お子様の卒園、おめでとうございます。
子どもの卒園式は感慨深く、待ち遠しいものですよね。
しかし、卒園式の「謝辞」を依頼されると、一転、式は緊張の場面となります。
どんな内容を話したらいいのか、どんな準備をしたらいいのか……。
大役であるからこそ、焦りと悩みが押し寄せてきますよね。
私も、そんな焦りに焦った保護者の一人です。
園の先生から謝辞を依頼されてから当日まで、あたふたしながら必死で準備をしました。
今回は、その時の私の経験を踏まえて、これから謝辞を担当するパパやママ達の参考になるよう、卒園式での謝辞についてご紹介したいと思います。
●本文を書く上でのポイント
●本文の例文
●やっておくと良い練習
●その他の準備
これらについて、自分で調べ、実際にやってみた経験を踏まえて、詳しくまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
皆さんの謝辞が、素晴らしいものになりますように!
目次
謝辞と祝辞の違い
謝辞の担当が決まったら、まずは内容の作成から手をつけましょう。
というのも、内容がある程度完成してこないと、本番用の清書や読み上げの練習などもできないからです。
しかし、この内容を考える上で、理解しておきたいポイントがあります。
それは、「謝辞」と「祝辞」の違いです。
この二つは、言葉も似ていますし、園の進行の中でどちらも出てきます。
なんとなく「どちらもお祝いの言葉だよね、違いは言う人?」くらいに考えていた私ですが、それが間違いの元でした。
謝辞と祝辞の違いは、以下のようになります。
●謝辞:(先生方への)感謝の言葉 ⇒ 保護者の代表が述べるもの
●祝辞:(卒園生や保護者への)お祝いの言葉 ⇒ 園の代表や来賓が述べるもの
こうして並べてみると、この二つは似ているようで全然違うことに気がつきますよね。
「どの立場で、誰に向かって言うのか」が、二つの違いを分ける重要な部分なんです。
謝辞は、卒園生である子ども達へのお祝いの言葉ではありません。
子ども達の親である私(達)から、園の先生方や関係者への「感謝の言葉」です。
その意味で行くと、卒園生達に「おめでとう」と言ったり、同じ立場の保護者へ「おめでとう」と言うのは、謝辞の趣旨とは違ってくるわけです。
このポイントをしっかり把握しておくと、本文を考える上で、内容がブレずに済みますよ。
ちなみに、「祝辞」を担当する事になった場合のポイントは、こちらで詳しくご紹介しています。
⇒卒園式の祝辞のポイントは?PTA会長/来賓、園長/先生、保護者別に例文を紹介
本文を作るポイント
それでは、早速、謝辞の本文を作っていきましょう。
謝辞の本文のアドバイスは、ネット上でも紹介されていますし、例文集の本なども出ています。
そして、私の場合、園の先生から「過去の卒園式で読まれた実際の謝辞」を借りることができました!
後でご紹介しますが、謝辞は正式な紙に内容を清書して、当日読み上げた後は、園に提出するんですね。
そんなこと、実際に担当するまでは全く知りませんでした……。
そんな訳で、園には過去の謝辞が残っていますので、私のように貸してくれるケースもあるようです。
園ごとに謝辞の内容に特徴があったりするかもしれませんので、気になる場合は、園の先生方に見せてもらえるか相談してみるといいと思いますよ。
話の流れと入れるべき要素
では、具体的な内容を説明していきましょう。
「謝辞」なんて作ったことがない人がほとんどで、とても難しい印象を持っていると思います。
でも実際には、謝辞の大部分は、話の流れと要素が決まっていたりします。
この流れと要素は、どの例文でもほぼ同じなので、そのまま取り入れると一気に内容が見えてきます。
(すごくオリジナリティを出したかったり、「定型なんて関係なく一から自分で作りたいんだ!」という人は別ですけどね)
その流れと要素は、以下のようになります。
1)導入として「お礼の言葉」から始める
2)時候のあいさつ
3)先生・職員の方々へ向けて、卒園式を開いていただいた事へのお礼、また来賓の方々へ参列していただいた事へのお礼
4)在園中の行事のことなど、思い出の話
5)現在の気持ち、子ども達の将来の展望など
6)先生・職員の方々へ向けて、お世話になったことのお礼
7)結びのあいさつ
8)日付けと氏名
どうでしょう、こうして流れを見ると、イメージがぐっと湧いてきますよね。
このそれぞれの部分の文章を考えれば、謝辞の本文は完成となります。
実際に私が使った文例については、下でご紹介させていただきます。
全体の長さは5分以内に収まるようにする
内容を考える上で、もう一つ大事な事。
それは、全体の長さです。
式典での代表者の挨拶は、長すぎると退屈で飽きてくるのは、どれも同じです。
ましてや、園児が参加している卒園式ですから、だらだらと長いものより、要点を抑えてまとまっている方が断然好まれます。
よって、目安としては、3分〜5分の間で終わるものとしましょう。
人によって読み上げるスピードが違うので、どれくらいの長さがこの時間に収まるかは、差が出ます。
そこで、おすすめの方法としては、まず全体の内容を、800文字〜1000文字で作ってみましょう。
それを通して読んでみて、3分〜5分を大きく外れるようでしたら、内容を修正して調整すると良いですよ。
私の場合、緊張すると早口になってしまう癖があるので、練習の時から、できる限りゆっくり話すようにしていました。
すると、最初に作った内容は7分以上かかってしまっていたので、部分的に削除したり、文を修正したりした結果、最後は4分強くらいの内容となりました。
せっかくの感動的な謝辞も、長すぎると退屈になってしまうので、メリハリをつけた長さにしてくださいね。
聞いている人がウルっとくるポイント
さて、ここまで謝辞の「流れと要素」、「全体の長さ」を説明してきました。
私も、自分の園の過去の謝辞を読ませていただきましたが、大体がこの流れと似た内容になっていました。
でも、せっかく自分が謝辞を担当するのなら、聞いている人の心に響かせたいな、と思ったのです。
感動させる、とまで大きな事は言えませんが、少しウルっとくるくらいの共感を持ってもらいたい、と欲をかいた訳ですね。
その方法を考えてみたのですが、おそらく一つしかないと思います。
それは、謝辞の要素の中で、唯一、独自のエピソードを使いながら、先生方や保護者に共感してもらえる部分。
「4)在園中の行事のことなど、思い出の話」です。
ここは定型文そのままではなく、本当にあった在園中の行事やイベントなどを、具体的に入れることができます。
その内容を、個人的な思い出ではなく、先生方や保護者の方々に共感してもらえるものにしましょう。
この「共感」こそが、子ども達が卒園する感動を共有し、ウルっと涙を誘うきっかけになってくれます。
私は、この部分では、皆が参加した行事で、皆が体験した思い出などを、具体名を上げながら紹介することを意識して作りました。
実際に、本番の皆様の反応は悪くなかったので、ぜひこの部分の作成を頑張ってみてください。
実際に使った謝辞の本文
それでは、私が実際に使った謝辞の本文を、そのままご紹介したいと思います。
各要素が分かりやすくなるように、本文の中に要素を補足していますので、参考にしてください。
1)導入として「お礼の言葉」から始める)
お礼の言葉
2)時候のあいさつ
日毎に春の暖かさが増し、花のつぼみも膨らみ始める季節となりました。
3)先生・職員の方々へ向けて、卒園式を開いていただいた事へのお礼、また来賓の方々へ参列していただいた事へのお礼
今日という佳(よ)き日に、このような盛大で心温まる卒園式を開催していただき、ご準備いただいた先生方、職員方に、厚く御礼申し上げます。また、この門出の式にご出席をいただきましたご来賓の方々にも、深く感謝申し上げます。
4)在園中の行事のことなど、思い出の話
思えば、初めて〇〇園にやってきたあの日、親と離れたくないと言って泣き出した子ども達が、毎日、明るく楽しく迎えてくれる先生方に、休日も会いたいと言い出すのに、時間はかかりませんでした。
3年間、ずっと天候に恵まれた運動会では、元気よく力一杯走れる強さを見せてくれました。
お泊り保育会では、生まれて初めて親元を離れ、先生方やお友達と過ごせた事は、立派に心も育ってくれていることを教えてくれました。
これら子ども達の成長には、全て先生方・職員の方々の御尽力とお心遣いがあってこそのものでした。
5)現在の気持ち、子ども達の将来の展望など
〇〇園での月日も、あっという間に3年が経ち、子ども達は頼もしい姿となって、この卒園式に臨んでくれています。
これからも、成功や困難を含め、たくさんの出来事が子ども達を待っているかと思いますが、〇〇園で過ごしたかけがえのない日々が、これからも子ども達を支え続けてくれると信じております。
6)先生・職員の方々へ向けて、お世話になったことのお礼
ここにいる24名が、無事に卒園を迎えられたのは、先生方や職員の方々の温かくも厳しいご指導のおかげであります。
一人一人と向き合い、いつも真剣に子ども達のことを考えてくれる姿勢に、言葉に表せない感謝の心で胸がいっぱいになっています。
本当にありがとうございました。
大きく羽ばたいていく子ども達を、今後もどうか見守ってくださいますよう、よろしくお願いいたします。
7)結びのあいさつ
最後にはなりますが、先生方・職員の方々のご健康とご多幸、〇〇園の益々の発展をお祈り申し上げまして、私からのお礼の言葉とさせていただきます。
8)日付けと氏名
平成◯◯年 ◯月 ◯日 氏名
やっておくと良い練習
本文の内容が固まりましたら、ぜひ、本番までにやっておくと良い練習をご紹介します。
まずは、実際に時間を計っての「朗読練習」です。
できれば、スマホなどで話している姿を録画するといいですね。
客観的に録画した動画で確認すると、早口になっていたり、滑舌が悪い部分があったりすることに気がつけます。
時間が長すぎたり短すぎたりした場合は、話し方で解決するか、それとも内容を修正するかを考えましょう。
私もそうなのですが、人前で話すと緊張で早口になる人は多いと思います。
もし、早口で謝辞が短く終わってしまうのなら、全体にゆっくりと話し、要素の句切れでは一呼吸おいて続きを話すようにすると、聞き取りやすく、時間もゆったりと使えるようになりますよ。
私は、当日の緊張で話のテンポが乱れないよう、口が完全に慣れて滑らかに話せるようになるまで、練習しました。
その結果として、謝辞の内容は丸暗記してしまったのも、当日、少し余裕を持って話せた理由かもしれません。
また、当日の動きの練習も、ぜひしておきましょう。
事前に式の会場での打ち合わせがあったのなら、そこで移動の動線や、お辞儀のタイミング、方向、謝辞を取り出して開くタイミングなどを確認しておきます。
そして、当日までに移動や動作も含めた練習をすれば、完璧です。
当日は、緊張で動きがあたふたしてしまいがちですし、そうなると、その後の読み上げにも影響するかもしれません。
せっかくの謝辞の担当ですので、本文の内容だけでなく、読み上げや動きまで間違いなくこなしてくださいね。
本番用の謝辞の準備
最後に、「謝辞」の準備についてもご紹介します。
途中でも出ましたが、「謝辞」の担当になった場合、やることは当日の発表だけではありません。
謝辞の内容を、専用の紙に記載し、謝辞の後に園に渡す必要があるのです。
専用の紙とは以下のようなもので、市販されていますので簡単に用意することができます。
●手書きもパソコン印刷も可能な式辞セット
この式辞用紙に、本番で読む謝辞内容を記入します。
記入方法は、手書きでもパソコン印刷でも構いません。
手書きの場合、毛筆か筆ペンで書くことが普通です。
手書きする場合、間違えると書き直しなので、この準備でもかなり時間を取られてしまいます。
それも踏まえると、できるだけ早めに謝辞の内容を確定させて、式辞用紙の作成に取り掛かることをおすすめします。
まとめ
今回は、卒園式での謝辞について、実際の例文を含めてご紹介しました。
謝辞は責任ある大役ですが、依頼されたことに喜びを感じて、ぜひ成功させてください。
この記事を読まれた方は下記の記事もおすすめです。
・卒園式で先生から子どもへ!担任の言葉のポイントと例文を徹底解説
・卒園式のプレゼントは?子どもや先生にわたす卒園記念品を予算別に解説
・卒業式の来賓の服装は男女それぞれ何がいい?幼小中高で服装は異なる?
・卒業式のストッキングの色や柄、寒さ対策は?黒やタイツはだめ?
・卒業式で泣かない方法は?どこよりも徹底解説!
→泣かない方法に関しては子ども向けの記事ですが、大人が読んでも参考になりますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。