秋の風物詩と言えるのが、「虫の声」ですよね。
秋の夜に鳴き声を楽しませてくれる虫には、いろいろな種類がありますが、代表的なものといえば「鈴虫」でしょう。
少し自然のあるところに行けば、鈴虫の音色を楽しむことができますし、都会でも植え込みなどから聞こえてくることがありますよね。
そんな、毎年の秋になると現れる鈴虫ですが、寿命はどれくらい生きるのでしょうか。
また、鈴虫を飼う場合、長生きをさせるにはどのようにすればいいのでしょうか。
今記事では、これら鈴虫の寿命について、ご紹介したいと思います。
目次
鈴虫の寿命は?
毎年、秋になると鳴き声が聞こえる鈴虫ですが、どれくらいの寿命を持っているのでしょうか。
実は、鈴虫の寿命は短く、卵から孵化してから死ぬまで、約4ヶ月程度しかありません。
このうち、成虫として鳴き声を楽しめるのは約1〜2ヶ月程度です。
ここで、鈴虫の一生のサイクルを見てみましょう。
●卵 → 約8ヶ月ほど
●幼虫 → 約2ヶ月ほど
●成虫(鳴き声が楽しめる)→ 約1〜2ヶ月ほど
このように1年以上を生きることはないんですね。
毎年聞こえてくる鈴虫の音色は、毎年違う虫の声だったのです。
ちなみに、上記サイクルを時期で見てみると、こんな感じです。
●卵 → 10月頃から翌年5、6月頃まで卵で過ごす
●幼虫 → 5月から6月にかけて卵より生まれる
●成虫(鳴き声が楽しめる) → 8月上旬から9月中旬に成虫となる
●最後 → 10月頃に卵を生んで死んでしまう
冬を越させることはできない
このように鈴虫は、毎年必ず10月頃には死んでしまいます。
これはまさに寿命というべきもので、人間の手で環境を整えてあげても、冬を越して来年も生かすことはできません。
鈴虫を自分で飼っているとして、例えば温度管理で寒くならないようにしてあげても、やっぱり10月あたりで死んでしまうのです。
かわいがってきた鈴虫が死んでしまうのは悲しいですが、これが彼ら運命なのだと受け入れるしかありませんね。
長生きさせるためのポイント
10月頃に死んでしまうのが運命の鈴虫ですが、飼育している場合、その中で少しでも長生きさせたい! と思いますよね。
そんな場合、様々な工夫をすることで長く生きる可能性を上げることができます。
ここでは、長生きさせるポイントをご紹介しましょう。
餌に注意!タンパク質を与え共食いを防ぐ
鈴虫は雑食性で、時に共食いをします。
長生きをさせたいのに、ケージの中で争い合って死んでいってしまうのは悲しすぎますよね。
共食いを防ぐためには、「タンパク質」を含む食事を与えましょう。
ナスやキュウリなどの野菜を上げることが多いですが、カツオ節や煮干し、ジャコなど、タンパク質を含む餌も与えましょう。
タンパク質を与えることで体も強くなりますし、共食いの発生を抑えられますよ。
飼育環境に注意!土を乾燥させない
土が乾燥してしまうのも、鈴虫にストレスを与えて早く死なせてしまいます。
土が乾燥してきたら、霧吹きなどで湿り気を与えてあげましょう。
鈴虫に直接水をかけないように気をつけてくださいね。
また、直射日光が当たる場所で飼ったりしないなど、温度管理にも気を配ってあげましょう。
殺虫剤に注意!ちょっとした不注意で全滅させないように
最後に大事なのは、寿命うんぬんではなく、人間の不注意で一気に全滅させてしまうパターンです。
多いのが、殺虫剤に関するミス。
夏はゴキブリや蚊など、迷惑な虫も増える季節。
これらの対策として殺虫剤が活躍するわけですが、忘れてはいけないのは殺『虫』剤ですので、鈴虫も簡単に殺してしまうこと!
鈴虫を飼っていることを忘れて、スモークタイプの殺虫剤で部屋を燻蒸してしまった、なんて事はもってのほかです。
また、殺虫剤を害虫に使用した際には、その成分が手や服についている可能性が高いです。
その手を洗わず、鈴虫のケージの内部に手を入れて世話をしたりすると、殺虫剤の成分が入り込み、次の日見たら鈴虫が全滅してた……という悲しい結果になります。
目には見えないですが、手についている殺虫剤の成分にまで、しっかり気をつけてあげてくださいね。
卵を生んでいる可能性あり
初夏頃に生まれ、秋には死んでいく運命の鈴虫ですが、彼らの命のつながりが絶たれる訳ではありません。
オスとメスを一緒に飼っている場合、高確率で死ぬ前に卵を生んでくれます。
この卵は冬を越して、来年にまた鈴虫の幼虫が生まれてくるので、上手に飼うと毎年、鈴虫の音色を楽しむことができるんですね。
よって、10月頃に鈴虫が死んでしまったとき、慌ててケージの中を片付けたり、丸洗いしたりしないでください。
マットや土の中に卵がたくさんある可能性があるので、次の年も育てたい人は、そのまま冬を越させるようにしましょう。
ちなみにですが、次の年も育てる予定がない人は、最初からオスとメスを一緒にしないで育てる方法もあります。
というのも、鈴虫は交尾をさせないと多少長生きする、と言われているからです。
もちろん、それでも冬は越せないのですが、卵が必要なく少しでも長く飼いたい方は、検討してみてはいかがでしょうか。
鈴虫の生態
さて、ここまで鈴虫の寿命についてまとめてきましたが、そもそも鈴虫とはどんな生き物か、その生態もご紹介しておきましょう。
鈴虫は本州・四国・九州などに生息する虫で、体調は1.5センチから2.5センチほどの虫です。
薄茶色の体、薄暗いところを好むなど、見た目はかなり地味な虫ですが、夜に奏でる音色はとても美しいものになります。
夏の終わりから秋の夜に「リンリーン」と鈴がなるような鳴き声を上げるので、多くの人が聞いたことがあるでしょう。
この鈴虫の音色は、「鳴き声」とか「虫の声」と言われますが、実際には翅(はね)を擦り合わせて音を出しています。
ちなみに音色を奏でるのはオスで、求愛行動です。
求愛が実るとメスと交尾するのですが、交尾後、オスはメスに食べられてしまう事も!
こうして、オスをも食べてしまう強いメスも、秋に卵を生んだのち死んでしまいます。
鈴虫の楽しみ方
鈴虫は、澄んだ音色を奏でることが特徴です。
日本人は昔からこの音色が好きで、古くは平安時代より、鈴虫を飼う文化がありました。
現代でも、鈴虫を飼っている人はたくさんいますよね。
鈴虫を飼うのに大掛かりな道具はいらず、飼いやすい虫であるのも魅力の一つです。
上で紹介したように、鈴虫は一年で死んでしまいますが、オスとメスを一緒に買うことで卵を生ませられます。
次の年、卵からまた幼虫が生まれるので、毎年ずっと鈴虫を楽しむことができますよ。
鈴虫の入手方法
もしも「鈴虫を飼ってみたいな」と思ったのなら、早速行動してみましょう。
鈴虫を手に入れるのは難しくなく、以下のような方法で簡単に始めることができますよ。
もっとも簡単なのは、ペットショップで買うことです。
オスとメスセットで100円程度から数百円なので、お手頃ですよね。
ちなみに春の頃には、卵が売っている事もあるので、幼虫から育てる事もできますよ。
お金をかけたくない!という人は「野生を捕まえてくる」という手もあります。
8月頃から成虫となるので、森林や草むらなどの日陰を探すと、見つけることができますよ。
次の年も飼い続ける予定であるなら、最初にオスメスセットで飼い始めることで、卵を生ませられます。
卵から幼虫を生ませられれば、もう入手方法には困らないですよね。
まとめ
今回は、鈴虫の寿命や長生きさせる方法について、ご紹介しました。
澄んだ音色が魅力の鈴虫ですので、せっかくなら少しでも長生きさせたいですよね。
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それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。