夏の季節、女性の方は、浴衣をきれいに着こなしたいですよね。
そんな浴衣で履くものと言えば「下駄」が定番ですが、普段履き慣れていなかったり長時間着用すると、どうしても痛くなってしまいます。
そこで、今回は「痛くない、履きやすい、歩きやすい下駄にする方法」と、新しく下駄を購入する方のために「痛くない、履きやすい、歩きやすい下駄の選び方」をまとめてみました。
目次
下駄を履くと足が痛くなる原因
下駄を履くと足が痛くなる人が多いですが、その理由はいくつかあります。
下駄で足が痛くなった経験がある人は、これらのどれかが当てはまるのではないでしょうか。
・鼻緒を挟んでいる指の股の部分が、擦れて痛い
・鼻緒に全体が締め付けられて、足の甲や横などが痛い
・下駄の堅い板が原因で、足の裏が痛い
これらの原因のうち、特に多いのが上2つ、いわゆる「鼻緒ずれ」によるものです。
「鼻緒ずれ」は、鼻緒に足指が擦られたり圧迫されることで痛みが発生することで、出先でこうなってしまうと、歩いて帰ってくるのも辛くなってしまいますよね。
そうならないために、鼻緒ずれを予防する方法をご紹介しましょう。
鼻緒ずれを防ぐ方法
鼻緒ずれを防ぐ方法はいくつかあり、下駄に対して行う予防方法や、擦れを防ぐ道具を使う方法、下駄を履いた際の歩き方などがあります。
下駄によって有効かは変わりますので、手持ちの下駄に当てはめて参考にしてくださいね。
鼻緒を緩める
下駄の鼻緒が硬かったり、締め付けがきつすぎる場合に対して有効なのは、鼻緒を緩めてあげることです。
特に新しく買ったばかりの下駄の場合、鼻緒の部分が硬くて痛くなりやすいんですね。
鼻緒の緩め方は、以下の動画が参考になります。
下記の画像のように下駄を持ち、かかとを抑えながら外側に広げることで鼻緒を広げることができます。
鼻緒を緩める事は、下駄によっては、とても効果があります。
鼻緒は見た目から布でできているように思いがちですが、その中の部分の素材はまちまちです。
中身にボール紙や新聞紙が使われていることも多く、これら紙素材の鼻緒の場合、硬くて肌と擦れやすいのです。
そこで鼻緒を緩め、紙の素材を揉みほぐして柔らかくすることで、足に馴染みやすくなるんですね。
時間がない場合は、お出かけ前にやるだけでも、少しは効果が期待できますよ。
下駄を履いた時の歩き方に注意する
あなたは、下駄をどのように履いていますか?
似た形状の履き物として、サンダルがありますが、下駄の履き方・歩き方は、サンダルとは大きく異なります。
サンダルと同じ感覚で履いていると、それが鼻緒ずれの原因となっているかもしれません。
例えばビーチサンダルなどは、鼻緒の部分に親指と人差し指をググッと奥まで入れて履くことが多いですよね。
実はこれ、下駄においてはNGの履き方で、鼻緒が擦れて足を痛くする原因なんです。
正しい履き方は、以下のとおりです。
- 鼻緒に指を押し込むのではなく、親指と人差し指で鼻緒を挟んでつまむイメージ
→鼻緒と指の又の間に、軽く隙間を持たせる - かかと部分は2~3cm出す
- 重心は前にして、前傾姿勢になるように歩く(歩幅は小さめが良い)
→カランコロンと音がなるのが正しい歩き方!
ポイントは、鼻緒に指を食い込ませるのではなく、鼻緒を指で挟んで「つまむ」ように履くこと。
この状態で、重心は前に置くことを意識して履くと、足の指が擦れず負担がかかりません。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、やってみると意外と楽に感じると思いますよ。
ぜひ、チャレンジしてみてください!
道具を使って擦れを防ぐ
どんなに歩き方に注意をしても、擦れて痛みが出てしまう可能性はあります。
そんな時、痛みが出てしまった部分に、絆創膏やテーピングを貼って、擦れを防ぐことも有効です。
どうしても下駄が苦手で毎回擦れてしまう場合は、あらかじめ擦れる部分に、絆創膏やテーピングを貼っておくのも、良いでしょう。
鼻緒でうまく隠れる位置に貼るのがベストです。
絆創膏やテーピングは見た目が気になる……、という場合は、「足袋」を用意しておくのもいいですよ。
足袋であれば、ちょっとした手提げやバッグにも入るため、持ち運びしやすいです。
足が痛くなってしまった場合、足袋を履けば足全体をカバーできるので、いざという時に安心できますよね。
擦れにくい鼻緒にする
続いては、少し荒技ですが、鼻緒の部分を滑りやすく変えてしまう方法をご紹介しましょう。
それは、鼻緒にろうそくを塗るという方法です。
ろうそくがなければ、石鹸でも代用可能ですよ。
これらを鼻緒に直接塗ることで滑りやすくなり、肌と擦れにくくなってくれるのです。
ろうそくや石鹸を下駄に直接塗ることに抵抗がなければ、対策法の一つとなりますね。
事前に履き慣らしておく
ベタであり古典的な方法ではありますが、事前に履き慣らしておく、というのも効果的な予防方法です。
靴であっても、足に馴染むまでしばらくの間は、違和感があったりしますよね。
下駄も同じで、鼻緒が柔らかくなり足に馴染むまで、何度か履いてみることは大事です。
堅い木の板に足裏を慣らせますし、上でご紹介した下駄の歩き方を身につける練習にもなります。
いきなり本番で何時間も下駄を履くよりも、ぜひ事前に下駄を履いて何度か歩いてみてください。
自分の足に合わせて鼻緒をすげてもらう
「すげる」というのは、下駄の板の部分に鼻緒を取り付けることを言います。
下駄は鼻緒がついた部分で売られている事も多いですが、専門店などでは、自分の足の大きさに合わせて、ぴったりの締め具合で鼻緒をすげてもらうことができます。
職人さんの技で、自分の足に合わせた形で鼻緒をすげてもらえたら、鼻緒ずれが起きにくくなることは間違いありません。
鼻緒を足に合わせてすげてくれるお店で下駄を買えるのなら、それこそが鼻緒ずれを予防する方法となります。
歩きやすく痛くなりにくい下駄の選び方
続いて新しく下駄を選ぶ方に、どのような下駄であれば痛くなりにくいのか、をご紹介したいと思います。
下駄で足が痛くなってしまう一番の原因は、鼻緒による「鼻緒ずれ」でした。
この鼻緒ずれを起こしにくい下駄が、痛くなりにくい下駄になります。
そのためにはズバリ、鼻緒の部分ができるだけ太いものを選びましょう。
太いものを選ぶことで、足にかかる力が分散され擦れが弱くなります。
鼻緒の太さの目安としては、20mmかそれ以上と考えておくとよいでしょう。
(江戸では細い鼻緒の方が「粋」だとされています。「粋」な履き方を優先したい方は太すぎる鼻緒は避けたい方がよいかもしれないですね。)
また、鼻緒が柔らかいものを選ぶのもよいです。
柔らかい鼻緒は、擦れが起きても痛くなりにくく、また中身もウレタンなど柔らかい素材である事が多いです。
鼻緒の中身の素材が柔らかい素材だと、柔軟に足の形に沿ってくれるので締め付けがきつく感じにくくなります。
浴衣着用時に痛くない下駄
ここからは、実際に楽天で人気の「足が痛くなりにくい下駄」をいくつか紹介しましょう。
まずはこちらの下駄です。
この下駄の鼻緒の部分は柔らかく、痛くなりにくくよう設計されています。
ただ柔らかいだけではなく、伝統工芸阿波しじら織の生地を鼻緒に使用。
また靴の形がアーチ状に、そして土踏まず付近の底をくりぬいており、サンダル感覚で履くことができる下駄なんです!
軽く履きやすいので、下駄初心者の方や痛くない下駄をお探しでしたら最もおすすめする下駄ですね!
画像で見て分かる通り、通常の下駄よりも鼻緒部分が太いため、擦れが起こりにくい下駄です。
下駄の柄も10種類あるので、お好きな柄がきっと見つかりますよ♪
こちらも痛くなりにくい柔らかい鼻緒の下駄になります。
そして、何と言っても特徴的なのは、美しい光沢の黒茶塗りの台。
高見えする光沢の下駄にお好きな鼻緒を合わせれば、きっとお気に入りの下駄になってくれますよ。
こちらは、熟練の下駄職人が一つ一つ手作りする高級下駄です。
鼻緒が柔らかく痛くなりにくのはもちろん、台の形状も日本人の足の形に沿うように、滑らかな曲線でできており、足裏が痛くなりにくくなっています。
浴衣だけでなくカジュアルな服装にも合わせる事ができる使い勝手のいい一足ですよ。
まとめ
今回は浴衣の下駄についてまとめてみました。
簡単にまとめると、
- 鼻緒を緩める
- 歩き方に注意する
- 道具を使って擦れを防止する
- 鼻緒にろうや石鹸を塗ってすべりやすくする
- 下駄を履き慣らす
- 鼻緒を足に合わせてすげてもらう
- なるべく鼻緒が太く柔らかい下駄を選ぶ
ということになりますね。
しかし、「どうしても下駄は痛い…」という方もいらっしゃると思います。
ですので、最近では浴衣にサンダルやミュールを履く方を見かけることも多いですね。
そんな方のために、浴衣にサンダルやミュールなどの下駄以外の履物は実際どうなのか意見をまとめて見たので参考にしてみてください。
→女性が浴衣に下駄以外のサンダルやミュールはおかしい?ありか変か意見を調査
最後まで読んで頂きありがとうございました。