立場であったり信頼があるという意味でもあります。

しっかりとした挨拶をして、送別会をきっちり締めたいものですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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