お気に入りの冬物の衣類の大敵といえば、「毛羽立ち」「毛玉」です。
毎日使っていて、ふと気づいて見てみたら毛玉があちこちに!という経験、皆さんもありますよね。
冬のモコモコした暖かい服に、毛玉はつきものです。
見た目的にも手触りとしても、毛玉があるとテンションが下がってしまいますよね。
そこで、今回は毛玉を撲滅するための対策と予防策をご紹介しましょう。
特に、家にあるもので簡単に実践できる対策を、優先的にまとめました。
ニットやセーター、コートなど毛玉が出やすいあらゆる衣類に使うことができます。
この冬は、ぜひ毛玉と無縁の快適な生活を送ってみてください!
目次
毛羽立ち・毛玉がでる原因は?
まずは、毛羽立ち・毛玉のできる原因、そのメカニズムを知っておきましょう。
これ、意外と大事なポイントです。
毛玉と戦うにあたり、そもそも毛玉ができなければ、相手にしなくても良いわけです。
つまり、毛玉を取る方法も大事ですが、最も力を入れるべきは「毛玉の予防」なのです。
毛玉を予防するには、毛玉ができる理由を知っておくと、対策が取れますよね。
というわけで、毛玉ができる理由をご紹介します。
毛玉はもともと服の繊維の一部!
毛玉はどこかから飛んできて、あなたのコートにつくのではありません。
毛玉は、もともとは服の繊維なんです。
服の繊維は、買った当初は規則正しく並んでいますが、使って行くうちに、一本一本の先端が開き、隣の繊維と絡みはじめます。
この繊維の絡まりはじめが、毛羽立ちとなります。
やがて周囲の繊維を巻きこんだ絡まりは、大きな塊となり、毛玉となってしまうのです。
よって、毛玉は服の繊維が絡まったものであり、服の一部なんですね。
あの厄介な毛玉は、お気に入りの服から生まれているのです。
なぜ服の一部が毛玉に?
繊維が絡まってしまう主な原因は「摩擦」です。
服と服、または服と別の何かが擦れることで、少しずつ繊維の先が絡まっていってしまいます。
もう一つの理由として「素材」が挙げられます。
服であれば、なんでも毛玉ができる訳ではありません。
服の素材により毛玉ができやすいものと、そうでないものがあるのです。
毛玉を取ることは服を削ること!
できてしまった毛玉は取りたいもの。
でも「毛玉が服の一部」となると、「毛玉をとる」という事が何を意味しているか……、わかりますよね?
はい、毛玉を取るということは「服を削っている」という事になります。
毛玉は繊維が絡んで塊になったもの。
これを取り続けると、その分、繊維が薄くなっていきます。
また、「毛玉を引っ張ってとる」という方法をやってはいけない理由も、ここにあります。
毛玉は繊維の先ですから、引っ張ると毛玉になっていない部分まで、一緒に引っ張り出されます。
それを引きちぎるわけですから、ますます繊維が減ってしまいますよね。
ここでは、「毛玉を取る方法」をご紹介しますが、取れるからといって「毛玉ができても気にしない」という考えは止めましょう。
毛玉は取れても、服へのダメージは確実に貯まります。
よって、やはり「毛玉の予防」を重要視しなければならないのです。
「毛羽立ち・毛玉の予防法」は、「毛羽立ち・毛玉対策」の後でご紹介していますので、ぜひそちらもご覧くださいね。
毛羽立ち・毛玉対策1:スポンジを使う
早速、毛羽立ち・毛玉対策を紹介していきましょう。
まずは、台所の食器洗い用「スポンジ」を使う方法です。
スポンジは、ネットに入っているタイプではなく、二層となっている昔ながらのスポンジです。
このスポンジの固く粗い面を使って、毛玉を取る事ができるのです。
スポンジを使った毛玉の取り方
1. 服を平たい台に置く
2. スポンジの粗い面で、毛玉のついた部分を優しくこする
とても簡単ですよね。
スポンジもどこの家にもあると思うので、すぐに実践する事ができます。
ただ一点、注意が必要なことがあります。
それは、スポンジを使ったこの方法は服が伸びやすい!という弱点です。
セーターやニットなど、柔らかく伸びやすい素材の場合は使用しない方が良いでしょう。
また毛玉の面をこする時は、優しくこするようにしてくださいね。
しっかりとした素材のコートなどに対しては、心置き無く毛玉をとってやりましょう。
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毛羽立ち・毛玉対策2:カミソリを使う
引用元:https://free-materials.com
続いてご紹介するのは、カミソリを使う方法です。
「T字カミソリ」でも「I字カミソリ」でもできますが、力加減がうまくできるのは「T字カミソリ」です。
また複数刃のカミソリは、取れた毛玉や繊維が絡みやすいので、一枚刃のカミソリの方がおすすめです。
もちろん水は使いませんので、安心してくださいね。
カミソリを使った毛玉の取り方
1. 服を硬く平たい台に置き、しっかり伸ばす
2. カミソリで、毛玉のついた部分を軽い力で剃る
こちらも、手に入りやすい道具でできるのが嬉しいですね。
軽い力で剃るだけなので、シャッシャッと広い範囲を行いやすいです。
立体的な部分に関しては、動画ではつまんで剃っていますが、スポンジを使った方がやりやすいかもしれませんね。
また、カミソリを使用する場合の注意点ですが、あまり力を入れて剃りすぎると、毛羽立っていない繊維まで削ってしまいます。
カミソリで毛玉を取る時は、優しく丁寧に行うようにしてください。
また、台が柔らかかったり不安定でも剃りが深くなりやすいので、硬く安定した場所に服を置きましょう。
100枚入りのT字カミソリもネットで買えますよ。
毛玉取り用に持っておくと便利かもしれないですね。
毛羽立ち・毛玉対策3:はさみを使う
続いては、ハサミを使う方法です。
とても原始的ですが、これも有効な方法の一つです。
繊維をしっかりと切れますし、ピンポイントで行うことができるので服へのダメージを最小限にできます。
ハサミを使った毛玉の取り方
1. 服の毛玉の根元をハサミで切る
2. 切った毛玉はしっかりとゴミ箱へ
切り終わった毛玉がポロリと落ちて、また服につかないようにしてくださいね。
この方法の強みは、何といっても「余計な繊維を切らない、削らない」という点です。
スポンジのように服を伸ばしたり、カミソリのように他の繊維も削る心配がありません。
「毛玉を一つ一つ切らないといけない面倒臭さ」という短所と、「服へのダメージが最小限」という長所をあわせ持つ、使い所が試される控え選手といった感じでしょうか。
大きな部分はスポンジやカミソリを使いつつ、細かい部分の仕上げでハサミを使ったり、ダメージが気になる部分だけハサミを使う。
そんな方法が良さそうですね。
細かな作業が得意な極細ハサミは、こちらのものがオススメです。
通常のものよりかなり細くなっています。
毛羽立ち対策4:アイロンを使う
こちらは毛玉取りの対策ではなく、毛玉になる前の「毛羽立ち」の状態を軽減する方法です。
ウールなどで毛羽立ちが起きてしまった時に使えますよ。
アイロンを使った毛羽立ちの取り方
1. ブラッシングをする
2. アイロンのスチームをかけて、毛羽立った部分を湿らせる
3. 軽く押さえながら撫でつけていく
4. ハンガーにかけ、風通りの良い場所で乾かす
アイロンの蒸気で湿らせることにより、繊維が柔らかくなり、絡まりがほどけやすくなります。
これを押さえて撫でつけることで、毛羽立ちを戻す事ができるのです。
アイロンのスチームをかける時には、当て布をすると服を傷めにくくなりますので、オススメですよ。
アイロンを使う予定がない、という方には衣類スチーマーでも代用できますよ。
毛羽立ち・毛玉対策5:毛玉取りブラシを使う
今回は、極力「家にあるもので簡単にできる」がテーマなのですが、これも紹介しないわけにはいきませんね。
何しろ、毛玉を取るために作られたものですから、その効果は保証されています。
ということで、毛玉取り用に開発された道具を使う方法をご紹介します。
まずは、「毛玉取りブラシ」からです。
毛玉取りブラシの使い方
1. 服を平らな台に置く
2. 毛玉を引っ掛けるようにして、ブラシをかける
クリーニング屋さんでも毛玉を取るのに使われている道具となります。
どの家にもあるもの、とはいかないですが、これを機会に買っておく価値は十分ありますね。
ブラシといっても、ゴシゴシ擦り付けて使うわけではありませんので注意してください。
毛玉取りブラシは、こちらから買えます。
ブラシをかけるだけなので、簡単な取り方の一つですね。
毛羽立ち・毛玉対策6:毛玉取り機を使う
続いても、毛玉を取るために開発された道具です。
毛玉取りブラシは人力でしたが、こちらは電動の道具となる「毛玉取り機」をご紹介します。
こちらも家庭にあるものとは違いますが、ずっと使えるものでもあるので、この機会に検討してみてもいいかもしれません。
毛玉取り機の使い方
1. 置いた服の上に、毛玉取り機の面を当てて擦る
さすがに機械だけあって、作業がとても楽チンです。
力加減などにも特別な注意はせず、サクサクと毛玉取りができちゃいます。
毛玉取り機の値段を、他の方法で毛玉取りにかける労力とかけあわせて、どちらがお得かどうかの判断をしてみましょう。
動画で使用されている毛玉取り機は、こちらから買えますよ。
毛羽立ち・毛玉対策7:歯ブラシを使う
上で「毛玉取りブラシ」をご紹介しましたが、同じブラシでも元手をかけずにいくなら「歯ブラシ」で毛玉とりができます。
もちろん、使い古しの歯ブラシでOKです。
歯ブラシを使った毛玉の取り方
1. 歯ブラシの先端をジグザグの山形にカットする(行ったほうが毛玉の取れが良い)
2. 毛玉を引っ掛けるようにブラシをかける
使い方は、毛玉取りブラシと同じ要領です。
ゴシゴシとかけるのではなく、毛玉に対して引っ掛けるように行うのがポイントですね。
ただ、毛玉取りブラシと違い歯ブラシはヘッドがとても小さいので、かなり根気がいる作業となります。
毛羽立ち・毛玉対策8:ラップの刃部分を使う
こちらは、上で紹介した「カミソリを使う」方法のアレンジ版となります。
同じく刃物を使う方法ですが、カミソリは家にないし買いたくないよ!という場合に使えますよ
ラップの刃部分を使って毛玉を取る方法
1. ラップからカッターの刃部分を外す
2. 外した刃部分で、毛玉を根元から優しく剃る
ラップの刃は長くてしなりますので、カミソリよりは作業が難しいです。
またカミソリと同じく、強い力で繊維を削り過ぎないようにしましょう。
カミソリはないがラップはある、という場合で、費用をかけたくない時は使えるかもしれませんね。
毛羽立ち・毛玉を防止するために
ここからは、「毛羽立ち・毛玉の防止策」のご紹介となります。
上で述べたとおり、毛玉との戦いで重要視するべきは、「毛玉を防止すること」です!
できてしまった毛玉は取るしかありませんが、それは少しずつ服のダメージとなってしまいます。
よって、毛玉はできる前に防止することが大事なのです。
毛羽立ち・毛玉の防止策1:毛玉のつきにくい素材を使う
そんな毛玉防止策の第一は、「毛玉のつきにくい素材を使う」ことです。
毛羽立ち・毛玉は、服の素材により起きやすさが異なります。
毛玉ができやすい素材は、「合成繊維/化学繊維:アクリル・ポリエステルなど」です。
一方、毛玉ができにくい素材は、「天然繊維/動物繊維=ウール・カシミア・アンゴラ・シルクなど」です。
これらの違いは「素材の強度」です。
天然素材は強度が低いので、繊維が絡まってもほどけやすいです。
また、毛玉になったとしても、その塊はちぎれ、勝手に取れてしまうのです。
一方、合成繊維は強度が高いので、絡まったときもほどけにくく、毛玉になっても絡まったままです。
合成繊維と天然繊維を混ぜた「混紡糸」の場合は、割合にも注目しましょう。
合成繊維の割合が多ければ、それだけ毛玉はできやすくなります。
これら素材の違いは、服を買ってからの手入れでは、どうにもできません。
毛玉ができやすい合成繊維ですが、値段が安かったり、虫に食べられるリスクがないというメリットもありますからね。
合成繊維のメリットを取るか、毛玉への予防をとるか。
どうしても毛玉との戦いを避けたい方は、服を買う段階でこれら素材にも注意を払うと良いでしょう。
毛羽立ちの防止策2:洋服ブラシを使う
毛玉の防止には、毛玉が育ち切らないうちに手入れをすることが重要です。
そこで、洋服用のブラシを普段からかけることをオススメします。
洋服ブラシを使った毛羽立ちの防止策
1. 服をハンガーにかける(厚手のしっかりしたものが良い)
2. 繊維の目に対して逆からブラシをかける(汚れを浮かせる)
3. 繊維の目に沿ってブラシをかける(繊維の目を整える)
ブラッシングを日常的にすることにより、毛羽立ちを整えることができます。
毛羽立ちを放置すると毛玉となりますので、その前で食い止めましょう。
また、ブラッシングは洋服のお手入れとしても良いものなので、お気に入りの服を長く丁寧に使う意味でも行いたいですね。
上質な馬毛の洋服ブラシはコチラです。
毛玉の防止策3:小さな毛玉をとる毛玉取り機を使う
これも、上の「ブラシを使う」と同じ理由となります。
毛羽立ちをこえて毛玉ができ始めていた場合、洋服ブラシでも取れない場合があります。
小さな毛玉となってしまった場合は、毛玉取り機を使っても良いでしょう。
大きく育ってしまう前に、小さな毛玉のうちに対処しておくことも大事です。
こちらは、持ち運びに便利な、乾電池式の毛玉取り機です。
毛玉立ち・毛玉の防止策4:コート・ニット・セーターなどの衣類を数着用意する
毛羽立ち・毛玉は、「摩擦」によって生じます。
つまり、服が擦れることが原因なんですね。
そんなことを言われても、脇や腕の内側などを擦らずに生活するなんて不可能です。
しかし、完全に無くすことは確かにできませんが、注意して軽減することは可能です。
例えば、カバンを肩で担ぐと肩の繊維がすれて毛玉ができやすくなりますが、カバンは手で持つこともできますよね。
そして、「同じコート・ニート・セーターを毎日着ない」というのも、立派な毛玉対策となります。
休ませる日があれば、それだけ擦れるのが防げるからです。
毛玉対策のために、毛玉が立ちやすい衣類は数着用意し、ローテーションさせて使うことが理想です。
毛羽立ち・毛玉の防止策5:洗濯時に裏返し・ネットを使用
毛玉の原因となる摩擦は、服を着ている時だけにある訳ではありません。
洗濯の時にも、他の衣類とこすれることで摩擦が生まれ、毛玉の原因となっているのです。
コートの場合だと自宅で洗う事は珍しいかもしれませんが、これは他のセーターやニットなど毛玉に悩む衣類にも言える事です。
これらの衣類を洗濯機で洗う場合、以下の方法が有効です。
裏返しにして洗う
ジャストサイズのネットに入れる
手洗いモード、弱水流など、衣類をいたわるモードを使用する
そもそも洗濯機は使わず、優しく手洗いする
裏返しにすることで、表面が摩擦を受けるのを減らせます。
また、ネットに利用は有効ですが、サイズが大きいとネットの中で動いて擦れてしまうので、ネットはちょうどよいサイズを選びましょう。
毛玉立ち・毛玉の防止策6:毛玉防止用の洗剤を使う
続いても洗濯についての防止策です。
各メーカーから、毛玉を予防する洗剤が発売されています。
これらに共通しているのは、繊維の先が開くのを防ぎ、周りの繊維とからみにくくする成分が入っていることです。
もしも毛玉に悩む衣類を選択する際は、これらを使用するとよいでしょう。
また、同時に柔軟剤を使う事も効果的です。
柔軟剤にも摩擦を軽減する成分が含まれているからです。
洗剤の中でも、アクロンはパッケージにも「毛玉を防ぐ」という内容が書かれており、おすすめですよ。
毛玉立ち・毛玉の防止策7:自分に適したサイズを選択する
自分に適したサイズの衣類を選ぶことも大切です。
大きすぎたり、きつすぎる衣類は、シワとなった生地部分が擦れやすくなります。
毛玉防止の観点からも、自分の体にあったサイズの衣類を買いましょう。
毛羽立ち・毛玉がひどい場合はクリーニングへ!
ここまで、ご家庭でできる毛羽立ちや毛玉の取り方、防止策をご紹介してきました。
しかし毛玉対策には、強力な一手が残されています。
それは、「クリーニング店にまかせてしまう」という方法。
クリーニングのプロに毛玉取りをまかせられれば、一番確実です。
クリーニング店では、洗濯と一緒に毛玉を取ってくれます。
この毛玉取りが、サービスか有料のオプションなのかは店舗によって異なりますので、お店で確認してみてください。
実際、毛玉取りは無料というケースも多いので、有料と言われた場合は、他のお店でも確認することをおススメしますよ。
特にネットと宅配便で依頼するクリーニングには、無料の場合が特に多いようです。
ただし「毛玉取りだけ行う」というお店はほとんど無いので、ちゃんと洗濯と一緒に依頼しましょう。
宅配クリーニングのおすすめはこちらで詳しく書いていますので、ご参照下さい。
まとめ
今回は、コート・ニート・セーターなどの衣類の毛羽立ち・毛玉の対策・予防法についてまとめてみました。
毛玉がつく衣類に共通して使えるものばかりなので、ぜひ毛玉に悩んだ際にはお試しくださいね。
毛玉がつきにくい素材をお探しの方はこちら
セーター・ニットに関する他の記事はこちら
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。