春から夏にかけて、大量に発生する昆虫として、
『カメムシ』
がいるのは、有名な話です。
悪臭を放つ害虫としての印象が強いカメムシですが、実は、
『方言が数多く存在する』
という事実があるのです。
カメムシは、日本各地どこでも見かける昆虫のため、
『地方ごとの方言を使って、呼び名がつけられている』
ため、知らない人が聞いても、カメムシだと判断できないこともあるでしょう。
そこで、今回は、
『各地で呼ばれているカメムシの方言』
について紹介します。
今まで知らなかったというものも多くあると思うので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
カメムシの方言はどれくらいあるのか
カメムシは、それこそ日本中に存在する昆虫であり、なおかつ、
『悪名が高い』
ため、その方面で様々な呼び名が付けられています。
ですが、地方ごとに使われる言葉は少し違うため、
『方言を交えた呼び名が広まっている』
のです。
その種類はかなり多く、一度も聞いたことがないようなものもあるのです。
青森の方言
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まず、北国の青森県で使われているカメムシの方言について紹介します。
青森県で使われているカメムシの方言は、
『クセンコ(クセンコムシ)』
というものになります。
この名前の由来は、はっきりとはしていないのですが、
『とにかく臭いから』
という思いがありありと表れているのは分かるでしょう。
クセンコが大量発生する春から夏の時期には、
『クセンコ祭り』
とも呼ばれており、大量のカメムシが襲来を表す言葉として使われているのです。
秋田の方言
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次に、秋田方面のカメムシです。
この方面でのカメムシは、
- アネコムシ
- ヘネコムシ
- ヒメコムシ
- ドンベムシ
などがあります。
アネコムシは、秋田でよく使われている、
『姉っこ』
から来ている言葉とされています。
姉っこの意味は、
『女の子』
となるのですが、なぜカメムシにこの方言が使われているのでしょうか。
この理由としては、
『カメムシの臭いが、女性の使う脂粉(化粧)を表しているから』
だとされています。
今でこそ、あまりピンとこない理由ですが、昔はこのような理由で名付けられたそうです。
カメムシは、
『種類によって、綺麗に見えるものも多い』
ことから、女性の名前を冠したものになるのかもしれません。
同じく、ヘネコムシ・ヒメコムシも、
『アネコムシと同じような意味合い』
を感じさせる言葉と言えるでしょう。
とはいえ、この2つの言葉は、
『はっきりとした意味が提示されていない』
ため、現時点は、何とも言えません。
ドンベムシのドンべに関しては、
『愚か者』
という意味があるとされており、カメムシを蔑む意味合いで使われていたと推測されます。
山形・福島の方言
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次に、山形・福島方面のカメムシ方言です。
この方面のカメムシは、
- ヘクサムシ
- へクソムシ
などと呼ばれています。
これらの言葉は、単純に、
『カメムシの臭いの印象』
から来ているものです。
かなりストレートな表現ですが、誰でも分かりやすい言葉だと言えます。
山形・福島方面に行った際は、誰か使っているかを確かめてみるのも面白いでしょう。
新潟の方言
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次に、新潟のカメムシについて紹介します。
新潟方面における、カメムシの名前は、
- ヘラガニ
- ヘチガネ
- ジョロピン
となっています。
ヘラガニという呼び名は、
『カメムシの足がカニに似ている』
という点から来ていることが、薄っすらと分かります。
ですが、他の方言に関しては、
『由来があまりはっきりとしていない』
ため、誰が呼び出したものかは判明していないのです。
誰か知っている人がいるかもしれませんが、そもそもカメムシの方言は、
『由来があまり分からないものが多い』
ため、あまり気にせず、こんな名前があるのかという程度で受け止めておいてください。
富山の方言
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次に、富山のカメムシについて紹介します。
富山方面でのカメムシは、
『ヘクサンボ』
と呼ばれています。
屁が臭いという意味での名前だと分かりますが、このヘクサンボには、
『昔ばなし』
があるのです。
この話を見ると、
『カワウソを助けた村人が、何でも願い叶えられるようになった』
というものになっています。
ですが、カワウソに、
『願いが叶うことを誰にも教えてはいけない』
と、村人に忠告しました。
最初は、その約束を守り、自分の蓄えを願い事によって頼んでいたのですが、
『裕福になった際、うっかり秘密を漏らしてしまった』
のです。
そうすると、今まで手に入れた宝が、
『ヘクサンボ(カメムシ)』
になって、全て飛んで行ってしまったということです。
そのため、カメムシが大量に発生するのは、
『この話の中に出てきたヘクサンボが各地に散らばったから』
とされています。
昔話ですが、豆知識として覚えておくと良いでしょう。
岐阜の方言
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次は、岐阜のカメムシとなります。
岐阜におけるカメムシの方言は、
『ガメ』
となっているのです。
由来は判明していませんが、この名前から、
『カメムシのカメが、少し変化した言葉』
と言えるでしょう。
また、カメムシと呼ぶのが長いため、
『短縮する意味で使っていた』
とも推測できます。
岐阜に行った際、ガメと聞いたらカメムシだと思ってください。
和歌山の方言
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次は、和歌山のカメムシについて紹介します。
和歌山のカメムシは、
『マナゴ』
と呼ばれています。
マナゴは、別名、
『真砂』
とも呼ばれるものであり、砂や小さな石を意味する言葉となります。
カメムシは、一見すると、
『小さな石のように見えることもある』
ため、誰かがそう呼んだことから広まった可能性が高いです。
真砂は、まさごと読む人が多いのですが、この機に、
『真砂=マサゴ』
と読むことも知っておくと良いでしょう。
京都の方言
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次は、京都のカメムシについて紹介します。
京都のカメムシ方言では、
- ヒメムシ
- ヨメサンムシ
となっています。
何となく、高貴な印象を受けるものであり、京都らしい名前だと言えるでしょう。
また、この名前は、秋田のアネコムシの由来でもある、
『姉っこ(女の子)』
と同じようなものとも考えられます。
カメムシによっては、かなり綺麗なものもいるため、
『女性が使う脂粉(化粧)を連想させていた』
ことから、この名前が付けられたのかもしれません。
兵庫の方言
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次に、兵庫でよく使われているカメムシの方言です。
兵庫の場合、
- ジョンソン
- ジョロムシ
- オヒメサマ
などがあります。
ジョンソンに関しては、なぜこの呼び方になっているかは分かりません。
ですが、ジョロムシは、
『女郎虫』
が起源だとされています。
女郎という言葉は、昔で言うところの、
『女性』
を表す言葉であり、他にも遊女などを指す言葉でもあります。
同じく、オヒメサマも、
『女性を連想させる名前』
と言えるでしょう。
カメムシは、種類によっては、
『見た目がかなり鮮やか』
なため、女性の美しさを表す意味での名前になったと推察できます。
島根の方言
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次は、島根のカメムシ方言です。
島根では、カメムシのことを、
『ホウムシ』
と呼んでいます。
ホウムシの由来は、あまりはっきりとしていませんが、この名前から、
『放屁』
を連想させるため、ここから派生した名前かもしれません。
臭いが強烈なカメムシらしいと言えますが、地元以外の人には、
『あまり馴染みのない言葉』
なので、他の方言同様、出身地を測る材料にしてみるのも良いでしょう。
岡山・広島の方言
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岡山・広島でのカメムシ方言です。
ここでのカメムシは、
- ハトウジ
- ハットウジ
と呼ばれています。
これらの方言は、昔あったお寺が関係していると言われています。
岡山県備前市には、約1200年前に建立された、
『古刹 天台宗八塔寺』
というものがあります。
当時、このお寺で修行していた僧がいました。
この僧は、托鉢を行っている際、
『何日もお風呂に入っていなかった』
のです。
そのため、体臭がかなり臭くなっており、周囲の人から、
『臭い人が来たら、八塔寺』
という印象を持たれたことから、カメムシの比喩となっていったのです。
この由来は、地元でも知っている人とそうでない人が分かれるため、覚えておくと良いでしょう。
愛媛の方言
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四国の愛媛におけるカメムシ方言です。
愛媛では、カメムシのことを、
- ジャクジ
- ジャクゼン
- ブイブイ
などがあります。
ジャクジ・ジャクゼンに関しては、はっきりとした由来が判明していません。
ですが、ジャクゼンなどは、
『寂然』
と読むことも出来ます。
ひっそりとして静かなさまを表す言葉ですが、カメムシも、
『いつの間にか家に侵入している』
ことがあるため、言い得て妙なのかもしれません。
また、ブイブイに関しては、
『カメムシとカナブンが似ているから』
という話もあります。
カナブンも、別名ブイブイと呼ばれることがあるため、納得できる名前だと言えるでしょう。
九州の方言
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カメムシの方言の中でも、九州で使われる、
『フウ』
は、古語の1つと言われています。
古語におけるカメムシは、元々フウとされていたという話ですが、実際には、
『はっきりしたことが分からない』
ため、信憑性は半々だと言えるでしょう。
また、フウという名前は、
『ホオズキの語源』
とも言われています。
これは、カメムシが、
『ホオズキによく寄ってくる』
ことから名づけられたともされているのです。
どこまで本当かどうかは分かりませんが、こうした話があることも覚えておきましょう。
全国共通の呼び方もある
それぞれの地方で呼ばれている、カメムシの方言について紹介しました。
どれも、その土地独特のものばかりでしたが、中には、
『全国共通の呼び方』
というものも存在しています。
代表的なものは、
- ヘコキムシ
- ヘッピリムシ
などがあります。
これらの名前は、
『単純にカメムシの臭いを表現したもの』
であり、どの地方に行っても通じる言葉と言えるでしょう。
実際、カメムシの呼び方は、
『まだまだ数多くのものが存在する』
と言われているため、探してみると面白いかもしれませんね。
まとめ
『カメムシには方言が数多く存在する!【よく聞くものから変なものまで多数】』
いかがでしたか。
今回のまとめとしては、
『カメムシほど様々な呼び方が存在する昆虫も珍しい』
ということが言えます。
カメムシは、日本において知らない人はいないくらい有名な昆虫です。
どこにでも現れることも相まって、
『カメムシを意味する名称がどんどん増えていった』
と言えるでしょう。
知名度においては、ある意味どんなものより大きいのかもしれません。
もし、カメムシを別の名前で呼んでいる人がいれば、
『新しい名称に出会える』
かもしれないので、聞き耳を立ててみてはいかがでしょうか。
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